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2、昼休み
しおりを挟むピコン
『ユートさん、何してるんですか?』
またかよ。今日4回目のメールだぞ
『今から昼飯食うとこ』
あの雨の日から3日。ずっとこんな感じだ
会ったら子犬みたいにかけよってくるし、
毎日10回はメールが届くし。
一体どうしたんだよ
『ユートさん、学校どこなんですか?』
そういえば言ってなかったかな
『谷澤高校だよ。大斗は?』
『俺は中宮高校です。近いですね』
中宮って偏差値高いところだ
大斗ってやっぱすげぇんだな
『そうだな』
と俺は返して、スマホをしまった
「三嶋!屋上で飯食おうぜ!」
仲のいい北山が呼びかけてきた
天気も快晴でちょうど良いかと屋上へ向かった
「天気いいな!」
北山は明るくテンションも高いため、こういう日はよくはしゃいでいる
プルルルル
ん?誰からだ?大斗?
「はい、もしもし」
「ハァハァ、ユートさん?」
息切れてないか?
「そうだけど、どうかした?」
「今谷澤高校の前にいるんですけど、ちょっと来てくれません?」
「お前、もしかして走ってきたのか!?」
いくら近いといっても谷澤高校と中宮高校は1駅分離れている
「大丈夫です。俺、陸上部なんで」
てか勉強できてスポーツできてかっこいいってお前何者だよ
「分かった、分かったからちょっと待ってろ」
俺は電話を切った
「誰からやった?」
北山が聞いてきた
「知り合いだった。ちょっと行ってくるわ」
「了解」
俺は階段を駆け下りて校門に向かった
てかなんであいつは急に来たんだ?
「大斗!」
俺がそう呼びかけると大斗は振り返り、笑顔でこっちを見た
「ユートさん!」
なんでこいつこんなに笑顔可愛いんだ?
「お前、急にどうしたんだ?」
「ユートさんに会いたくて」
んん?まぁ、スルーでいいだろ
「とりあえずお前、飯食った?」
「あ、まだでした」
俺も昼飯屋上に置いてきちまった
ちょうどいいし、どっかで買って食うか
「大斗、コンビニでいいか?」
「どこでもいいです」
「ユートさん、それ美味しそうですね」
俺のカレーパンを見ながら大斗は言った
「食うか?」
俺はカレーパンを差し出した
「じゃあ、遠慮なく」
大斗はカレーパンを食べてすぐに水を飲んだ
別に辛いわけじゃないんだけど
「あれ、もしかしてお前カレーパン苦手?」
大斗は顔を赤くした
「じゃあなんで食ったんだよ」
俺はつい笑ってしまった
「ユートさんが食ってるのみたら美味しそうだったんですよ!」
こいつが焦ってるのは珍しいな
「そうか」
そう言って2人で笑いあった
「急いでください、ユートさん」
「待て、俺お前みたいに足速くないんだよ」
あと少しで授業が始まるから俺と大斗は急いでいるが、流石陸上部。
びっくりするくらい速い
「もうお前、先に行っていいぞ」
俺は息を切らしながら大斗に言った
「ユートさんを置いていけるわけないじゃないですか。そもそも学校におしかけたのは俺ですし」
それからしばらく走って俺達は谷澤高校に戻ってこれた
「すまん、大斗。お前授業遅れるだろ?」
「今から走れば大丈夫です。ユートさん、楽しかったです」
「デートだったみたいな言い方するな」
俺は大斗が走っていくのを見送って教室に戻った
「結局昼休みが終わるまで戻ってこなかったな」
北山だ。そういえば屋上に置いてきてしまった
「すまん、北山。忘れてた」
「おい!忘れんなよ!まぁ、あんなイケメンと一緒にいたらそうなるかもな!お前ら、どういう関係だよ」
どういう関係って、仕事仲間だがそれを北山に言う訳にはいかない
「まぁ、色々あったんだよ」
「色々ってなんだよ!」
北山がムキになってるな
「何でもいいだろ」
「お前が屋上に忘れた昼飯持ってきてやったのになんだよ!」
「おぉ、サンキュ」
俺は昼飯を受け取り席に着いた
「ちぇっ、なんだよー。まさか恋人とかじゃないよな?」
「俺とあいつが?あるわけないだろ」
そう言って俺は外をみた
「そっか、そうだよな!」
そう言って北山も席に着いた
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