【R18】セクスギア 奥にイクほど 気持ちイイ(伝説の冒険者は語る)

蛙壺

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dungeon flash walking

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 ディリオンとレネは歩いていた。
 ダンジョンの最終地点、B25へと向かって。

 奇数階への道のりなので、レネが慰められるターンだったのだがーー

「本当にいいのか?」
「ええ、ここでは、がいちばんの前戯なの」

 ふたりは絡み合っていなかった。
 若干の距離をおいて、並んで歩いている。

 あえて、触らない。

 これが、最終地点という本当の絶頂に向けての、最高の焦らしであった。
 最高である証拠に、レネはうずきが止まらない。
 通ってきた道がはっきりわかるくらいに、ぽと、ぽと、としずくが垂れている。

 レネもディリオンも、B24のボスフロアからずっと全裸のままだ。
 装備品は置いてきた。
 ここから先、最後の場所に、余計なものは持ち込みたくなかった。

 ディリオンも、焦らしを楽しんでいた。
 彼自身はいつでも天をいており、天衝のディリオンという異名もあるのだが、今はそれ以上に、さらなる角度をもって未知の快楽を求めていた。
 いつでも満足を求め、満足したことがない。

 それが彼であり、

 彼女だった。

 ふたりは、ここまでの道のりを思わずにはいられなかった。

***

 ディリオンとレネは、現実世界でもパートナーである。

 恋人ーー
 そんな呼び名はピンとこない。
 恋だの愛だのささやく暇があれば、互いをむさぼる。
 そこに愛がないかと問われれば当然あるのだろうが、そのような言葉は、言葉にすぎない。

 彼らは求道者で、パートナーはその同行者だ。
 肉体は道を見つけるための道具であり、想いもまた、そこにこびりついた錆のようなもの。

 あるのはただ、最高の快楽への探究心だけ。

 セクスギアの噂を聞き、一も二もなく飛びついたのは当然のことだった。

 最初、他のプレイヤーに倣ってルームで行為に及んだあと、ふたりして「こんなものか」と思った。
 触覚が何倍にも感じられようが、摩擦は摩擦。それ以上のものではない。
 ゲーム内という仮想空間での体験は、味気のないものだった。

 肉体的な快楽を伴えば、と考え、セクスギアをつけたまま、現実世界でも繋がってみた。
 両方の世界で同時にすれば、どうなるかーー

 結果は、期待したものではなかった。

 触覚が強いほうと弱いほう、同時に行なえば、当然それは前者が勝つ。
 意識のほとんどがゲーム内に割かれてしまい、現実世界での繋がりはほとんど意味をなさなかった。

 だがーー

 そのとき、思わぬ収穫があった。

 ゲーム内に意識が集中した結果、現実世界でベッドにいた彼らは、床に落下してしまったのだ。

 その瞬間の感覚に、「これだ!」と思わせるものがあった。

 不意に訪れる危険。
 それは、甘美な誘惑であった。

 彼らは誰も到達していない場所、未知なる危険を求め、ダンジョンの奥へと吸い込まれていった。

***

 ……その旅も、もうすぐ終わり。

 先ほどの戦闘も、それを感じさせてくれる、すばらしいものだった。
 ディリオンはまだ満足していなかったが、快楽に限界があるとすれば、たしかに『次』あたりかもしれない。

「……レネ、大丈夫か?」

 B24のボス戦後の行為で、すでにレネは限界に達しているように見えた。
 もうすこしで、正気を手放していたかもしれない。
 ディリオンはそう問いかけながらレネを見る。

「ふーッ……ふーッ……」

 彼女は荒い息を吐きながら、ディリオンを見た。
 焦らしが効きすぎているのか、すでに太ももがびくびく痙攣し、上も下もよだれを垂らしている。
 胸の先も、脚の間の突起も、異常なくらいに固くなり肥大しきっていた。
 だが、その目が言っている。

 次で限界なら、それは最高の幸せよ。

「……よし、行こう」

 ディリオンはうなずきーー

 そして彼らは、最後の扉を開いた。
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