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最終章 決戦、最終戦争 後編

第十話 今までの自分と

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「だとしても魔獄神に即位させるものか」

「即位の前に戦乱とは、致し方嫌な歴史を作ってしまうな」

「お前の歴史は今日ここで俺が…途絶えさせる」

リアクはまたホフルギウスを振り、キルトスの首元を狙う。アルカディア城の玉座の間で英雄と神王は戦う。

「いつまで茶番をやる気だ。倒すならさっさと倒せ!」

キルトスは肘でリアクの顔面を殴った。

「がぁっ!?」

リアクは玉座の間にあった絵画にぶつかりその衝撃は絶対にヒビの入らない魔導石で建造された城にヒビが入る程だ。

あぁ…痛ってぇ…血で視界が赤く見えるよ…くっ!

「痛ってぇじゃねぇか…」

リアクは口に着いた血を拭う。

「貴様は本当に弱いな」

「そんなこと言わせないくらいぶっ飛ばす。ゲル

リアクはキルトスを本気で倒すつもりだ。

『解放-剣技』

「ほぉ…剣技を覚醒させるか」

リアクはさっきとは比べ物にならない速度で剣を振る。

「っ…」

ホフルギウスはキルトスの右腕をはねとばした。

「流石に片腕だけでは防御が続かんか─がぁっ!」

「へっ…やっとお前の心臓を貫いた…」

ホフルギウスはキルトスの心臓を貫いていた。

「これでお前も─」

何故か分からないがリアクは吹き飛び時空の狭間新世界と旧世界の狭間の端の壁にぶつかり大きなヒビが入る。

「っ…!?」

キルトスはリアクが壁に埋まったまま腹部を殴りに来た。

「ぐはっ!?」

衝撃で壁が崩壊する。

「いつまで粘るのか…早く楽になればいいものを…」

「無理だね…俺はお前を倒すまでは…」

リアクはまた剣を振る。

「やぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「なにっ!?」

アルメニギアの刃にヒビが入る。

「俺は…俺の使命を…全うするんだぁ!」

もととうアルメニギアがふたつに割れた。

それと同時に大爆発が起き白い城の外壁が黒く焦げるほどだった。

「あっ…ぁ…」

キルトスは爆発に巻き込まれ骨と肉が見えている。

「星団彗星術式。幻狼…」

キルトスのなくなった腕などが治り始めている。

「ちっ…がちずりぃよ…」

それにゴルッソ伯爵の容姿だからやりにくい…!

『それは思う。僕だってね』

『俺も思う。同じ意見だ』

「…、?」

謎の人物が喋る。

『何惨めな格好になっている俺』

騎士の鎧を着た者が言う。

『何負けそうになってるの僕』

ボロボロの作業服を着た者が言う。

「リアク・ゼントニーア…それとライル・アンヴェルア。貴様の…前世の意識と前前世の意識か…」

『あぁ。さらに未来のこいつから助けてやれって言われてよ』

ライルリアクは腰にある刀に手をつける。

「っ…それは─」

『そう…希望の剣。ホフルギウスだよ』
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