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「リューク! お帰り~!」
「父さん!」
学園が終わって家に帰ると、父さんが遠征から帰ってきていた。出迎えるなりぎゅむぎゅむと抱きしめられ、嬉しくて僕も遠慮なくぎゅーっと抱き返した。
「あ~……久しぶりのリュークだぁ……」
抱きしめるだけじゃ飽き足らず、頬ずりまで始めてしまう。でもこれはいつものこと。遠征から帰って来た父さんは毎回こうだ。
そして子供の様に抱っこするとそのままリビングのソファーへ。父さんは僕を抱えたまま座ると、また更にぎゅーっと抱きしめる。
「シモン先生は相変らずですね」
父さんのこんな姿を見たヴィーは呆れ顔だ。メルルさんがお茶を淹れてくれて、くすくすと笑いながら僕達の前に置いてくれた。
「リューク、学園で大変な目に遭ったんだろう? 大丈夫? 学園辞めたい?」
「うーんと、確かに大変な目には遭ったけど、でも僕は辞める気はないよ。せっかく入学出来たんだからちゃんと最後まで頑張りたいんだ。それに仲良くしてくれる人も出来たんだよ!」
父さんにオーラフ様と友達になったことを話す。すると父さんもジェンキンス子爵のことを知っていて、とても優秀な薬師だと言っていた。とても大らかな人で、平民の患者さんにも優しいらしい。いい人と友達になれてよかったね、と父さんも嬉しそうだった。
「それで父さんに相談があるんだけど……」
僕が調合で上手くいかないことを話すことにした。オーラフ様が魔力を流すとちゃんと薬は完成するのに、僕は何度やっても成功しない。そう言うと、父さんは「調合室へ行こうか」と部屋を移動することになった。
そこで一度やってみて欲しいと言われて調合を開始する。その様子を見ていた父さんは、しばらく考えた後口を開いた。
「リューク、恐らく君の魔力が『魔法を無効化』するからだと思う」
薬草にも魔力が宿っているものがあって、それがあるおかげで薬として成り立つ。だけど僕がその力を打ち消してしまうことによって、薬が作れないんじゃないかと言われた。僕が魔道具を起動出来ないのと同じだ。
薬草に宿った魔力はただの魔力。魔法としての力はない。だから父さんは大丈夫だと思っていたが、いざやってみると薬草の魔力も打ち消していた。
これじゃあ僕は薬を作れないということだ。
「大丈夫だよ。確かに作れない薬はあるけど、全部が魔力を流すものでもないんだ。それに逆を考えたら、魔力を打ち消したことによって更に効果が高まるものや、新しい薬の開発が出来るかもしれないよ」
試験では座学と実技と両方ある。実技の試験では六つの課題が出されて、その内三つの調合が出来れば合格らしい。
誰しもが魔力を持っているけど、魔力量は人それぞれ。魔力量が多ければたくさん調合しても大丈夫だけど、少ない人はそういうわけにはいかない。だから魔力を使わない調合も必ず試験に出て来るそうだ。
でも魔力を使う調合の方が難しいから、試験での得点は高い。成績上位を目指すなら魔力を使う調合が出来ることが必須となる。
奨学生だった場合は絶対必要なことだが、あいにくと僕は一般入学だ。だから成績が上位でなくても問題ない。
それを聞いて心底安心した。
「リュークが魔法を使えないことはほとんどの人が知っていることだからね。もし先生に何か言われたら、魔法が使えないからだって説明すればわかってもらえると思う。……まぁそれで何か嫌味とかを言われるかもしれないけど」
「うん、それは大丈夫。事実だから。僕は魔法が使えない役立たずだけど、そう言われても父さんやヴィーたちがいるから大丈夫だよ」
昔の僕だったらそう言われて辛くて悲しくて落ち込んでいたと思う。でも今は、こんな僕でも大事にしてくれる人たちがちゃんといるってわかってるから。それでも言われれば傷つくし嫌だなとは思うけど、前みたいに落ち込んでうじうじはしない。
「父さん、お願いがあるんだけど。僕にこの調合室を使わせてください」
「ん? 別にいいけど、急にどうしたの?」
父さんがさっき言った、薬草が持つ魔力を打ち消して効果が高まる薬や、新薬の研究。僕はそれをしたいと思ったんだ。
僕が薬師になろうと思ったのは『魔力回路不全』の治療薬を見つけること。だから僕がいろんな薬の調合をすることで、どういう変化があってどうなるのか。それを確認したい。
「そっか。私も最近は討伐が多くて調合をあまりしていないからね。この部屋を好きに使えばいいよ」
「ありがとう、父さん!」
この部屋にある調合や薬草に関する本も好きに読んでいいと言ってくれて、ますます楽しみになってきた。
いっぱい勉強していろんな調合して、それらがどうなるのか。きっと大変な作業なんだろうけど、それでもなんだかわくわくする。
それから学園から帰ると真っ先に調合室へ。父さんが休みの日は僕についてくれて色々と教えてくれた。授業以外で教えてもらえるこの環境は僕にとって最高だった。なにより大好きな父さんと一緒に研究出来るのが楽しい。
そうして日々を過ごしている内に、学園の生活も半年が過ぎた。
最初の試験は全ての科目で合格が取れた。調合の実技では魔力を使わない調合を選んだから、成績は中の下辺り。それでも合格は合格だからこれでいい。
ヴィーは元々優秀なこともあって、騎士科の試験での成績は一位だった。凄い結果だったから、メルルさんにお願いしてお祝いをした。ヴィーは「試験くらいで大袈裟な……」と言っていたけど、一位は一位だ。ヴィーが本当に凄くて僕は誇らしい気持ちでいっぱいだった。
ヴィーやオーラフ様と一緒にいることが多くなってからエッカルト様とローゼ様は僕に近寄ることはなくなった。僕を実験対象に見ていた人たちだから、実はほっとしている。友達になれなかったのは残念だったけど。
僕の周りは特にこれと言って変化はない。相変らず遠巻きにされてるし、たまに「平民のくせに」と嫌味を言われることもある。だけどそんなことに気を取られている暇はない。
実は僕は家での薬の研究で、一つずつ成果を上げている。あの簡単に作れる傷薬の効き目が凄く上がったんだ。
魔力を込めて作れば鎮静薬になるんだけど、僕はどうしても失敗してしまう。前はただ「失敗した」と思っていたんだけど、よくよく調べてみれば傷薬としての効能が飛躍的に上がったことがわかったんだ。
ヴィーが剣の訓練で腕に傷をつけて帰ってきたことがあった。本人は「ほっとけば治る」と治療をしていなかったから、せめて傷薬でもと僕が作った薬を塗った。すると瞬く間に傷が消えてしまったんだ。
本来の傷薬はこんなすぐに怪我が治ることはない。どういうことかと思ったら、僕が魔力を込めて作った「失敗作」を使っていたことが判明。
そこでヴィーが(やめてって言ったのに)わざわざ自分の腕にナイフで傷を作って実験台になった。本来の傷薬と僕が魔力を込めて作った鎮静薬の失敗作。二つを塗って比べてみたら、鎮静薬の失敗作だったものが上位の傷薬だったことがはっきりと証明された。
これには父さんもびっくり。それで使う薬草のことを調べてみたら、薬草がもつ魔力が傷薬の効果を抑えていることがわかった。僕はそれを打ち消していたから、こういう結果になったんだ。
ただこれはどこにも発表することが出来ない。僕の魔力が『魔法を無効化』するなんて言えないから。だからこれは僕達だけの秘密。
その流れでヴィーにも僕の特殊体質のことを話すことになった。凄い傷薬の効き目を見てしまっているから誤魔化せなかったんだ。
僕の体質のことを知ったヴィーはちょっと驚いていたけど、「リュークはリュークだから」とこの特殊体質に関して悪くは思わなかった。むしろこの体質のことがバレたら大変だと、ますます過保護になったような気がする。
王宮へは月一回くらいでヴィーと一緒に行っている。殿下とお茶をしたり、護身術の復習をしたり。
たまにアレクシス様も顔を見せに来てくれる。子供の時と変わらず接してくれて嬉しかった。
こんな感じで大変なこともありながらも、総じて楽しい日常を送っていた。
だけど、いきなり王都全体がぴりぴりとした緊張感に包まれることになる。
号外も出されたことで今では知らない人は誰もいない。
隣国のアリミルス王国の国王陛下が崩御され、なんとそれと同時に王太子殿下も逝去された。
第二王子であったジークムント・ヴァン・アリミルス殿下が即位され、そして今後は王国ではなく帝国となることを発表したのだ。
「父さん!」
学園が終わって家に帰ると、父さんが遠征から帰ってきていた。出迎えるなりぎゅむぎゅむと抱きしめられ、嬉しくて僕も遠慮なくぎゅーっと抱き返した。
「あ~……久しぶりのリュークだぁ……」
抱きしめるだけじゃ飽き足らず、頬ずりまで始めてしまう。でもこれはいつものこと。遠征から帰って来た父さんは毎回こうだ。
そして子供の様に抱っこするとそのままリビングのソファーへ。父さんは僕を抱えたまま座ると、また更にぎゅーっと抱きしめる。
「シモン先生は相変らずですね」
父さんのこんな姿を見たヴィーは呆れ顔だ。メルルさんがお茶を淹れてくれて、くすくすと笑いながら僕達の前に置いてくれた。
「リューク、学園で大変な目に遭ったんだろう? 大丈夫? 学園辞めたい?」
「うーんと、確かに大変な目には遭ったけど、でも僕は辞める気はないよ。せっかく入学出来たんだからちゃんと最後まで頑張りたいんだ。それに仲良くしてくれる人も出来たんだよ!」
父さんにオーラフ様と友達になったことを話す。すると父さんもジェンキンス子爵のことを知っていて、とても優秀な薬師だと言っていた。とても大らかな人で、平民の患者さんにも優しいらしい。いい人と友達になれてよかったね、と父さんも嬉しそうだった。
「それで父さんに相談があるんだけど……」
僕が調合で上手くいかないことを話すことにした。オーラフ様が魔力を流すとちゃんと薬は完成するのに、僕は何度やっても成功しない。そう言うと、父さんは「調合室へ行こうか」と部屋を移動することになった。
そこで一度やってみて欲しいと言われて調合を開始する。その様子を見ていた父さんは、しばらく考えた後口を開いた。
「リューク、恐らく君の魔力が『魔法を無効化』するからだと思う」
薬草にも魔力が宿っているものがあって、それがあるおかげで薬として成り立つ。だけど僕がその力を打ち消してしまうことによって、薬が作れないんじゃないかと言われた。僕が魔道具を起動出来ないのと同じだ。
薬草に宿った魔力はただの魔力。魔法としての力はない。だから父さんは大丈夫だと思っていたが、いざやってみると薬草の魔力も打ち消していた。
これじゃあ僕は薬を作れないということだ。
「大丈夫だよ。確かに作れない薬はあるけど、全部が魔力を流すものでもないんだ。それに逆を考えたら、魔力を打ち消したことによって更に効果が高まるものや、新しい薬の開発が出来るかもしれないよ」
試験では座学と実技と両方ある。実技の試験では六つの課題が出されて、その内三つの調合が出来れば合格らしい。
誰しもが魔力を持っているけど、魔力量は人それぞれ。魔力量が多ければたくさん調合しても大丈夫だけど、少ない人はそういうわけにはいかない。だから魔力を使わない調合も必ず試験に出て来るそうだ。
でも魔力を使う調合の方が難しいから、試験での得点は高い。成績上位を目指すなら魔力を使う調合が出来ることが必須となる。
奨学生だった場合は絶対必要なことだが、あいにくと僕は一般入学だ。だから成績が上位でなくても問題ない。
それを聞いて心底安心した。
「リュークが魔法を使えないことはほとんどの人が知っていることだからね。もし先生に何か言われたら、魔法が使えないからだって説明すればわかってもらえると思う。……まぁそれで何か嫌味とかを言われるかもしれないけど」
「うん、それは大丈夫。事実だから。僕は魔法が使えない役立たずだけど、そう言われても父さんやヴィーたちがいるから大丈夫だよ」
昔の僕だったらそう言われて辛くて悲しくて落ち込んでいたと思う。でも今は、こんな僕でも大事にしてくれる人たちがちゃんといるってわかってるから。それでも言われれば傷つくし嫌だなとは思うけど、前みたいに落ち込んでうじうじはしない。
「父さん、お願いがあるんだけど。僕にこの調合室を使わせてください」
「ん? 別にいいけど、急にどうしたの?」
父さんがさっき言った、薬草が持つ魔力を打ち消して効果が高まる薬や、新薬の研究。僕はそれをしたいと思ったんだ。
僕が薬師になろうと思ったのは『魔力回路不全』の治療薬を見つけること。だから僕がいろんな薬の調合をすることで、どういう変化があってどうなるのか。それを確認したい。
「そっか。私も最近は討伐が多くて調合をあまりしていないからね。この部屋を好きに使えばいいよ」
「ありがとう、父さん!」
この部屋にある調合や薬草に関する本も好きに読んでいいと言ってくれて、ますます楽しみになってきた。
いっぱい勉強していろんな調合して、それらがどうなるのか。きっと大変な作業なんだろうけど、それでもなんだかわくわくする。
それから学園から帰ると真っ先に調合室へ。父さんが休みの日は僕についてくれて色々と教えてくれた。授業以外で教えてもらえるこの環境は僕にとって最高だった。なにより大好きな父さんと一緒に研究出来るのが楽しい。
そうして日々を過ごしている内に、学園の生活も半年が過ぎた。
最初の試験は全ての科目で合格が取れた。調合の実技では魔力を使わない調合を選んだから、成績は中の下辺り。それでも合格は合格だからこれでいい。
ヴィーは元々優秀なこともあって、騎士科の試験での成績は一位だった。凄い結果だったから、メルルさんにお願いしてお祝いをした。ヴィーは「試験くらいで大袈裟な……」と言っていたけど、一位は一位だ。ヴィーが本当に凄くて僕は誇らしい気持ちでいっぱいだった。
ヴィーやオーラフ様と一緒にいることが多くなってからエッカルト様とローゼ様は僕に近寄ることはなくなった。僕を実験対象に見ていた人たちだから、実はほっとしている。友達になれなかったのは残念だったけど。
僕の周りは特にこれと言って変化はない。相変らず遠巻きにされてるし、たまに「平民のくせに」と嫌味を言われることもある。だけどそんなことに気を取られている暇はない。
実は僕は家での薬の研究で、一つずつ成果を上げている。あの簡単に作れる傷薬の効き目が凄く上がったんだ。
魔力を込めて作れば鎮静薬になるんだけど、僕はどうしても失敗してしまう。前はただ「失敗した」と思っていたんだけど、よくよく調べてみれば傷薬としての効能が飛躍的に上がったことがわかったんだ。
ヴィーが剣の訓練で腕に傷をつけて帰ってきたことがあった。本人は「ほっとけば治る」と治療をしていなかったから、せめて傷薬でもと僕が作った薬を塗った。すると瞬く間に傷が消えてしまったんだ。
本来の傷薬はこんなすぐに怪我が治ることはない。どういうことかと思ったら、僕が魔力を込めて作った「失敗作」を使っていたことが判明。
そこでヴィーが(やめてって言ったのに)わざわざ自分の腕にナイフで傷を作って実験台になった。本来の傷薬と僕が魔力を込めて作った鎮静薬の失敗作。二つを塗って比べてみたら、鎮静薬の失敗作だったものが上位の傷薬だったことがはっきりと証明された。
これには父さんもびっくり。それで使う薬草のことを調べてみたら、薬草がもつ魔力が傷薬の効果を抑えていることがわかった。僕はそれを打ち消していたから、こういう結果になったんだ。
ただこれはどこにも発表することが出来ない。僕の魔力が『魔法を無効化』するなんて言えないから。だからこれは僕達だけの秘密。
その流れでヴィーにも僕の特殊体質のことを話すことになった。凄い傷薬の効き目を見てしまっているから誤魔化せなかったんだ。
僕の体質のことを知ったヴィーはちょっと驚いていたけど、「リュークはリュークだから」とこの特殊体質に関して悪くは思わなかった。むしろこの体質のことがバレたら大変だと、ますます過保護になったような気がする。
王宮へは月一回くらいでヴィーと一緒に行っている。殿下とお茶をしたり、護身術の復習をしたり。
たまにアレクシス様も顔を見せに来てくれる。子供の時と変わらず接してくれて嬉しかった。
こんな感じで大変なこともありながらも、総じて楽しい日常を送っていた。
だけど、いきなり王都全体がぴりぴりとした緊張感に包まれることになる。
号外も出されたことで今では知らない人は誰もいない。
隣国のアリミルス王国の国王陛下が崩御され、なんとそれと同時に王太子殿下も逝去された。
第二王子であったジークムント・ヴァン・アリミルス殿下が即位され、そして今後は王国ではなく帝国となることを発表したのだ。
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