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「リューク様! ルドヴィク様! よくぞご無事で!」
「メルルさん、ただいま!」
僕達が家に帰るとメルルさんが泣きながら出迎えてくれた。僕達の顔を見てほっとしたようだ。
お腹が空いていることを話すとメルルさんはすぐにご飯を作ってくれた。時間も遅く、僕もかなり疲れている。
父さんを助け出してからは、悪夢を見ることもなくなった。そして久しぶりの自宅ということもあり、食事を取った後は泥のように眠った。
起きたのは翌日の昼を過ぎたところ。ヴィーは先に起きていたけど、僕を起こすことはなく眠らせてくれたようだ。
それからの日々は、父さんに会うために毎日王宮へと足を運んだ。
父さんに用意された部屋は牢屋だった。ただ牢屋とはいうが、貴族用にあつらえた部屋で逃亡が出来ないようにされているだけ。内装も広さも家具も一級品が揃っている。この部屋は、外に出すわけにはいかないが監視をするに必要な部屋だそう。居心地もいいらしく、父さんは逆に申し訳ないと言っていた。
必ず部屋の中には誰かがいるが、僕たちは気にすることなく父さんとの面会時間を過ごした。
僕が魔力回路不全の薬を作ったことも、魔力回路を沈黙させる薬を作ったことも、父さんは尋常じゃないほど喜んでくれた。
「あの薬はリュークが作ったものだったんだね。私も一瞬魔法が使えなくなったあの時は意味が分からなくて焦ったよ」
「そんな風に見えなかったけど……僕は父さんが本気で戦ったらあんなに強いことにびっくりしたし」
「あはは……実を言うとルドヴィク君には押されていたんだよ。だけど私は操られていたとはいえ、ルドヴィク君を本気で殺そうとしていた。でもルドヴィク君は私を殺さないよう戦っていた。だからどうしても使える手も限られてしまう。お互いが全く同じ条件だったら、剣技じゃルドヴィク君に勝てたか怪しいだろうね」
父さんがそう言うから隣にいるヴィーにちらりと視線を送ると、ヴィーは眉間に皺を寄せていた。多分「それはないんじゃないか」と思ってるんだと思う。
家に帰ってきてからのヴィーは益々剣術に力を入れている。父さんに上手くあしらわれたことが凄く悔しかったらしい。もっともっと剣を磨いて強くならないと、と毎日のように剣を振っている。
「それにしてもリュークが今はもういない『守護の一族』の末裔だったとはね……」
父さんには僕の体質の謎を全て話してある。それを聞いた父さんは凄く驚いていたけど、それと同時に納得してくれた。「リュークが今この時にその力に目覚めたのは偶然じゃない気がする」と真剣な顔で言っていた。そう言われて僕もそうなのかな、と思うようになった。
初めは魔法が使えない役立たずなこの体が凄く嫌だったけど、今はすごくよかったと思えるようになった。この体質だったからこそ父さんを助けることも、魔力回路不全の薬も、それ以外の薬も色々と作れるようになったのだから。
僕はまだ薬師の資格を取っていないから、薬を作って販売することは出来ない。だけど僕が開発した魔力回路不全の薬に関しては既に予約を受け付けている。
特級薬師である父さんと一緒に薬を作ることになったんだ。僕の力が必要なところだけ僕が参加して、後は父さんが薬を作ることになっている。まだ状況が状況なだけに薬を作ることは出来ていないけど、僕は父さんと一緒に調合出来るのが楽しみでならない。
学園もまだ通うことは出来ていない。戦争が終わって状況が落ち着いたら復学する予定だ。その時は殿下も僕のことを公表するらしく、今までの悪評や噂を一掃してくれるそうだ。
そうなったら以前とは違い、ヴィーが側にいなくても何か問題が起こったりすることもないだろう。
「これからのリュークは忙しくなりそうだね」
「『救国の英雄』だからな」
「ちょ……それは言わないでって言ったじゃん!」
レイン殿下が面白がって僕にそんな大層すぎるあだ名をつけた。今はまだこのあだ名を知っている人は少ないが、王室が正式に僕のことを公表したら、誰しもが知る二つ名になるだろう。恥ずかしすぎてそれだけはやめて欲しいとお願いしているところだ。
「でも実際リュークがいなかったら、今頃この国はなくなっていたかもしれないし、皆死んでいる可能性だってある。大袈裟なんかじゃないよ」
「大袈裟だよ!」
父さんもヴィーもなぜかその二つ名を気に入ってしまって、それでからかってくるようになった。本当に止めて欲しい……僕は平凡な一平民だよ。
むくれた僕を見て父さんもヴィーも声をあげて笑った。結局僕もつられて笑ってしまう。ひとしきり笑った後は、ヴィーが居住まいを正した。そして真剣な顔で「シモン先生」と呼びかけると、父さんも背筋を伸ばしてヴィーの言葉を待つ。
「俺はリュークのことを愛しています。婚約を認めてもらえませんか」
「いいよ」
「「え?」」
「ん? 認めて欲しいんじゃなかったの?」
「いや、そうなんだけど……僕が言うのもおかしいけど、父さんはそれでいいの?」
何も聞かず、あっさりと了承を貰ったことで逆に僕達が驚いてしまった。
昨日ヴィーに父さんに婚約の許しを貰えるよう話をするつもりだと聞いていたし、もし認められなくても認めてもらえるよう僕も一緒に説得するからと色々打ち合わせをしていた。だけどそんな必要もなく、あっさりと認められてしまってむしろ困惑してしまう。
「んー……なんとなくだけど気づいていたからね。それにリュークの体質のことを知っても、ルドヴィク君は変わらなかった。ただひたすらリュークを守ろうとしてくれていたし、そんなルドヴィク君なら歓迎だよ。リュークもルドヴィク君のことが好きなら反対する理由はないしね」
「シモン先生……ありがとうございます」
「うん。だけどリュークを悲しませたりすることだけは許さないからね」
「わかっています。そんなことにはさせません」
「父さん、ありがとう」
何故このタイミングで婚約の許可を取ろうとしたのかといえば、僕のことを正式に発表されたら僕に婚約の打診が相次ぐ可能性があるからだそうだ。
僕は平民だしそんな馬鹿な、と思ったのだけど、オーラフ様やメルルさんもヴィーに同意見だった。僕の体質は多分だけど、この世界でただ一人だけ。しかも『救国の英雄』とまでいわれ、今のところ僕にしか作れない薬もたくさんある。そんな僕を取り込みたい家は多いだろうとヴィーは言っていた。だからそうなってしまう前に婚約してしまおうというわけだ。
「じゃあアレクが帰ってきたら、婚約しちゃおうね」
「アレクシス様も大丈夫かな……」
「大丈夫だよ。アレクは強いから」
オーラフ様が教えてくれたことだけど、今のところルステーゼがずっと優勢を保っているらしい。僕が作った魔力回路を沈黙させる薬がかなり効いているそう。今も作れるだけ作って、補給で送られている。それにもうそろそろ王都へと進軍出来そうだと言っていた。
それに合わせてレイン殿下は、テオドール殿下と共にアレクシス様達と合流するために城を出た。
この戦争ももう少しで終わりそうだ。
それから戦争が始まって二ヵ月弱、父さんがいなくなったアリミルス軍は僕の薬の効果もあって敗北が決まった。
最後はテオドール殿下が、アリミルス国王を討ったそうだ。
これでアリミルス王国は、このルステーゼ王国の属国となった。
「メルルさん、ただいま!」
僕達が家に帰るとメルルさんが泣きながら出迎えてくれた。僕達の顔を見てほっとしたようだ。
お腹が空いていることを話すとメルルさんはすぐにご飯を作ってくれた。時間も遅く、僕もかなり疲れている。
父さんを助け出してからは、悪夢を見ることもなくなった。そして久しぶりの自宅ということもあり、食事を取った後は泥のように眠った。
起きたのは翌日の昼を過ぎたところ。ヴィーは先に起きていたけど、僕を起こすことはなく眠らせてくれたようだ。
それからの日々は、父さんに会うために毎日王宮へと足を運んだ。
父さんに用意された部屋は牢屋だった。ただ牢屋とはいうが、貴族用にあつらえた部屋で逃亡が出来ないようにされているだけ。内装も広さも家具も一級品が揃っている。この部屋は、外に出すわけにはいかないが監視をするに必要な部屋だそう。居心地もいいらしく、父さんは逆に申し訳ないと言っていた。
必ず部屋の中には誰かがいるが、僕たちは気にすることなく父さんとの面会時間を過ごした。
僕が魔力回路不全の薬を作ったことも、魔力回路を沈黙させる薬を作ったことも、父さんは尋常じゃないほど喜んでくれた。
「あの薬はリュークが作ったものだったんだね。私も一瞬魔法が使えなくなったあの時は意味が分からなくて焦ったよ」
「そんな風に見えなかったけど……僕は父さんが本気で戦ったらあんなに強いことにびっくりしたし」
「あはは……実を言うとルドヴィク君には押されていたんだよ。だけど私は操られていたとはいえ、ルドヴィク君を本気で殺そうとしていた。でもルドヴィク君は私を殺さないよう戦っていた。だからどうしても使える手も限られてしまう。お互いが全く同じ条件だったら、剣技じゃルドヴィク君に勝てたか怪しいだろうね」
父さんがそう言うから隣にいるヴィーにちらりと視線を送ると、ヴィーは眉間に皺を寄せていた。多分「それはないんじゃないか」と思ってるんだと思う。
家に帰ってきてからのヴィーは益々剣術に力を入れている。父さんに上手くあしらわれたことが凄く悔しかったらしい。もっともっと剣を磨いて強くならないと、と毎日のように剣を振っている。
「それにしてもリュークが今はもういない『守護の一族』の末裔だったとはね……」
父さんには僕の体質の謎を全て話してある。それを聞いた父さんは凄く驚いていたけど、それと同時に納得してくれた。「リュークが今この時にその力に目覚めたのは偶然じゃない気がする」と真剣な顔で言っていた。そう言われて僕もそうなのかな、と思うようになった。
初めは魔法が使えない役立たずなこの体が凄く嫌だったけど、今はすごくよかったと思えるようになった。この体質だったからこそ父さんを助けることも、魔力回路不全の薬も、それ以外の薬も色々と作れるようになったのだから。
僕はまだ薬師の資格を取っていないから、薬を作って販売することは出来ない。だけど僕が開発した魔力回路不全の薬に関しては既に予約を受け付けている。
特級薬師である父さんと一緒に薬を作ることになったんだ。僕の力が必要なところだけ僕が参加して、後は父さんが薬を作ることになっている。まだ状況が状況なだけに薬を作ることは出来ていないけど、僕は父さんと一緒に調合出来るのが楽しみでならない。
学園もまだ通うことは出来ていない。戦争が終わって状況が落ち着いたら復学する予定だ。その時は殿下も僕のことを公表するらしく、今までの悪評や噂を一掃してくれるそうだ。
そうなったら以前とは違い、ヴィーが側にいなくても何か問題が起こったりすることもないだろう。
「これからのリュークは忙しくなりそうだね」
「『救国の英雄』だからな」
「ちょ……それは言わないでって言ったじゃん!」
レイン殿下が面白がって僕にそんな大層すぎるあだ名をつけた。今はまだこのあだ名を知っている人は少ないが、王室が正式に僕のことを公表したら、誰しもが知る二つ名になるだろう。恥ずかしすぎてそれだけはやめて欲しいとお願いしているところだ。
「でも実際リュークがいなかったら、今頃この国はなくなっていたかもしれないし、皆死んでいる可能性だってある。大袈裟なんかじゃないよ」
「大袈裟だよ!」
父さんもヴィーもなぜかその二つ名を気に入ってしまって、それでからかってくるようになった。本当に止めて欲しい……僕は平凡な一平民だよ。
むくれた僕を見て父さんもヴィーも声をあげて笑った。結局僕もつられて笑ってしまう。ひとしきり笑った後は、ヴィーが居住まいを正した。そして真剣な顔で「シモン先生」と呼びかけると、父さんも背筋を伸ばしてヴィーの言葉を待つ。
「俺はリュークのことを愛しています。婚約を認めてもらえませんか」
「いいよ」
「「え?」」
「ん? 認めて欲しいんじゃなかったの?」
「いや、そうなんだけど……僕が言うのもおかしいけど、父さんはそれでいいの?」
何も聞かず、あっさりと了承を貰ったことで逆に僕達が驚いてしまった。
昨日ヴィーに父さんに婚約の許しを貰えるよう話をするつもりだと聞いていたし、もし認められなくても認めてもらえるよう僕も一緒に説得するからと色々打ち合わせをしていた。だけどそんな必要もなく、あっさりと認められてしまってむしろ困惑してしまう。
「んー……なんとなくだけど気づいていたからね。それにリュークの体質のことを知っても、ルドヴィク君は変わらなかった。ただひたすらリュークを守ろうとしてくれていたし、そんなルドヴィク君なら歓迎だよ。リュークもルドヴィク君のことが好きなら反対する理由はないしね」
「シモン先生……ありがとうございます」
「うん。だけどリュークを悲しませたりすることだけは許さないからね」
「わかっています。そんなことにはさせません」
「父さん、ありがとう」
何故このタイミングで婚約の許可を取ろうとしたのかといえば、僕のことを正式に発表されたら僕に婚約の打診が相次ぐ可能性があるからだそうだ。
僕は平民だしそんな馬鹿な、と思ったのだけど、オーラフ様やメルルさんもヴィーに同意見だった。僕の体質は多分だけど、この世界でただ一人だけ。しかも『救国の英雄』とまでいわれ、今のところ僕にしか作れない薬もたくさんある。そんな僕を取り込みたい家は多いだろうとヴィーは言っていた。だからそうなってしまう前に婚約してしまおうというわけだ。
「じゃあアレクが帰ってきたら、婚約しちゃおうね」
「アレクシス様も大丈夫かな……」
「大丈夫だよ。アレクは強いから」
オーラフ様が教えてくれたことだけど、今のところルステーゼがずっと優勢を保っているらしい。僕が作った魔力回路を沈黙させる薬がかなり効いているそう。今も作れるだけ作って、補給で送られている。それにもうそろそろ王都へと進軍出来そうだと言っていた。
それに合わせてレイン殿下は、テオドール殿下と共にアレクシス様達と合流するために城を出た。
この戦争ももう少しで終わりそうだ。
それから戦争が始まって二ヵ月弱、父さんがいなくなったアリミルス軍は僕の薬の効果もあって敗北が決まった。
最後はテオドール殿下が、アリミルス国王を討ったそうだ。
これでアリミルス王国は、このルステーゼ王国の属国となった。
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