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お風呂から上がってアーネスト様が入る。

寝巻きを着てたけど、やっぱりガウンだけに変えてしまおう。はしたないけど、これでわかってくれると思う。


~~っ恥ずかしいっ!やっぱり恥ずかしいけど、こうでもしないと何も進まない気がするっ!…やっぱり僕って変態だ。

でももしこれで嫌われたら?はしたない人間とは結婚できないって言われたら?お前の顔なんて見たくないって言われたら?

だんだん悪い方へ考えが膨らんでいって、やっぱり着替えようと思った矢先アーネスト様が浴室から出てきてしまった。どうしようっ!

「アシェル…?」

僕がガウンだけしか身につけてないのは明らかだから、アーネスト様は驚いて固まってしまってる。やっぱりこれやめればよかった!

「あ…えと…。」

何か言わなきゃなのに、嫌われると思うと怖くて声が出せない。どうしようどうしよう。もう…嫌われちゃった…。

恥ずかしくって悲しくて俯いていたら、いきなり強く抱きしめられてしまった。

「アシェルっ!」

そのままベッドに押し倒されて上から覆い被される。あれ?罵られたり怒られるかと思ってたのに、想像してた行動と違って僕も少し混乱してる。

「こんな姿見せられて我慢しろとか言わないよな?ずっとずっと我慢してきたんだぞ…。」

え?我慢してきた?

「あ、あの…はしたないとか、嫌だとかは…。」

「あるわけないだろう!あれからずっとアシェルに触れたくて触れたくて。がっついてるって思われたくなくて必死に抑え込んでてっ……ああっくそっ!カッコ悪いっ!」

アーネスト様、真っ赤になってる。何これ可愛い。

でもアーネスト様も僕に触れたいって思ってくれてたんだ…。

「僕も…僕もアーネスト様に触れてほしくて、でもはしたないって怒られると思ってて…。嫌われたくなくて、でもガウンだけになったら触れてくれるかなって。でもやっぱり怖くなって…。」

「……お互い思ってる事は一緒だったんだな。俺もアシェルに嫌われたくなくて、抑え込んでいた。アシェルに嫌われたら、と考えるだけで怖かったんだ。」

え、僕がアーネスト様を嫌う?そんなことあり得ない!

「ないです!僕がアーネスト様を嫌いになるなんてっ!だって、だって婚約もして大好きなのに、どんなアーネスト様でも嫌いになんてっ…。」

「俺もだ。どんなアシェルでも嫌いになんてならない。…ははっ。お互い思い込みが激しいな。」

「そうですね。もっと話せば良かったです。」

なんだ。僕だけこんなふうに思ってたのかと悩んでたけど、アーネスト様も一緒だったんだ。嬉しい。

アーネスト様の首に腕を回して引き寄せる。

「アシェル?」

「…大好きです、アーネスト様。どんなアーネスト様でもカッコ悪い所があっても。全部僕は大好きです。」

「…俺もだ。どんなアシェルでも全部好きだ。…愛してる。」

僕も愛してます。その想いを込めてキスをした。アーネスト様も応えてくれて、深くゆっくり味わっていく。でもすぐに激しくなって舌を絡め合う。ぴちゃぴちゃという音が、耳に聞こえて僕は段々と興奮してきてしまった。

「ん…はぁ…。アーネスト様、僕を食べてください。」

「っ!…もう優しく出来ないからな。」

優しくなんてしないで。僕はそんな簡単に壊れないから。アーネスト様をいっぱい感じたい。だから優しくなんてしないで。

一気にガウンをはだけさせると、アーネスト様は舌を這わせて僕の体を舐めていく。擽ったくて、気持ちよくてピクピクと体が震えてしまう。
それが嬉しいのか、くすっと笑った吐息が体に触れて僕はまたピクっと震えた。

アーネスト様は僕の体を舐めながらも、僕の熱が篭る場所を触っている。

「あ、んんっ…アーネスト様…、僕、も…触り、たいっ…。」

「それはまた後で。…まずはこっちから。」

そう言うと、僕の足を持ち上げてそのまま僕の顔の横にまで押し倒してきた。

「えっ…まっ、これっ!」

嘘っ!こんな体勢になったら、全部見えちゃうっ!

「…アシェルは体が柔らかいよな。どんな体位でも出来そうだ。……お陰で全部見えてる。」

やだっ!すごく恥ずかしいっ!恥ずかしいのに嬉しいと思ってしまって…。

「うひゃあっ!…んあっあ、あ…あん…あ、あっ!」

アーネスト様は何の躊躇もなく、僕の蕾をぴちゃぴちゃと舐め出した。

「あ、あっ、ダメ、だめで、すっ!…あっ、そんな、とこっ…!」

「…ダメじゃない。…んは…食べて欲しいんだろう?」

舐めるだけじゃなく、舌をそのまま捻じ込んで来て押し広げてくる。

「あ、もう…アーネスト様の…くださいっ!」

「…まだ足りない。まだ我慢して。」

僕の体勢はそのままで、片手で香油の蓋を開けて蕾へと垂らす。そして指を入れてぐちゅぐちゅと掻き回した。それが全部見えてるから、恥ずかしいのと気持ちいいのとで、僕の頭は何も考えられなくなってしまった。

「あ、あんっ…はっ、きもち、いいっ…あ、あ、あっ。」

「アシェル…アシェル。もっと乱れてっ。俺にだけ見せる姿、もっと見たいっ。」

優しい声とは裏腹に、アーネスト様の手は激しくて、息を荒くさせてて、僕に興奮してるのがわかる。そうさせてるのは僕なんだ。

「も、お願いっ…アーネスト様が、欲しいっ…。」

早く一つになりたい。アーネスト様を感じたい。アーネスト様も気持ち良くなって。僕で気持ち良くなって!

「くっ!…可愛過ぎだろっ!」

足が下ろされたと思った瞬間、一気に奥まで貫かれた。そのまま激しく揺さぶられる。

「んはっ!あ、あ、あ、あ、あんっ!あっ!」

「はっはっアシェルっ!」

激しい!苦しい!でも必死になってアーネスト様の熱をぶつけられて、嬉しくて嬉しくて気持ち良くて涙が出てきた。もっともっと、僕を求めて!

「もっと、もっと…。」

「っ!…後悔、するなよ!」

ずるりと引き抜くと、裏返しにされて腰を高く上げさせられる。え?と思う間もなくまた一気に貫かれた。

アーネスト様が激しく腰を打ち付けて、香油が泡立っているのかぱちゅぱちゅと水音が響き渡る。

僕は気持ち良過ぎて枕をぎゅっと握ってただ喘ぐだけだった。

「アシェルっ!愛してる!俺の、俺だけのアシェルっ!」

後ろから抱きしめられてそう言われると、僕の心臓はきゅんきゅんして苦しいくらいだ。

「ぼ、僕もっ!あ、あん…アーネスト、様をっ…あ、や、あんっ!」

激しくて揺さぶられて頭が真っ白だ。はあはあと聞こえるアーネスト様の息遣い。僕の名前を呼ぶ声。もうそれくらいしか判断がつかない。

僕がアーネスト様を求めるように、アーネスト様も僕を求めてる。今わかるのはただそれだけ。

これがこんなに嬉しくて幸せな事なんだとアーネスト様が教えてくれる。絶対に離れたくない。ずっとお側に居たい。アーネスト様に寄り添って支えていきたい。

僕は平民で貴族の事は良くわからない。でもアーネスト様の為に頑張るから。

「あ、あん…や、んぅっ!…アーネスト様っ…どんな事が、あっても、あっ…絶対に、離れま、せんからっ!」

「俺もだ!絶対に離さないっ!誰にも、渡さないっ!」

またずるりと引き抜かれて転がされる。アーネスト様の顔が見えると同時に激しく唇を奪われる。

また貫かれて激しく揺さぶられて。僕は何処かに飛んでいきそうな気がしてアーネスト様にしがみついた。

「あ、あ、あっ!だめっ…はっ…おっきいの、くるっ!」

「俺もっ…!イこう、一緒にっ。アシェルもっ!イけっ!」

アーネスト様がぐぅっ!と唸ると同時に、僕も白濁を吐き出した。快感が大き過ぎて僕の体はピクピクと痙攣しながらも、ぼんやりとアーネスト様の魔力を感じていた。

あったかくて優しい魔力。じんわりと心地よさが広がっていく。
もしかして魔力にはその人の個性があるのかもしれない。そんな事をぼんやりと思った。

「アシェル…辛かっただろう?あまりにも可愛すぎて、また激しくしてしまった。」

「いいえ。嬉しかったです。体いっぱいアーネスト様を感じられて…。僕はとても幸せ者です。」

「俺もだ。」

今度は優しいキスをして。そして抱きしめあって。


しばらくはそうしていたけど、僕はまたそのまま眠ってしまった。





* * * * * *

明日の2回の更新で最終話となります。
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