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一番、厨二心をくすぐるものは転生です
26.めっちゃ真面目な話
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「第二ブロックの方は準備して下さい」
「…。」
ルークは初めて父親と話した時の事を思い出していた。
「この中で五叡者になった者に公爵の座を譲る。良いな」
「はい、父上」
ルーク・マーガスもとい、ルーク・ラドル・ストキシンは、6人兄弟の三男で無気力な子どもだった。
そんな彼が公爵の位を望む訳が無い、そう皆が思っていた。
だが、些細な事をきっかけに歯車は狂っていく。
「俺ラーク!名前似てるな、双子みたいだ!」
人懐っこそうな笑みを浮かべ、近づいて来たラーク。何故だかルークはそれを拒否できなかった。
それからは、ラークの愚痴を聞いたり、自慢話を聞いたりして過ごした。
これまた何故か心地良いと感じるようになっていた。
そんなある日、事件は起きる。
「ラーク君、これをルークのお茶に入れて来てくれないかしら」
「え」
そう言って小瓶を差し出したのは側妃のマルアだ。
ラークがマルアに呼び出された後、何となくこっそりついて行ったルーク。
「でも、これって…」
ラークが狼狽えるのも無理はない。
小瓶に入っていたのは人間が口にしてはいけないであろう色の液体だったのだから。
「大丈夫よ、ちょっとだけ寝込んで魔力が少なくなるだけだから。死にはしないわ…それに」
ニィと意地の悪い笑みを浮かべたマルア。
「母親がどうなってもいいのかしら」
「!」
ラークの母親は、夫に見向きもされずヒステリック気味になっていて、育児放棄をしている状況だ。
同時にマルアの取り巻きでラークが断れば、ルークを殺害しようとした、と自分の罪をなすりつけるのであろう。
「…。」
ルークは、多分断らないんだろうなと思った。
ラークはどれだけ傷つけられても、愛されなくてもきっと見捨てることは出来ないから。
「どうするの?」
「僕は…」
少し顔色が悪くなったラークは口を開いた。
「僕は、お断りします」
「…。」
ルークは初めて父親と話した時の事を思い出していた。
「この中で五叡者になった者に公爵の座を譲る。良いな」
「はい、父上」
ルーク・マーガスもとい、ルーク・ラドル・ストキシンは、6人兄弟の三男で無気力な子どもだった。
そんな彼が公爵の位を望む訳が無い、そう皆が思っていた。
だが、些細な事をきっかけに歯車は狂っていく。
「俺ラーク!名前似てるな、双子みたいだ!」
人懐っこそうな笑みを浮かべ、近づいて来たラーク。何故だかルークはそれを拒否できなかった。
それからは、ラークの愚痴を聞いたり、自慢話を聞いたりして過ごした。
これまた何故か心地良いと感じるようになっていた。
そんなある日、事件は起きる。
「ラーク君、これをルークのお茶に入れて来てくれないかしら」
「え」
そう言って小瓶を差し出したのは側妃のマルアだ。
ラークがマルアに呼び出された後、何となくこっそりついて行ったルーク。
「でも、これって…」
ラークが狼狽えるのも無理はない。
小瓶に入っていたのは人間が口にしてはいけないであろう色の液体だったのだから。
「大丈夫よ、ちょっとだけ寝込んで魔力が少なくなるだけだから。死にはしないわ…それに」
ニィと意地の悪い笑みを浮かべたマルア。
「母親がどうなってもいいのかしら」
「!」
ラークの母親は、夫に見向きもされずヒステリック気味になっていて、育児放棄をしている状況だ。
同時にマルアの取り巻きでラークが断れば、ルークを殺害しようとした、と自分の罪をなすりつけるのであろう。
「…。」
ルークは、多分断らないんだろうなと思った。
ラークはどれだけ傷つけられても、愛されなくてもきっと見捨てることは出来ないから。
「どうするの?」
「僕は…」
少し顔色が悪くなったラークは口を開いた。
「僕は、お断りします」
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