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第二章 帝都編

第十二話 帝都ヴェルスタン

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帝国軍東部方面軍首都ビオンフォーデンにある帝国軍人用公園にいたルイスとアリア。

「てかぁ…少佐に昇進してわずか1週間で中佐に昇進って…何そんなの聞いたことない、」

公園のベンチに座り机にうつ伏せになるアリア。

「でもアリア。お前だって少尉に昇進したからいいじゃないか」

「まぁそうだけどさ…ルイスは早すぎだよ、」

ため息を吐くアリア。

「そんな昇進スピードだと私と同じようにすぐ将官になるかもな」

「ぺ、ペルシア准将閣下!」

「久しぶりルイス君。もう中佐とかほんと早いね」

笑顔で言うペルシア。

「いやいや25歳で准将というペルシア准将閣下が言えたことじゃないですけどね」

「まぁそうかもしれないけどさ…でもいい出世コースだよ!ルイス君は!」

公園で雑談をするルイス達。しかし向かい側の建物の窓からそれを覗く者がいた。

「へっ、あいつがルイス・ヴィルヴィスタンか…」

ほの暗い部屋から覗くのは帝都防衛第三連隊長のヴィルロット中佐であった。

「はい、1週間程度で少佐から中佐に昇進。これは極めて異例です」

「あいつはやはりムカつくな。閣下が仰ることもわかる。中尉、例の作戦を始動させてくれ」



「あ、ペルシア准将。自分、東部方面軍の戦略作戦次官になりましたので正式にペルシア准将の部下となりました」

「おお!噂の中佐はルイス君か!」

ペルシアはすこし嬉しそうになった。

「だからアリアが戦略作戦補佐官になりました」

それを聞くとペルシアすこしムッとした。

すると公園前に1台の車が止まる。1人の軍人が降りてきてルイスの元に来る。

「ルイス中佐殿。自分はピポスト中尉。中佐殿、エンブェルフ大将閣下がお呼びです。のためご同行願います」

「エンブェルフ大将?貴官所属は?」

ペルシアは疑問を抱きピポストに尋ねる。

「はっ。自分は帝都防衛第三連隊長補佐のピポスト・ピペルロード中尉であります」

「そうか…」

帝都の防衛第三連隊長と言えばあいつか…ヴィルロット…いい評判は聞かない。それにエンブェルフ大将って誰だ。そんな人聞いたことがない。参謀本部にも統一軍事会議にもそんな名前の将官はしらんぞ…大将なんぞ数えるくらいしかいない。私も准将である身だ。大将全員の名前を覚えるくらい容易い。まさか嘘…?

「ピポスト中尉。私は帝国軍すべての大将の名前と所属を覚えているつもりだが、そのような名前の大将は知らんぞ。誰だ?」

「失礼ながら准将閣下。軍機によりお答え出来かねます」

「そうか…」

軍機ね…本当にそうかしら…これは一旦、本部に戻った情報部と諜報部に調べさせる必要があるわね…

「分かりました。同行します」

「御協力感謝致します、車を手配しておりますのでこちらに」

止められていた車に乗車するルイス。

車の前には運転手のピポスト中尉と助手席にもう1人軍人がいた。

静かに走り始める車。

「…で、私をどこに連れていこうとするのだ…」

「ヴェルスタンの郊外の山…と言ったら。どうしますか、中佐殿」

考えるよりも、まずは誰か知る必要があるな。

「貴官の所属どこだ?」

「軍機のため、お答え出来ません」

「そうか…」

数十分後。ヴェルスタン郊外。

ピポスト中尉は車をおり窓の外から言う。

「少佐到着しました」

「ご苦労…ルイス中佐、ご到着されましたのでご降りください」

ピポスト中尉は後部座席の扉を開ける。

「ここはどこだ」

「中佐殿。閣下がお呼びですのでこちらへ」

閣下か…将官か…?
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