自称『元』厨二病は完治したい 〜自称元厨二病?何で自称がついてくるの!?〜

弧葉萌

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一番、厨二心をくすぐるのは学園です

48.白龍、悟る!

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「…。」

うん。

「「…。」」 

黙々とし過ぎている。あと、友達ができない…あ、これどうするんだ?

「…あの」

「何だ」

「ここなんですけど、どう処理すればいいですか?」 

「あぁ、そこは…」

アルベルトさんの説明は丁寧でわかりやすい。
そこはいい、凄くいい。だけど、だけど…!

「「…。」」

静か過ぎて静か死ぬ…!
何だこれは。なんの罰ゲームなんだっ!
気まずい空気に瀕死状態のリン。
というのも、王子は公務、他の生徒会員も都合が悪く、リンとアルベルトの2人しかいないのだ。

「…。」

早く仕事を終わらせてしまおうと、ぐぬぐぬ唸っているリンの視界の端で何かが動いた。

「あっ…!」

黒猫の姿をしたブランだ。

「「…。」」

アルベルトも気づいて、仕事をしていた手を止める。
こいつ、この格好してるときだけは可愛いよな、てかなんでここにいんの?

「…。」 

(うん、それよりも…)

「猫、か」

目障りだ、と言わんばかりに猫を見るアルベルト。
だが、ミリ単位だが口角が上がっているし、目が輝いているのは隠しきれていない。

「…。」

こういうタイプ、めんどくせぇ。
思わず、七五調になってしまったリン。
ここは、空気を読むことにする。

「…わー、猫好きなんですよねー。抱っこしてもいいですかね?」

「…猫が嫌がらなければ好きにしろ」

若干の棒読みは否めないが、リンにしては良くやった方だろう。
わーい、と無理矢理感のすごい笑顔を貼り付けたリンはブランを抱き上げた。

「「…。」」

こうやって見ると綺麗な猫だ。金色の瞳が神秘的だが、これが白龍だとは誰も思わないだろう。

「アルベルト様も触りますか…?」

「!…あ、あぁ…まぁ、触ってやっても良い」

「どうぞ」 

…。
なんか腹立つ。

「…!」

予想以上のもふもふに驚くアルベルト。
ブランは、訳の分からないまま、知らない人に抱かれて全てを悟った遠い目をした。
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