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23 恥ずかしいから忘れたいのに
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とりあえず、オースティンさんはすっかり良くなったみたいだ。手を握って魔力を流し込んでみたら、すっからかんだった魔力はすっかり満ち満ちていた。
良かったと思うと同時に、アレは間違いなくディープキスとフェラだよな、とオースティンさんにされたことを思い出し両手で顔を覆った。これは絶対にヘンリーさんたちには内緒にしないと。「オースティン様に何させてんだッ!?」と言われる可能性大だ。
ディープキスはなんとなくわかる。物凄い勢いで魔力が吸われているのを感じたし、それと同時にオースティンさんの中に魔力があっという間に馴染んだから。
だけどフェラは……あれはちょっと意味がわからない。オースティンさんに理由を聞きたいけど恥ずかしすぎて無理だな……。
ふと下を見ると下半身が丸出しだったのに気が付き、ものすごい勢いで下着とズボンを上げ直す。そしてうつ伏せに寝ているオースティンさんを仰向けにし、さっきの痕跡がないかを確かめた。
大丈夫なのを確認し、心配しているであろうヘンリーさんたちに知らせるために部屋を出ることにする。
オースティンさんの部屋を出るとランドルに双子、そしてヘンリーさんが扉の外で待っていた。俺が出てくるまでずっとここで待っていたらしい。結局オースティンさんが心配過ぎてどこにも行けなかったんだろう。
「ヒカル様っ! オースティン様はッ……」
「うん、もう大丈夫。ほぼ全回復したよ」
「ああっ……よか……良かった……」
安心したのか体から力が抜けてその場に膝を付いてしまったヘンリーさんを労わる様に、ランドルはその肩をぽんぽんと軽く叩く。
ヘンリーさんは俺に頭を下げると、ふらふらとしながらもオースティンさんの元へと向かった。
俺は双子たちと共に一旦自室へと戻る。
「ヒカル様、お疲れ様でございました。それと、オースティン様を助けていただき本当にありがとうございました」
ランドルの言葉に続いて、双子も一緒に俺に向かって深々と頭を下げた。そしてレイフは「ブレアナ様に報告して参ります」と部屋を出ていった。
ローリーがお茶を淹れてくれそれが出されたタイミングで、レイフと共にブレアナさんが部屋にやって来た。そして俺の目の前までくると、片膝を付き最上の礼をとった。
「ヒカル様には弟を救っていただき感謝申し上げます。もしここにヒカル様がおられなければ、あの子はここで命を落としていたことでしょう。本当に感謝してもしきれません」
「いえ、俺もいつも良くしてもらっているので少しでも力になれて良かったです。ただ……どうしてオースティンさんが奴隷契約なんて結ばされているのか聞いても良いですか?」
ヘンリーからその話を聞いた時から不思議には思ってた。オースティンさんは公爵家の人間だ。他国から来た魔力持ちとは違うし、逃げ出そうとして捕まったわけでもない。なのに奴隷契約を結んでいるのはどうしてなのか。
「……そうですね。ヒカル様にはお話した方がいいでしょう。ですが、その話は明日に致しましょう。魔力をかなり使われてお疲れでしょうし。ディナーも召し上がっておられませんよね?」
ブレアナさんにそう言われてまだ夕飯を食べていなかったことを思い出した。気が付いた途端、空腹を感じてお腹がくぅっと音を立てる。
おやつの時間頃にオースティンさんの魔力譲渡を行って、今はもう夜の10時ごろ。結構長い間魔力譲渡を行っていたんだなと今初めて気が付いた。そりゃお腹も空くはずだ。
「ふふ。こちらに用意させますのでどうぞごゆっくりとお召し上がりください。それでは私はこれで失礼いたします」
そう言ってブレアナさんは帰っていった。その後すぐ双子が俺の夕食を準備してくれて、そのまま双子たちと一緒に食べることにした。
オースティンさんの命が助かったことで、今は明るい雰囲気が漂っていた。
そして風呂も済ませてベッドへと潜り込む。
「はぁ……なんか一瞬ものすっごい焦ったけど、なんとかなって良かった」
オースティンさんはもう大丈夫だろう。助けることが出来て本当に良かったと思う。
ただ、あのディープキスとフェラ。オースティンさんの口が俺のアレを……。
「うわぁぁぁぁ! 俺どんな顔してオースティンさんに会えばいいんだよぉぉぉぉぉ!」
あまりの恥ずかしさにベッドの上でごろごろと転げまわる。何をされるのか全く分からなくて動けない俺に、あんなことをしたオースティンさん。口に咥えられた時もあまりの快感に体から力が抜けて抵抗することも出来なかった。
「そうなんだよな……気持ち良かったんだよ」
男の人にあんなことされたのに、気持ち悪いとか全くなくてむしろ気持ちよすぎて……。
俺って実は同性愛者だった、とか? 火傷を負ったのもあって、誰かと会う事が怖かった俺は恋愛感情というものを誰かに抱いたことがない。異性が好きなのかと思っていたけど、実は男が好きだったのか……?
それとも異性が好きなんだけど、オースティンさんが綺麗すぎるから抵抗がなかっただけか……?
「あ~……さっぱりわからん」
自分で自分が全然わからない。これ以上考えてもわかることじゃないからさっさと寝ようと目を瞑る。
だけどあのキスとフェラを思い出して、またベッドでごろごろとのたうち回るという事を繰り返し、寝るのはかなり遅くなってからだった。
そして翌朝。寝不足で目を擦りながら朝食を取りに食堂へ向かうと、ブレアナさんとオースティンさんが既に待っていた。
まさかオースティンさんもこの場にいるとは思わず驚いた。今はまだ寝ているかと思っていたから。だけど顔色を見るに元気になったようで一安心だ。
でもオースティンさんの顔を見て、昨日の事が一気にフラッシュバックする。どうしよう……あの口に俺のが……って朝っぱらから何思い出してるんだ!!
慌てて脳内からいやらしい映像を消し去る。気づかれるな、バレちゃいけない。
内心大慌ての俺を他所にオースティンさんは俺の姿を見るとすぐに立ち上がり、俺の前へと来ると片膝を付き最上の礼をとった。
「ヒカル様、昨日は私の命を助けてくれたと聞いた。心からの感謝を」
「オ、オースティンさん、体調はどうですか? まだおかしなところとかないですか?」
「いや全く。すっかり元通り、というよりもいつもより気分がいいくらいだ」
「そっか。それなら良かった」
昨日あんなことがあってオースティンさんにどういう顔して会えばいいかわからなかったけど、今のオースティンさんを見るに記憶になさそうな感じだ。
あの時のオースティンさんは俺を見ているようで見ていないような、なんか不思議な感じだったし覚えていなくてもおかしくない。というか覚えていない方が俺にとっては都合がいいけど……。
どうか覚えていませんように!!
良かったと思うと同時に、アレは間違いなくディープキスとフェラだよな、とオースティンさんにされたことを思い出し両手で顔を覆った。これは絶対にヘンリーさんたちには内緒にしないと。「オースティン様に何させてんだッ!?」と言われる可能性大だ。
ディープキスはなんとなくわかる。物凄い勢いで魔力が吸われているのを感じたし、それと同時にオースティンさんの中に魔力があっという間に馴染んだから。
だけどフェラは……あれはちょっと意味がわからない。オースティンさんに理由を聞きたいけど恥ずかしすぎて無理だな……。
ふと下を見ると下半身が丸出しだったのに気が付き、ものすごい勢いで下着とズボンを上げ直す。そしてうつ伏せに寝ているオースティンさんを仰向けにし、さっきの痕跡がないかを確かめた。
大丈夫なのを確認し、心配しているであろうヘンリーさんたちに知らせるために部屋を出ることにする。
オースティンさんの部屋を出るとランドルに双子、そしてヘンリーさんが扉の外で待っていた。俺が出てくるまでずっとここで待っていたらしい。結局オースティンさんが心配過ぎてどこにも行けなかったんだろう。
「ヒカル様っ! オースティン様はッ……」
「うん、もう大丈夫。ほぼ全回復したよ」
「ああっ……よか……良かった……」
安心したのか体から力が抜けてその場に膝を付いてしまったヘンリーさんを労わる様に、ランドルはその肩をぽんぽんと軽く叩く。
ヘンリーさんは俺に頭を下げると、ふらふらとしながらもオースティンさんの元へと向かった。
俺は双子たちと共に一旦自室へと戻る。
「ヒカル様、お疲れ様でございました。それと、オースティン様を助けていただき本当にありがとうございました」
ランドルの言葉に続いて、双子も一緒に俺に向かって深々と頭を下げた。そしてレイフは「ブレアナ様に報告して参ります」と部屋を出ていった。
ローリーがお茶を淹れてくれそれが出されたタイミングで、レイフと共にブレアナさんが部屋にやって来た。そして俺の目の前までくると、片膝を付き最上の礼をとった。
「ヒカル様には弟を救っていただき感謝申し上げます。もしここにヒカル様がおられなければ、あの子はここで命を落としていたことでしょう。本当に感謝してもしきれません」
「いえ、俺もいつも良くしてもらっているので少しでも力になれて良かったです。ただ……どうしてオースティンさんが奴隷契約なんて結ばされているのか聞いても良いですか?」
ヘンリーからその話を聞いた時から不思議には思ってた。オースティンさんは公爵家の人間だ。他国から来た魔力持ちとは違うし、逃げ出そうとして捕まったわけでもない。なのに奴隷契約を結んでいるのはどうしてなのか。
「……そうですね。ヒカル様にはお話した方がいいでしょう。ですが、その話は明日に致しましょう。魔力をかなり使われてお疲れでしょうし。ディナーも召し上がっておられませんよね?」
ブレアナさんにそう言われてまだ夕飯を食べていなかったことを思い出した。気が付いた途端、空腹を感じてお腹がくぅっと音を立てる。
おやつの時間頃にオースティンさんの魔力譲渡を行って、今はもう夜の10時ごろ。結構長い間魔力譲渡を行っていたんだなと今初めて気が付いた。そりゃお腹も空くはずだ。
「ふふ。こちらに用意させますのでどうぞごゆっくりとお召し上がりください。それでは私はこれで失礼いたします」
そう言ってブレアナさんは帰っていった。その後すぐ双子が俺の夕食を準備してくれて、そのまま双子たちと一緒に食べることにした。
オースティンさんの命が助かったことで、今は明るい雰囲気が漂っていた。
そして風呂も済ませてベッドへと潜り込む。
「はぁ……なんか一瞬ものすっごい焦ったけど、なんとかなって良かった」
オースティンさんはもう大丈夫だろう。助けることが出来て本当に良かったと思う。
ただ、あのディープキスとフェラ。オースティンさんの口が俺のアレを……。
「うわぁぁぁぁ! 俺どんな顔してオースティンさんに会えばいいんだよぉぉぉぉぉ!」
あまりの恥ずかしさにベッドの上でごろごろと転げまわる。何をされるのか全く分からなくて動けない俺に、あんなことをしたオースティンさん。口に咥えられた時もあまりの快感に体から力が抜けて抵抗することも出来なかった。
「そうなんだよな……気持ち良かったんだよ」
男の人にあんなことされたのに、気持ち悪いとか全くなくてむしろ気持ちよすぎて……。
俺って実は同性愛者だった、とか? 火傷を負ったのもあって、誰かと会う事が怖かった俺は恋愛感情というものを誰かに抱いたことがない。異性が好きなのかと思っていたけど、実は男が好きだったのか……?
それとも異性が好きなんだけど、オースティンさんが綺麗すぎるから抵抗がなかっただけか……?
「あ~……さっぱりわからん」
自分で自分が全然わからない。これ以上考えてもわかることじゃないからさっさと寝ようと目を瞑る。
だけどあのキスとフェラを思い出して、またベッドでごろごろとのたうち回るという事を繰り返し、寝るのはかなり遅くなってからだった。
そして翌朝。寝不足で目を擦りながら朝食を取りに食堂へ向かうと、ブレアナさんとオースティンさんが既に待っていた。
まさかオースティンさんもこの場にいるとは思わず驚いた。今はまだ寝ているかと思っていたから。だけど顔色を見るに元気になったようで一安心だ。
でもオースティンさんの顔を見て、昨日の事が一気にフラッシュバックする。どうしよう……あの口に俺のが……って朝っぱらから何思い出してるんだ!!
慌てて脳内からいやらしい映像を消し去る。気づかれるな、バレちゃいけない。
内心大慌ての俺を他所にオースティンさんは俺の姿を見るとすぐに立ち上がり、俺の前へと来ると片膝を付き最上の礼をとった。
「ヒカル様、昨日は私の命を助けてくれたと聞いた。心からの感謝を」
「オ、オースティンさん、体調はどうですか? まだおかしなところとかないですか?」
「いや全く。すっかり元通り、というよりもいつもより気分がいいくらいだ」
「そっか。それなら良かった」
昨日あんなことがあってオースティンさんにどういう顔して会えばいいかわからなかったけど、今のオースティンさんを見るに記憶になさそうな感じだ。
あの時のオースティンさんは俺を見ているようで見ていないような、なんか不思議な感じだったし覚えていなくてもおかしくない。というか覚えていない方が俺にとっては都合がいいけど……。
どうか覚えていませんように!!
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