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最終章 決戦、最終戦争 後編

第十四話 全ての終わり

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『こりゃ、やっと死ねるかもな…』

「あぁ…レヴァーナの分も込めて。英雄ナル我ガ唱エル。魔王ヘルシネ

アルカディア城のある空間全域に魔法陣が展開された。

「なに!?この魔法陣の大きさと数は…!」

「きっとあの小僧だろう」

アシュペナとアルガンが言う。

「解30秒、29、28、27…」

『その攻撃…絶鬼望気レヴェシスで受け止める…』

「─5、4、3、2、1…始!」

全ての魔法陣が光る。

「てめぇは…『いい加減に死にやがれ』…」

その言葉を残し何もかも全てが爆発した。創世城アルカディアも玉座を残し崩れ落ち、白い壁にヒビが走る。その爆破は新世界にも伝わり、新世界の約1割爆破して消えた。





『げっ…げっ…あんな威力…想定外…』

ギヴェルトスは新世界の木々の間を這いつくばっていた。

下半身は消え、残っているのは、左腕と頭が主に上半身少しだけだ。

「お前はすごいよ、世界ひとつの魔力を使ってやっと倒せるなんて…」

『最後の言葉がそれか…言っとくが私は殺せないよ…その殺されるという行為を理が否定するからね』

「あぁ、なら誰も解けない封印をお前にかける。ありがとうな今まで…」

リアクはホフルギウスでギヴェルトスの心臓を貫いた。

「英雄ナル我ガ唱エル。封印シセヨ、ギヴェルトス」

ギヴェルトスが粉のようになり空に散っていく。

「さらばだ。最後の始祖王よ」



「リアク!」

「リアク!」

アシュペナとリエ、ベールックが駆け寄ってくる。

「あいつは倒したのか?」

「あぁ。倒したと言うよりもー封印したって感じ?」

アシュペナとリアクは会話する。

「リアクお疲れ様。やっと平和が訪れたね」

「だな、ガチ疲れたよ…」

「お前ならできると思ってたぞ、リアク」

ベールックがリアクの肩を叩く。

「お前もよく生きたよ…戦いが終わったあとも色んなことをしなきゃだな…」



あぁ。半年も経つのかぁ…

リアクは最後の地、創世城アルカディア城跡にきていた。

「英雄ナル我ガ唱エル。創世…魔界」

リアクは自身の魔力を使い魔界を創世しようとした。

「魔力のなる木に魔力を増やせばどうにかなるか」

リアクは魔術を使い至る所に魔力のなる木を植えた。

「これで良くて…それで問題は魔王か…」

「英雄。先代魔王は世話になった。この後は私が魔王に即位する」

「そうか…なら頼んだぞ」

リアクは再び人界に戻った。



2年後。西暦1749年。英雄リアク・ガルディアは死んでいった全人類の蘇生に成功。そして荒れ果てた旧世界を捨て新世界へと移住した。同年には15代目魔王のヴェイナ・ルーペが即位、人界と和平を結んだ。世界各地はお祭り騒ぎだった。

「打ち上げまではあとすこしか…」
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