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一番、厨二心をくすぐるものは転生です

21.すっごい良い人

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「わ、あの子可愛いー!」
「何歳だろ」
「候補者なんだよね」
と、好意的(?)な声もあるが
「あんなんで出来んのかよ」
「五叡者を舐めてんのか?」
「不快極まりないわ」
など、敵意丸出しの声もある。
「…。」
そんな声をうけたリンは…
(あー、めんどくせぇな、あいつなんか一発でいけそう)
さっきの緊張は何処へやら、中々物騒な事を考えていた。
「なあ」
「はあー…」
早く始まらないだろうか。
「おい」
アルムに会いたい…
「おい!」
「!」
「やっと気づいたか」
「何、でしょうか」
「いや、ここは五叡者の選考会の会場だぞ、迷子か?」
挙げ句の果てには迷子扱いされる。
「…。」
「あーえっと、俺が案内するか?」
ふつーに良い人だった。
「親の名前とか分かるか?見つかるまで付き添うぞ」
めちゃくちゃ良い人だった。
「いえ、私、候補者なので」
「え!あ、ごめんな、勘違いして…俺はラーク・マーガスだ」
良い人…
「私は、リン・プベルルです」
フォンのミドルネームはサレンしか許されていないのだ。
「よろしくな」
「はい」
ニコニコとリンを見つめているラーク。
「「…。」」
「あ、あの…?」
「あ、ごめんな、丁度リンくらいの妹がいてつい…」
「なる」
「ラーク」
ほど、と言おうとしたリンだが遮られてしまった。
決して、なるほどをなる、と言った訳ではない。
「どうしたんだ、ルーク」
「どうしたじゃない。見損なったぞ、いくらお前がプレイボーイでもこんな小さい子を口説くなんて…」
「ち、ちげぇよ!てかプレイボーイなのはルークの方…でもないか」
「えっと…」
困惑気味のリン。
「あ、こいつはルーク。俺の弟だ」
「ラーク、双子だろ?弟も何もない」
双子か、あんまり似てないな。なんというか系統が違う。
ラークは精悍な顔立ち、ルークは中性的で、どちらも色香がある…気がする。
…うん。私が人様の顔について語るなんて10000000000年早かったな。
百億って言え。
「ま、お互い頑張ろうぜ」
「はい…!」
中身はともかく、リンは7歳。そんなリンを候補者として見てくれた事に嬉しく思うリンであった。
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