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落ち着いてから、皆で協力して家の片付けに奔走した。
僕とヴィーの部屋もかなり荒らされていて、家具のほとんどが壊されていた。結局全て捨てることになってしまい、やるせない気持ちになる。
数日かけて家の中を綺麗にすると、届いた新品の家具を順番に部屋へ入れていった。オーラフ様から家の惨状を聞いた殿下が、家具を全て用意してくれた。そこまでしなくても、と思ったが、「こちらのせいだから」と言うので甘えることにした。
調合室の器具も全て新しく入れ替えが終わり、僕はまた薬の研究を始めることにした。しかもそのために殿下から薬の効果を調べられる魔道具まで送られた。おかげで実験も捗るだろう。
父さんが作って置いていた薬は全てダメになってしまった。回復薬もなくなってしまったのと、学園へ行けなくなったので自分で作ることにした。
まずは僕しか作れない上級傷薬をいくつか作り、怪我をしてもすぐに治療が出来るようにしておく。いつ何時、騎士たちが押しかけて来るかわからないし。
それから新しく揃えた処方一覧の本を片手にいろいろと挑戦してみる。魔力を使わない薬の調合は割とすぐに出来るようになった。魔力を使う場合は、ヴィーやオーラフ様が手伝ってくれる。
ある程度の薬の在庫を作ると僕は魔力回路不全の薬の研究に時間を使うことにした。
今までの薬の材料と作り方を見て、自分で作ってみる。何度も失敗しながらもやっと成功し、ぺろりと舐めてみると、とてもじゃないが渋すぎて飲み込むのが大変だった。
使う薬草の中に、渋みがとても強いものを使っているから仕方ないとはいえ、流石にこれを毎日飲むのはきつすぎる……
父さんはこの渋みの強い薬草を乾燥させて粉にしたものに水を加えて練り上げ、またそれを乾燥させて粉にする。という作業を三回ほど繰り返してから調合していた。これでかなり渋みが軽減されるらしい。乾燥させる作業は魔法を使っているから時間もさほどかからない。だけどこの方法を思いついた父さんの努力が凄いと思った。
こうやって渋みが軽減されることはどこにも書いていない。研究して試行錯誤して、この結果に行きつくまでにどれほどの労力が使われたのだろう。頭が下がる思いだ。
僕がずっと調合室に籠っているからか、ヴィーも僕に付き合ってここにいることが多い。だから魔力を使う調合の時は協力してもらっている。
ヴィーがいるお陰で薬草を乾燥させるという作業がとても捗る。その薬草を使って魔力回路不全の薬を作って味見すると、飲みやすい薬になった。これで普通の魔力回路不全用の薬は作ることが出来た。
問題はここからだ。僕が作りたいのは完治させるための薬。この薬じゃ狭くなった魔力回路を少し広げることしか出来ない。それも時間が経てば元に戻ってしまう。病の進行を止めることは出来ないのだ。
そこで僕はこの薬に使われている薬草のことを調べることにした。全部で五種類の薬草を混ぜて作るのだけど、魔力を含む薬草は一つも入っていない。きっと魔力回路を少しでも刺激しないように組み合わせたのだろうと思う。だからあの上級傷薬のように僕の魔力で無力化するという方法が取れない。こういう場合はどうすればいいんだろうか。
「うーん……他の薬草で似たような効能を持つものに換えて作ってみるとか、かな。そうすると何も手を加えずに調合してみたものと、調合する前に魔力を加えて無効化したものと、調合してから魔力を加えたものといくつかやってみないと」
基本の薬草五種類を薬草図鑑でよく調べてみる。それからその効能と似た薬草を探して紙に書きだす。その数なんと全部で二十種類。全て書き記した紙をメルルさんに渡して、全部買ってきてもらうようお願いした。
「随分とたくさん薬草を買うんだな」
紙に書かれた薬草の種類を見たヴィーがちょっと驚いていた。
「うん。魔力回路不全の薬の研究で使いたいんだ。あれだけあるから、実験するだけでも凄い時間がかかりそう。でも今はどうせ家から出られないし時間はいっぱいあるから思う存分研究が出来るよ」
「リューク……頼むから少しは休んでくれ」
ヴィーが僕の目の下をするっと撫でる。そこにはくっきりとした隈が出来ていた。
父さんが裏切ったと言われたあの日から一週間後、隣国アリミルスが周辺国に宣戦布告した。そして同時に父さんが現れ、極大魔法を打ち込んだ。その場所は広大な森が広がっている場所で、村や町があるわけじゃない。だから人的被害はないけども、広大な森がごっそりと消えたその景色はまるで地獄絵図だったそうだ。
あの魔法が町や村に打ち込まれでもしたら。王都に打ち込まれでもしたら。あの魔法を撃たれないようどうすればいいのか。今国の上層部はそのことで頭を悩ませているらしい。
父さんのことをよく知らない国は、宣戦布告を受けてすぐにアリミルスへ向かって攻撃を始めた。だけど父さんが一人で大軍を消し去ってしまったと聞いた。そしてそのまま押し込まれてその国、メラナエルバ王国はアリミルスの配下に置かれることになった。
戦争の期間は僅か一週間。あっという間の出来事だった。
それから周りの国はアリミルスの出方を伺っている状態だ。
僕はその話を聞いて辛くて悲しくて苦しくなった。父さんが戦争に手を貸しているなんて信じられなかった。何がどうしてそうなったのか、詳しいことはわかっていない。
それからというもの、僕は暇な時間が出来ると父さんのことばっかり考えてしまうようになり、寝ていても父さんが人を殺す夢を見るようになってしまった。だから今はがむしゃらに調合をして疲れ果てて寝落ちするということを繰り返している。
でも夢で父さんのことを見てしまうから短時間しか寝れず、僕の顔には疲れと隈がくっきりと表れてしまった。
ヴィーだけじゃなく、メルルさんもオーラフ様も心配してくれる。それをわかっていても、休むことが怖くて皆のお願いを聞くことが出来ない。だからその分、思いっきり研究に打ち込むのだ。
調合に集中している間だけは、嫌なことを忘れていられる。逃げているだけだとわかっているけど、そうしなければいけないほど、僕の心は弱っていた。
メルルさんが戻ってくるまでまた調合室へ籠り、ひたすら調合を繰り返す。おかげで棚には僕が作った薬で溢れていた。
しばらくするとメルルさんが薬草を持って来てくれた。それを受け取り、一つ一つ思いついたことを実験して紙に書きとめていく。
「まずはこの薬草を使って……」
気が遠くなるような実験と検証の繰り返しだ。だけど今の僕には丁度いい。黙々と手を動かし調合を繰り返す。
魔力を込めて薬草が持つ魔力効果を打ち消して、それを使ってまた調合。出来た薬を魔道具で調べて、失敗だとわかると紙に結果を書く。何日も同じことを繰り返した。
お陰で面白い結果が出た。魔力回路不全の薬は、徐々に狭くなってしまう魔力回路を広げるというもの。でも僕が実験を繰り返し出来た薬の中に、魔法を打ち消す効果があるものが出来てしまった。
というよりも、この薬を塗られた人は一定時間魔法を使うことが出来ないというものだ。
薬の効果を調べる魔道具では『魔法効果なし』とだけ表示され、それ以上のはっきりとしたことは分からない。魔道具を起動させるために側にいたヴィーも、どういう事だろうと首を傾げ、その薬を右手に垂らしてみた。
するとヴィーの目が思いっきり開かれた。
「おい……これ……」
ヴィーの様子がおかしいことに気が付いて、薬によって体に異変が出たのかと不安になった。どうしようと焦る僕を他所に、ヴィーは段々と笑顔になっていく。
「リューク! これ、これは凄いぞ!」
「え? え? 何が!?」
僕の肩を掴みがくがくと揺さぶりながら興奮している。何がどうしたのか言って欲しい。
「この薬を垂らした箇所の魔力回路の反応が消えたんだ。魔法を発動しようにも発動しないんだよ!」
「え? つまり……どういうこと?」
「よく見てろよ」
ヴィーは掌を上にあげた状態で両手を前に出した。すると左手にぽわっと灯りの魔法が灯される。それを見てまだ状況が飲み込めない僕は首を傾げる。
「だから! 薬を垂らした右手は魔法が使えないんだよ! 魔力回路が、なんて言えばいいんだ? 沈黙? 無反応? とにかくそんな感じなんだ!」
それからほんのしばらくすると、右手にも灯りの魔法が灯る。ということは効果はほんの少しの間だけだ。だけど魔力回路を無反応にさせて魔法の発動が出来ないようになるなんて。こんなことが出来るなんて信じられない。
「リューク! これは凄いことだぞ! これがあればシモン先生を止められる!」
「あ……そういうこと!?」
やっとヴィーが何を言いたいのかわかった。もし父さんがこの国を襲おうとしても、この薬をかける事さえ出来ればほんの短い時間だけど父さんの魔法を止められる。そうすればまだ何とか対処が出来るってことだ。
「これは殿下に伝えよう。だけど他の奴らには絶対に漏らせない。リュークがこんなすごい薬を開発したなんて知れたら、益々命が危ないからな」
そこでヴィーはオーラフ様に頼んで手紙を送ってもらうことにした。
僕とヴィーの部屋もかなり荒らされていて、家具のほとんどが壊されていた。結局全て捨てることになってしまい、やるせない気持ちになる。
数日かけて家の中を綺麗にすると、届いた新品の家具を順番に部屋へ入れていった。オーラフ様から家の惨状を聞いた殿下が、家具を全て用意してくれた。そこまでしなくても、と思ったが、「こちらのせいだから」と言うので甘えることにした。
調合室の器具も全て新しく入れ替えが終わり、僕はまた薬の研究を始めることにした。しかもそのために殿下から薬の効果を調べられる魔道具まで送られた。おかげで実験も捗るだろう。
父さんが作って置いていた薬は全てダメになってしまった。回復薬もなくなってしまったのと、学園へ行けなくなったので自分で作ることにした。
まずは僕しか作れない上級傷薬をいくつか作り、怪我をしてもすぐに治療が出来るようにしておく。いつ何時、騎士たちが押しかけて来るかわからないし。
それから新しく揃えた処方一覧の本を片手にいろいろと挑戦してみる。魔力を使わない薬の調合は割とすぐに出来るようになった。魔力を使う場合は、ヴィーやオーラフ様が手伝ってくれる。
ある程度の薬の在庫を作ると僕は魔力回路不全の薬の研究に時間を使うことにした。
今までの薬の材料と作り方を見て、自分で作ってみる。何度も失敗しながらもやっと成功し、ぺろりと舐めてみると、とてもじゃないが渋すぎて飲み込むのが大変だった。
使う薬草の中に、渋みがとても強いものを使っているから仕方ないとはいえ、流石にこれを毎日飲むのはきつすぎる……
父さんはこの渋みの強い薬草を乾燥させて粉にしたものに水を加えて練り上げ、またそれを乾燥させて粉にする。という作業を三回ほど繰り返してから調合していた。これでかなり渋みが軽減されるらしい。乾燥させる作業は魔法を使っているから時間もさほどかからない。だけどこの方法を思いついた父さんの努力が凄いと思った。
こうやって渋みが軽減されることはどこにも書いていない。研究して試行錯誤して、この結果に行きつくまでにどれほどの労力が使われたのだろう。頭が下がる思いだ。
僕がずっと調合室に籠っているからか、ヴィーも僕に付き合ってここにいることが多い。だから魔力を使う調合の時は協力してもらっている。
ヴィーがいるお陰で薬草を乾燥させるという作業がとても捗る。その薬草を使って魔力回路不全の薬を作って味見すると、飲みやすい薬になった。これで普通の魔力回路不全用の薬は作ることが出来た。
問題はここからだ。僕が作りたいのは完治させるための薬。この薬じゃ狭くなった魔力回路を少し広げることしか出来ない。それも時間が経てば元に戻ってしまう。病の進行を止めることは出来ないのだ。
そこで僕はこの薬に使われている薬草のことを調べることにした。全部で五種類の薬草を混ぜて作るのだけど、魔力を含む薬草は一つも入っていない。きっと魔力回路を少しでも刺激しないように組み合わせたのだろうと思う。だからあの上級傷薬のように僕の魔力で無力化するという方法が取れない。こういう場合はどうすればいいんだろうか。
「うーん……他の薬草で似たような効能を持つものに換えて作ってみるとか、かな。そうすると何も手を加えずに調合してみたものと、調合する前に魔力を加えて無効化したものと、調合してから魔力を加えたものといくつかやってみないと」
基本の薬草五種類を薬草図鑑でよく調べてみる。それからその効能と似た薬草を探して紙に書きだす。その数なんと全部で二十種類。全て書き記した紙をメルルさんに渡して、全部買ってきてもらうようお願いした。
「随分とたくさん薬草を買うんだな」
紙に書かれた薬草の種類を見たヴィーがちょっと驚いていた。
「うん。魔力回路不全の薬の研究で使いたいんだ。あれだけあるから、実験するだけでも凄い時間がかかりそう。でも今はどうせ家から出られないし時間はいっぱいあるから思う存分研究が出来るよ」
「リューク……頼むから少しは休んでくれ」
ヴィーが僕の目の下をするっと撫でる。そこにはくっきりとした隈が出来ていた。
父さんが裏切ったと言われたあの日から一週間後、隣国アリミルスが周辺国に宣戦布告した。そして同時に父さんが現れ、極大魔法を打ち込んだ。その場所は広大な森が広がっている場所で、村や町があるわけじゃない。だから人的被害はないけども、広大な森がごっそりと消えたその景色はまるで地獄絵図だったそうだ。
あの魔法が町や村に打ち込まれでもしたら。王都に打ち込まれでもしたら。あの魔法を撃たれないようどうすればいいのか。今国の上層部はそのことで頭を悩ませているらしい。
父さんのことをよく知らない国は、宣戦布告を受けてすぐにアリミルスへ向かって攻撃を始めた。だけど父さんが一人で大軍を消し去ってしまったと聞いた。そしてそのまま押し込まれてその国、メラナエルバ王国はアリミルスの配下に置かれることになった。
戦争の期間は僅か一週間。あっという間の出来事だった。
それから周りの国はアリミルスの出方を伺っている状態だ。
僕はその話を聞いて辛くて悲しくて苦しくなった。父さんが戦争に手を貸しているなんて信じられなかった。何がどうしてそうなったのか、詳しいことはわかっていない。
それからというもの、僕は暇な時間が出来ると父さんのことばっかり考えてしまうようになり、寝ていても父さんが人を殺す夢を見るようになってしまった。だから今はがむしゃらに調合をして疲れ果てて寝落ちするということを繰り返している。
でも夢で父さんのことを見てしまうから短時間しか寝れず、僕の顔には疲れと隈がくっきりと表れてしまった。
ヴィーだけじゃなく、メルルさんもオーラフ様も心配してくれる。それをわかっていても、休むことが怖くて皆のお願いを聞くことが出来ない。だからその分、思いっきり研究に打ち込むのだ。
調合に集中している間だけは、嫌なことを忘れていられる。逃げているだけだとわかっているけど、そうしなければいけないほど、僕の心は弱っていた。
メルルさんが戻ってくるまでまた調合室へ籠り、ひたすら調合を繰り返す。おかげで棚には僕が作った薬で溢れていた。
しばらくするとメルルさんが薬草を持って来てくれた。それを受け取り、一つ一つ思いついたことを実験して紙に書きとめていく。
「まずはこの薬草を使って……」
気が遠くなるような実験と検証の繰り返しだ。だけど今の僕には丁度いい。黙々と手を動かし調合を繰り返す。
魔力を込めて薬草が持つ魔力効果を打ち消して、それを使ってまた調合。出来た薬を魔道具で調べて、失敗だとわかると紙に結果を書く。何日も同じことを繰り返した。
お陰で面白い結果が出た。魔力回路不全の薬は、徐々に狭くなってしまう魔力回路を広げるというもの。でも僕が実験を繰り返し出来た薬の中に、魔法を打ち消す効果があるものが出来てしまった。
というよりも、この薬を塗られた人は一定時間魔法を使うことが出来ないというものだ。
薬の効果を調べる魔道具では『魔法効果なし』とだけ表示され、それ以上のはっきりとしたことは分からない。魔道具を起動させるために側にいたヴィーも、どういう事だろうと首を傾げ、その薬を右手に垂らしてみた。
するとヴィーの目が思いっきり開かれた。
「おい……これ……」
ヴィーの様子がおかしいことに気が付いて、薬によって体に異変が出たのかと不安になった。どうしようと焦る僕を他所に、ヴィーは段々と笑顔になっていく。
「リューク! これ、これは凄いぞ!」
「え? え? 何が!?」
僕の肩を掴みがくがくと揺さぶりながら興奮している。何がどうしたのか言って欲しい。
「この薬を垂らした箇所の魔力回路の反応が消えたんだ。魔法を発動しようにも発動しないんだよ!」
「え? つまり……どういうこと?」
「よく見てろよ」
ヴィーは掌を上にあげた状態で両手を前に出した。すると左手にぽわっと灯りの魔法が灯される。それを見てまだ状況が飲み込めない僕は首を傾げる。
「だから! 薬を垂らした右手は魔法が使えないんだよ! 魔力回路が、なんて言えばいいんだ? 沈黙? 無反応? とにかくそんな感じなんだ!」
それからほんのしばらくすると、右手にも灯りの魔法が灯る。ということは効果はほんの少しの間だけだ。だけど魔力回路を無反応にさせて魔法の発動が出来ないようになるなんて。こんなことが出来るなんて信じられない。
「リューク! これは凄いことだぞ! これがあればシモン先生を止められる!」
「あ……そういうこと!?」
やっとヴィーが何を言いたいのかわかった。もし父さんがこの国を襲おうとしても、この薬をかける事さえ出来ればほんの短い時間だけど父さんの魔法を止められる。そうすればまだ何とか対処が出来るってことだ。
「これは殿下に伝えよう。だけど他の奴らには絶対に漏らせない。リュークがこんなすごい薬を開発したなんて知れたら、益々命が危ないからな」
そこでヴィーはオーラフ様に頼んで手紙を送ってもらうことにした。
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