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体だけの関係と思っていた相手と実は両思いでした

6最終話※

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 大きくため息をつきがっくりと項垂れたマイルズ。まさかの展開で僕も混乱している。

 しばらくお互い何も言わず動かずにいたのに、マイルズは無言ですっと立ちあがると簡易キッチンへ向かいグラスに何かを入れて戻って来た。そのグラスをぐいっと渡されたので受け取る。

「飲め」

 じっとグラスの中身を見つめていると、短くそう言われてしまった。くん、と匂いを嗅いでみると酒の匂いがした。

 なんで酒を? と不思議に思いそのままでいたら、そのグラスをひったくられてマイルズはぐいっと煽った。

「え……? んうっ!?」

 がしっと後頭部を掴まれてそのまま勢いよくキスをされる。そのまま口の中には酒が注ぎこまれ、否応なしに飲む羽目になった。口移しで飲まされたお陰で少し漏れ出てしまう。そのまま首筋を通ってシャツを濡らした。

 マイルズの口の中の酒がすべてなくなると、そのまま舌を入れられて弄られる。いきなりの事で抵抗も出来ず、そのままマイルズの分厚い舌をただただ感じた。

「んふ……あ……」

 飲み込んだ酒のお陰でふわふわとした酩酊感と、マイルズの巧みな舌遣いであっという間に気持ち良くなってしまって、出したくもないのにあられもない声が出てくるようになってしまう。
 しばらくされるがままにキスをしていると、最後にちゅっと音がしてマイルズは離れていった。

「はは。お前、すげーとろとろじゃん。酒に弱くてすーぐ真っ赤になっちゃって。そんなお前が可愛くてたまんねぇ。
 …なぁ、抱いて良いだろ? こっちはずっと我慢してたんだ。嫌だって言っても抱くからな。こんなヘロヘロのとろとろになった可愛いお前を前にして止めるなんて出来るかよ」

 そのまま僕を押し倒すと、あっという間に服を脱がされて裸にされてしまう。お陰で熱を持った僕の中心はマイルズの目の前に晒されてしまった。

「まだ触ってないのに、もうこんなにしやがって…」

 意地悪そうににやりと笑って、ぴくぴくと揺れ動く僕のアソコをそっと撫でるようにして触れて来た。

「あっ! あ、あ……ダメ…んんっ…」

「は? ダメじゃねーだろ。気持ち―って顔が言ってるぜ。ほら見ろよ。先走りでもうこんなにぐちょぐちょになってるぜ。ほんっと、酒を飲んだお前って最高に可愛いよな。ぐずぐずになって、もっともっとって強請るようになるんだもんな」

「んあっ……やっぱり、酒を飲ませ…んぅ……たの、は…あんっ! …やぁっ……わざと…?」

「当たり前だろ。感度が良くなるんだから飲ませるしかねーじゃん」

 僕を弄る手はそのままに、顔を胸へと近づけてぷっくりと勃った乳首に吸い付いてきた。2か所同時に攻められて、あられもない声が止められない。

「んん…ダメぇ…そこ、ダメ…っ! ふぅっ……」

「ダメじゃなくて気持ちいい、だろ? 久しぶりだもんな。ほら、乳首気持ち―って言えよ。声も我慢すんな。もっと欲しいって言えよ。俺を欲しいって言えよ」

「ああ……あんっ……でも、そんな、こと……言ったら…」

「あ? 言ったらなんだよ。俺はお前が欲しいんだよ。だから……。だからお前も俺の事欲しいって言ってくれ」

 懇願するマイルズの瞳には、欲情が滲みながらもその顔は真剣で、本気で僕を欲していることが伝わってきて。

 それが嬉しくて熱くて切なくて。マイルズが欲しくて欲しくて堪らなくて。

「欲しい……。マイルズが、欲しいっ! お願いっ……マイルズを、ちょうだい……」

「やっと言ったな」

 そのまま噛みつかれるようなキスをされながら、僕の熱くなった中心を扱く手を早めてくる。

「一回出しとけ」

 その言葉に反応するようにあっという間に昇りつめた僕はぴゅるっと吐精した。マイルズの手にべっとりと付いた僕の白濁液を、そのまま蕾へと塗り込んでいく。指でぐちゅぐちゅとかき回されてまた僕は声を上げた。

「はは。その声たまんねー……」

 マイルズは僕の顔も体もあちこち舐めて吸って、所有印を刻み込んでいく。でも蕾に這わせた指の動きは止まらない。与えられる快感に僕は抗えるわけもなく、ただひたすらに悶えるだけだった。

「3本入ったからもういいだろ。もういい加減我慢出来ないから挿れるぞ」

「うん……挿れて…僕も、欲しい…」

「あーー! くっそ! 可愛すぎんだろッ!」

 指が引き抜かれてすぐ、もっと熱くて硬い物が添えられた。あ、と思う間もなくそれは僕の中へと入り込む。

「あああああ! あついっ……おっきぃ……!」

「ぐっ……久しぶりのお前ん中、ほんっと凶悪だな…。熱くて、搾り取るみたいにグネグネ動いてんぞ。やらしすぎんだろ……」

 奥まで入って来たと思った瞬間、そのまま激しい抽挿が始まった。肌がぶつかる音が響いて、そのぶつけられる熱量に目の前がちかちかする。
 マイルズの顔を見れば、額から汗を流し眉間に皺を寄せながら、必死に腰を振っている。その姿が様になりすぎていて、胸がきゅんと締め付けられる。

「ああっ! あんっ……だめぇっ……つよいぃ…っ! はげしっ……あんっ…」

「はっ…そんなにいいかよっ! 俺も最高に気持ちいいぜ。もっと善がれよ。もっと乱れて俺を求めろっ!」

「あああああっ!」

 最初から激しかったのに、それはまだまだ勢いを増し、僕はもう何も考えられなくなった。必死で僕に腰を打ち付けるマイルズがカッコよくて愛しくて、好きの気持ちが止まらなくなる。

「マイルズっ……すき…好きっ…!」

「アラン…俺も。俺もだっ…」

 そのまま強く抱きしめられて体いっぱいでマイルズを感じる。今までも何度も彼に抱かれていたのに、今日ほど多幸感に溺れたことはない。僕は腕も足も使って、全身で必死にマイルズにしがみ付いた。
 気持ちいい。マイルズに与えられる快感が熱くて気持ちがいい。

「んあっ…もう、イクっ……イクイクイクぅっ…!」

「イけよ。俺もイきそう……。愛してる、アラン!」

「んあああああ!」

 愛してる、と言われた瞬間、僕の気持ちはこれ以上にないほどに昂って勢いよく白濁液を放っていた。マイルズも僕の中に吐き出していて、じんわりと感じるその温かさを感じながら体を震わせる。

 はぁはぁとお互いの乱れた息だけがこの場を支配する。

「アラン、大丈夫か? …わりぃ。あんまりにも可愛くて歯止めが効かなかった」

「ううん。大丈夫。嬉しかったから。…………ってあれ?」

 マイルズは僕の中にまだいる状態だ。そのままの姿勢でぐんっと質量が増したのを感じてしまった。

「……お前さ。なんでそんなに可愛いわけ?」

「へ? 可愛い? …えっ!? ちょ、マイルズ!? あ、あ、んあっ…!」

「久しぶりだからな。もう1回付き合え!」


 それから体位を変えて何度も僕の中を蹂躙された。最後は過ぎた快感で気絶してしまうくらいに、僕たちは飽きもせずに貪った。


 これからの事を考えなきゃいけないんだけど、それはまた今度でいっか。
 今は大好きなマイルズの腕の中の温もりを堪能しよう。それからでも遅くはないはずだから。

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