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最終章 絶望と克服、全ての始まり 中編

第七話 目覚めよ英雄

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「参上だ…シンセシスブレード」

始祖十三王、第四之王-天翼之王、シンセシスブレード。

「クソが…また邪魔が来るか…7年前には、ウィンドルベェルガに…」

「まぁ…そう焦るな…」

ゴアンスディナルの四肢が鎖に縛られる。

「くっ…」

「我々は、神界に帰るぞ…問題ないな?」

「あぁ、さっさとそいつを連れて帰ってくれ!」

ベールックは焦り気味に言う。

そしてゴアンスディナルとシンセシスブレードは去った。

「まさか神が味方するか…時間か…」

ガイランは砂のように消えた。

「ふぅ~、危なかった」

「何とかなったわね…って…あぶない…」

リエとベールックは今でも落ちそうになった。

「さっさと行こうぜリエ、はよ帰らないと隊員たちが心配するぜ」



「最高長官と軍事長官が御帰還されたぞ!」

「おぉ…よぉご無事でありましたか…」

魔法隊、外交長官のロベルトが優しく出向く。

「最高議会側にもやはり始祖十三王がいました。我々の戦力はまだ足りていません。後3年頑張りましょう」

リエは魔法隊の人達に言う。



「セルド様。人界偵察に行きますよ」

「あぁ知っている」

ようやく人界に戻るのか。7年振りだな。



あぁ…何もしたくない…泣きたい…

『少年、君に俺の力を託す。だが条件がある。人の命は全力で守れ!命を大切にしろ!それと、…たとえこの後俺が死んだとしても…この儀式を停められなかったとしても、絶対に諦めるな!どんなに絶望したっていい!どんなに怒ったっていい!だけど、英雄たるものならば生きて生きて悪を倒せ!』

あぁ…なんて大事なことを忘れていたんだろう…

『起きろよリアク。俺らにはお前が必要なんだよ』

『リアクはリアクだよ…ほかの何物でもない…』

俺はみんながいる…みんなが俺を必要としてくれている…

『お兄ちゃん…』とリナが…

『リアク…』とリエが…

『リアク!』とベールックが…

それぞれの人がリアクを必要としている。

「俺は…生きていていいのか…」

黒い空間が晴れたように白くなり、リアクは目を覚ます。

それは静かに起きた。

「…」

静かにベットから起きるリアク。

いつぶりに太陽の光を見るかな…、長い間寝てた気がする。

「リアク…?」

リエが驚いた顔で立っていた。

それに対しリアクは笑顔で

「おはようリエ」と言った。

「い、…いつ起きたの…リアクっ、」

リエは泣きながらリアクに抱きつく。

「ついさっきだよ…何日くらいたった…?」

「そんなレベルじゃないよ!7年だよ…」

「7年…か…そんなに…でもその分一緒に過ごせばいい。酷い世界だ…」

リアクは醜い空を見る。残酷な空を…
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