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一番、厨二心をくすぐるものは転生です

35.龍は白かった。

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ごくり。
緊張した面持ちのリン。
その原因は…
「ちょ、ちょっと待て!俺の話を聞け!」
喋る猫である。
「…。」
「なんか喋れや!」
「…幻覚だけじゃ無くて、幻聴も聞こえるとは…」
「だから!違うって言ってんだろー!」
何故、こんな状況になっているのかと言うと、時は数日前に遡るーー
「討伐、ですか?」
「ああ、普通の魔術師が対処出来ない場合、五叡者に回される」
そう言ってため息をつくのは、サレンの親友だという、ローレンだ。
ちなみに、リンは心の中でパイセン、と呼んでいる。
「今回は、リンに行ってもらおうと思ってな」
え、魔王討伐とか言われたらどうしよう。ていうかそもそも、魔王っているんだろうか。
「その討伐対象だが…」
わくわく
ーー「って言われて来たのに居るのが喋る猫って…」
「悪かったな!不死鳥フェニックスじゃなくて!」
そう、ローレンに言われていた討伐対象とは不死鳥だったのだ。
「…でも俺、結構珍しい種族だぜ?」
「…。」
不死鳥よりも?
「あっ、何だその疑いの目は!」
「…。」
だって、不死鳥だよ?不死鳥
「仕方ない、俺の真の姿を見せてやろう」
「え」
リンが驚くのも無理はない。
なぜなら猫は、いや猫ものは、黒い霧に包まれて大きくなっていったのだから。
「もしかして」
漆黒の龍エボニードラゴン…とか?
一応、言っておくが黒龍のことである。
「おお」
そうしてやっと霧が晴れ、その黒い体躯を晒す…ことはなかった。
「んえ?」
龍なのは間違いない。ただ、。もう一度言う、白いのだ。
「もしかして」
純白の龍アイボリードラゴン…?
一応、言っておくが白龍のことである。
「…。」
「はっはっは、俺が圧倒的存在過ぎて言葉も出ないか」
高笑いをする龍。
「…んで…」
「ん?」
「何で、白いのー!?」
「は?」
解釈違いにも程があるよー!!
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