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おこづかいがほしい
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第1話 おこづかいがほしい
ここはマリドニア王国首都ルディス、かつては荘厳さときらびやかな雰囲気をまとった「宝石と花の都」とうたわれていたが、先の大戦で多くの歴史と伝統が焼かれてしまった。
復興政策によりきらびやかさが戻った反面、多くの流民、戦災孤児、ギルドと呼ばれるマフィアなどが流入し戦後の混乱もあってか首都半分が治安の悪いエリア:ベールストリートを形成し、人身売買、売血、売春がはびこる街に住むある異形頭の兄弟の日常である。
「兄ちゃん」
「今月は金欠だぞ。ロドク。」
「まだ何も言ってないよサイキ兄ちゃん。」
ロドクと呼ばれる男は4つの切れ長の目をすべてしゅんと目じりを落とした。
外見は明るい黄緑色に縁どられた六角形を横にした形で縁の中は黒インクのように真っ黒である。
「今月は依頼が少なかったから、売り上げも当然減る。辛いと思うが我慢してくれ。」
「サイキ兄ちゃん・・・」
サイキと呼ばれる男はロドクの兄であり、ベールストリートで便利屋を営む社長である。外見はロドクと似たように黄色に縁どられた逆三角形の形をしていて目は黄色の目が1つ浮かんでいる。サイキは末のロドクにちょっとでもお金を渡してやりたいが兄弟間で贔屓はしたくない。
かといって間の兄たちの仕事に同行させるのはいささか危険すぎる。
できそうな仕事を探しているとはっと電球が付いたように閃いた。
ーこれならロドクにもできるとー
「なあ、ロドク。俺の仕事手伝わないか?」
「いいの?」
「なあに、簡単なやつだから後回しにしようと思っていたところだったんだ。手伝ってくれるか?」
「もちろん!」
いまにも跳んでうれしさを表現しようとするロドクを少しなだめてサイキは椅子から立ち上がる。
サイキはロドクを連れて地下室へ行った。地下は薄暗くじめっとしている電気も通っていないし普段は使わないものを置いておくスペースだからあまり行くところではない。
サイキがマッチを擦って壁についてる蝋燭に火をつけると、あるものが見えてきた。
ー麻袋だ。しかもおおきい。成人男性が入るぐらいー
「ロドク。こいつはな俺たち≪ポリゴンファクトリー≫にむかって殺害予告を出したやつなんだ。
シーカが見つけてシラゴが連れてきた。あとはわかるな?」
「制裁を加えるやつ?」
袋に入っているソレは時々
「・・・けて」や「・・・して」とうめき声をあげながらもぞもぞと蠢いている。
「じゃあ、このクズをフルスイングしてくれ。
とどめは俺がさしておく。」
ロドクは待ってましたとばかりにそこらへんの手ごろな角材をもって麻袋をぶっ叩いた。
躊躇いがない。
叩くたびに男の悲鳴が聞こえるがロドクは慣れたものでうめき声がなくなるまでたたき続けた。
ロドクにとっては見知らぬ予告犯の命より今使いたいお金のほうが重要なのだ。
10分ほど叩きつけたのち男からうめき声すら上がらなくなった。
麻袋にはいくつもの血のシミが滲んでいる。サイキは財布から小銭を出してロドクに支払った。
「はい、報酬な。」
「ありがとう兄ちゃん。ところでこいつの処理はどうするの?」
「これは『こう』するんだ。」
麻袋に注射針を打ち込む。何らかの液体化注がれる。
袋が生きた魚のように何度も何度も跳ねたがやがてピクリとも動かなくなってしまった。
「そろそろシラゴ達も帰ってくる頃だろう。死体の処理を頼まないとな。」
「川に捨てるのじゃダメなの?」
「ダメだ。伝染病の原因になるからな。こういうのはちゃんと処理したほうがいい」
「はーい」
「さあさあ。終わったことだし、お手伝いごくろうさん。上で紅茶でも飲もうか」
二人は談笑しながら死体に背を向け地上への階段を上っていく
ここはベールストリート人間から異形までなんでもござれな治安の悪い街
そこに住む異形頭の兄弟の物語である
ここはマリドニア王国首都ルディス、かつては荘厳さときらびやかな雰囲気をまとった「宝石と花の都」とうたわれていたが、先の大戦で多くの歴史と伝統が焼かれてしまった。
復興政策によりきらびやかさが戻った反面、多くの流民、戦災孤児、ギルドと呼ばれるマフィアなどが流入し戦後の混乱もあってか首都半分が治安の悪いエリア:ベールストリートを形成し、人身売買、売血、売春がはびこる街に住むある異形頭の兄弟の日常である。
「兄ちゃん」
「今月は金欠だぞ。ロドク。」
「まだ何も言ってないよサイキ兄ちゃん。」
ロドクと呼ばれる男は4つの切れ長の目をすべてしゅんと目じりを落とした。
外見は明るい黄緑色に縁どられた六角形を横にした形で縁の中は黒インクのように真っ黒である。
「今月は依頼が少なかったから、売り上げも当然減る。辛いと思うが我慢してくれ。」
「サイキ兄ちゃん・・・」
サイキと呼ばれる男はロドクの兄であり、ベールストリートで便利屋を営む社長である。外見はロドクと似たように黄色に縁どられた逆三角形の形をしていて目は黄色の目が1つ浮かんでいる。サイキは末のロドクにちょっとでもお金を渡してやりたいが兄弟間で贔屓はしたくない。
かといって間の兄たちの仕事に同行させるのはいささか危険すぎる。
できそうな仕事を探しているとはっと電球が付いたように閃いた。
ーこれならロドクにもできるとー
「なあ、ロドク。俺の仕事手伝わないか?」
「いいの?」
「なあに、簡単なやつだから後回しにしようと思っていたところだったんだ。手伝ってくれるか?」
「もちろん!」
いまにも跳んでうれしさを表現しようとするロドクを少しなだめてサイキは椅子から立ち上がる。
サイキはロドクを連れて地下室へ行った。地下は薄暗くじめっとしている電気も通っていないし普段は使わないものを置いておくスペースだからあまり行くところではない。
サイキがマッチを擦って壁についてる蝋燭に火をつけると、あるものが見えてきた。
ー麻袋だ。しかもおおきい。成人男性が入るぐらいー
「ロドク。こいつはな俺たち≪ポリゴンファクトリー≫にむかって殺害予告を出したやつなんだ。
シーカが見つけてシラゴが連れてきた。あとはわかるな?」
「制裁を加えるやつ?」
袋に入っているソレは時々
「・・・けて」や「・・・して」とうめき声をあげながらもぞもぞと蠢いている。
「じゃあ、このクズをフルスイングしてくれ。
とどめは俺がさしておく。」
ロドクは待ってましたとばかりにそこらへんの手ごろな角材をもって麻袋をぶっ叩いた。
躊躇いがない。
叩くたびに男の悲鳴が聞こえるがロドクは慣れたものでうめき声がなくなるまでたたき続けた。
ロドクにとっては見知らぬ予告犯の命より今使いたいお金のほうが重要なのだ。
10分ほど叩きつけたのち男からうめき声すら上がらなくなった。
麻袋にはいくつもの血のシミが滲んでいる。サイキは財布から小銭を出してロドクに支払った。
「はい、報酬な。」
「ありがとう兄ちゃん。ところでこいつの処理はどうするの?」
「これは『こう』するんだ。」
麻袋に注射針を打ち込む。何らかの液体化注がれる。
袋が生きた魚のように何度も何度も跳ねたがやがてピクリとも動かなくなってしまった。
「そろそろシラゴ達も帰ってくる頃だろう。死体の処理を頼まないとな。」
「川に捨てるのじゃダメなの?」
「ダメだ。伝染病の原因になるからな。こういうのはちゃんと処理したほうがいい」
「はーい」
「さあさあ。終わったことだし、お手伝いごくろうさん。上で紅茶でも飲もうか」
二人は談笑しながら死体に背を向け地上への階段を上っていく
ここはベールストリート人間から異形までなんでもござれな治安の悪い街
そこに住む異形頭の兄弟の物語である
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