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第一章

第七話 軍事クーデター

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「急げ、急げ!あいつらレオタルド王国より早く進軍しろ!ちっもう空軍のやつらがきたか…」

空には多くの爆撃機や戦闘機が飛んでいる。

「ん?あれはヴィットスタン帝国空軍のやつか?なぜここに」



645年。9月2日。戦争開戦から翌日。南部方面軍司令長官室にて─

「どのラジオ局も、戦争開戦のことを言っますね…ったく」

「それが今だ。我らは援軍という名の王子を救出しなければならない」

帝国陸軍南部方面軍司令長官のガーター中将が新聞を読みながら補佐官と会話する。

「恐らく、レオタルド王国はこれを機に軍事クーデターを起こすに違いないな。陸軍大臣死亡も計画されたことか…ちっ実に600年続いてきた皇族の血が途絶える可能性もある。29代国王のセルフェネ様が亡くなることも考えて、我々は行動しなければな」

その時急に司令長官室の扉が開く。

「長官!伝令であります!アーポスト共和国に高魔力爆弾が落とされました!」

「な…んだと…?」

「推定死者数は50万人以上…種はML-7と考えられ魔法等級は推定16!」

「…26ある等級の16…おぞましい…」

南部方面軍の施設は忙しい雰囲気に包まれた。

「どうしますか…長官」

「………」



レオタルド王国軍統合参謀本部。

「時は満ちた。全軍アストラダム宮殿王宮へ進軍せよ」

レオタルド王国軍のトップ、イース元帥はとうとうクーデターを開始した。

「これで私の国が手に入る…」



同国王立議会場。

「─のため!否決すべきなのだ!」

「落ち着いてください。賛成の方はご起立してください。多数賛成のため議案第一号は可決となりました」

議会では、高魔力爆弾の第2波使用についてと軍備増強の議案が可決されたことにより暴動が起きている。

「可決は取り消しにしろ!!」

「警備員!警備員!」

その時議会の入口で爆発が起きる。

「焼き尽くせ!愚かな代議院議員は撃ち殺してしまえ!」

暴動で暴れていた代議院は軍によって銃声が鳴り止まなくなった。

数分たっても銃声と悲鳴は鳴り止まなかった。

「代議院議長閣下。ご同行願います」

「拒否したところで…命は無しか…」



同国王都アストラダム宮殿。

「陛下!軍が王都を制圧しました!この付近も時間の問題です!早く避難を…!」

切羽詰まりながら国王に近づく近衛軍将校。その時、玉座の間の扉が開く。

「国王陛下。今すぐ近衛軍の武装を解除し、ご同行願います」

「貴様!誰に口を聞いているの思っているのだァ!」

銃声が鳴り近衛軍将校は地面に倒れた。人の死を前にしても国王は表情一つ変えなかった。
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