2 / 3
勝負をしよう
しおりを挟む
第2話 勝負をしよう
「また負けた!もう1回!!」
「またかよ、お前は分かりやすすぎるんだよ。」
依頼の来ないポリゴンファクトリーは平和である。その証拠にサイキの弟のシーカとシーカの弟のシラゴがカードゲームをしていた。
シーカは明るいネオンピンクに縁どられたひし形の形をしていて真っ黒顔の中に信号機のように目が縦に2つ並んでいる。
一方のシラゴは紫に縁どられた五角形に似た形をしており、目は額の部分に1つ下に2つついている。
この二人がなぜカードゲームをするに至ったのか、
それは仕事がこなさ過ぎて暇をもてあそんだシラゴが外の仕事から帰ってきたシーカに勝負を吹っかけてきたのだ。
しかし自分から勝負をかけてきたのにもかかわらず
連戦連敗を喫しているのだった
「なんで?」
「おまえは顔に出ているからわかりやすいんだよ。」
落ち込みかけているシラゴにシーカは言葉で追い打ちをかけた。
さらに追い打ちをかけようとした時、シーカの頭にサイキの手が触れた。
「それぐらいにしとけ。お前たちいくら暇だからってたるみすぎだぞ。それにシーカ・・・」
「やべっ、レポート忘れた。すぐ書く、書くから、シラゴ勝負はお預けだ」
仕事が残っていたことを思い出したシーカは急いでタイプライターをセットする。
タイプライターの音がぱちぱちと社内に響く中、シラゴはサイキに耳打ちで相談した。
「シーカ兄さんに勝ってみたいんだ。協力してくれよ。」
「お前が小手先のズルを使ってもあいつに負けるだけだぞ」
シラゴはサイキの手をつかみ懇願した。
「俺いっつも負けてばっかりだからさ、たまには勝ちたいんだおねがい?」
弟のお願いには少々弱いのかサイキは根負けしたように了承した。サイキも耳打ちでシラゴにある作戦を伝えた。
その様子をタイピングの手を緩めずシーカは見逃さなかった。
シーカのレポートも終わり、いよいよシラゴ・サイキ連合チームとシーカがカードゲームを再び行うこととなった。
シラゴの後ろにはサイキが控えており何やら紅茶の用意をしているところだ。
序盤はシラゴ達がリード、その勢いのままと思いきやサイキが
「紅茶淹れてやるよ。シラゴはミルク入れるよな?」
とシラゴに尋ねた。
シラゴは「ミルクと砂糖も入れてくれ。」
といつもなら顔を見ていうはずのシラゴがサイキを見ず答えた。
2人の紅茶を差し出した。
シーカの分は利き手のほうにカップを置いたのに対し、シラゴのほうは利き手じゃないほうに紅茶のカップを置いた。
サイキは再びシラゴに尋ねた
「マフィンと蒸しパンどっちがいい?」シラゴはマフィンを選んだ。
その様子を見てシーカはカードを切った。
それまで劣勢だったシーカが盛り返し、
兄の逆転劇に対応できずにサイキの助力
も虚しくシラゴが再び負けてしまった。
「なんで?!!作戦立てたのに?!!」
「あのな、まず俺の前で作戦を話すな。
あと露骨に紅茶のタイミングがわかりやすいしカップの置き方でだいたいの意図察しられるから最初泳がせて調子こいたとこで逆転したんだ。」
ぐうの音も出ない。
サイキもまずいと思ったのかシラゴから目をそらす。
「しっかしまあなんで今頃俺に勝ちたいと思ったんだ?」
シーカは情報屋だ。
もしかしたら弟が何かトラブルに巻き込まれていて助けを求めているのではないかと感じたのだ。
シラゴは重い口を開く。
「この前バーでカードゲームしたら連勝
しちゃってそれで浮かれてシーカ兄さん
にも勝てると踏んだんだ。」
シーカは少し考え込んだ後、口を開いた。
「シラゴ、お前先週の夜夕飯近所の食堂で食ってきただろ?」
「うん」
「お前そこで喧嘩しただろ?」
「仲裁はしてきただけだとおもうけど・・・」
「仲裁か・・・お前が酔っ払った竜人を蹴り飛ばしただろ。
その時すごいバキボキと音がしたって噂があったんだ。」
「たしかに全体重かけてけったけど・・・」
「昨日バーに行ったんだがみんなお前のことが怖くて遠慮してたって」
シラゴは真っ青になった。
まさかの真相に黙ってしまった。
落ち込んだシラゴに対しまずいと思ったのかフォローをした。
「ゲーム強くなりたいなら、今夜来い。
練習付き合ってやる。
ハンドサインとかのやり方も教えてやるから。」
その日の夜、シーカとシラゴの特訓が開始されるのだった。
「また負けた!もう1回!!」
「またかよ、お前は分かりやすすぎるんだよ。」
依頼の来ないポリゴンファクトリーは平和である。その証拠にサイキの弟のシーカとシーカの弟のシラゴがカードゲームをしていた。
シーカは明るいネオンピンクに縁どられたひし形の形をしていて真っ黒顔の中に信号機のように目が縦に2つ並んでいる。
一方のシラゴは紫に縁どられた五角形に似た形をしており、目は額の部分に1つ下に2つついている。
この二人がなぜカードゲームをするに至ったのか、
それは仕事がこなさ過ぎて暇をもてあそんだシラゴが外の仕事から帰ってきたシーカに勝負を吹っかけてきたのだ。
しかし自分から勝負をかけてきたのにもかかわらず
連戦連敗を喫しているのだった
「なんで?」
「おまえは顔に出ているからわかりやすいんだよ。」
落ち込みかけているシラゴにシーカは言葉で追い打ちをかけた。
さらに追い打ちをかけようとした時、シーカの頭にサイキの手が触れた。
「それぐらいにしとけ。お前たちいくら暇だからってたるみすぎだぞ。それにシーカ・・・」
「やべっ、レポート忘れた。すぐ書く、書くから、シラゴ勝負はお預けだ」
仕事が残っていたことを思い出したシーカは急いでタイプライターをセットする。
タイプライターの音がぱちぱちと社内に響く中、シラゴはサイキに耳打ちで相談した。
「シーカ兄さんに勝ってみたいんだ。協力してくれよ。」
「お前が小手先のズルを使ってもあいつに負けるだけだぞ」
シラゴはサイキの手をつかみ懇願した。
「俺いっつも負けてばっかりだからさ、たまには勝ちたいんだおねがい?」
弟のお願いには少々弱いのかサイキは根負けしたように了承した。サイキも耳打ちでシラゴにある作戦を伝えた。
その様子をタイピングの手を緩めずシーカは見逃さなかった。
シーカのレポートも終わり、いよいよシラゴ・サイキ連合チームとシーカがカードゲームを再び行うこととなった。
シラゴの後ろにはサイキが控えており何やら紅茶の用意をしているところだ。
序盤はシラゴ達がリード、その勢いのままと思いきやサイキが
「紅茶淹れてやるよ。シラゴはミルク入れるよな?」
とシラゴに尋ねた。
シラゴは「ミルクと砂糖も入れてくれ。」
といつもなら顔を見ていうはずのシラゴがサイキを見ず答えた。
2人の紅茶を差し出した。
シーカの分は利き手のほうにカップを置いたのに対し、シラゴのほうは利き手じゃないほうに紅茶のカップを置いた。
サイキは再びシラゴに尋ねた
「マフィンと蒸しパンどっちがいい?」シラゴはマフィンを選んだ。
その様子を見てシーカはカードを切った。
それまで劣勢だったシーカが盛り返し、
兄の逆転劇に対応できずにサイキの助力
も虚しくシラゴが再び負けてしまった。
「なんで?!!作戦立てたのに?!!」
「あのな、まず俺の前で作戦を話すな。
あと露骨に紅茶のタイミングがわかりやすいしカップの置き方でだいたいの意図察しられるから最初泳がせて調子こいたとこで逆転したんだ。」
ぐうの音も出ない。
サイキもまずいと思ったのかシラゴから目をそらす。
「しっかしまあなんで今頃俺に勝ちたいと思ったんだ?」
シーカは情報屋だ。
もしかしたら弟が何かトラブルに巻き込まれていて助けを求めているのではないかと感じたのだ。
シラゴは重い口を開く。
「この前バーでカードゲームしたら連勝
しちゃってそれで浮かれてシーカ兄さん
にも勝てると踏んだんだ。」
シーカは少し考え込んだ後、口を開いた。
「シラゴ、お前先週の夜夕飯近所の食堂で食ってきただろ?」
「うん」
「お前そこで喧嘩しただろ?」
「仲裁はしてきただけだとおもうけど・・・」
「仲裁か・・・お前が酔っ払った竜人を蹴り飛ばしただろ。
その時すごいバキボキと音がしたって噂があったんだ。」
「たしかに全体重かけてけったけど・・・」
「昨日バーに行ったんだがみんなお前のことが怖くて遠慮してたって」
シラゴは真っ青になった。
まさかの真相に黙ってしまった。
落ち込んだシラゴに対しまずいと思ったのかフォローをした。
「ゲーム強くなりたいなら、今夜来い。
練習付き合ってやる。
ハンドサインとかのやり方も教えてやるから。」
その日の夜、シーカとシラゴの特訓が開始されるのだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選
上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。
一人用の短い恋愛系中心。
【利用規約】
・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。
・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。
・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる