自称『元』厨二病は完治したい 〜自称元厨二病?何で自称がついてくるの!?〜

弧葉萌

文字の大きさ
上 下
11 / 61
一番、厨二心をくすぐるものは転生です

11.もとの場所に戻して来なさい

しおりを挟む
サレンから古代文字を教えてもらったり、アンネが完璧なメイドになっていたことに驚いたりして半年か経とうとしていた。
事件が起きたのは、そんなある日のこと。
その日、リンはいつもより早く起きていた。
「お嬢様、おはようございます」
「…。アンネ、おはよう」
…やっぱ、アンネにお嬢様って呼ばわれるの慣れない…
リンがそんな事を考えていると
「リンー!」
というサレンの声が聞こえてきた。
只事では無い様子に思わず顔を見合わせる2人。
急いで、声のする方へ行くと…
「…ん?」
サレンと見知らぬ男の子がいた。
「リン、来たか!紹介しよう、この子は今日から家族になる、アルムじゃ」
「…んん!?」
「っ!?」
埴輪状態のリンとアンネ。
誰か説明プリーズ!
「実はの、大きい箱の中に捨てられていたのじゃ…」
「そ」
ういう説明じゃない!
てか、捨てられ方野良猫か!
「…発言、宜しいでしょうか」
「どうした、アンネ」
「…いくら可哀想だといってもその方にはその方の事情があるはずです。衝動的に引き取るのはお辞めになった方が良いかと…」
要は、もとの場所に戻して来なさい、という意味である。
……。
野良猫じゃねぇか!
「ううむ…」
なんでサレンさんは納得しかけてるのかな!?さすがに後味悪くないか!?
「…。お父様」
「なんじゃ?」
「ここまで連れて来たのなら、責任を持って引き取らないと、ねぇ?」
ニッコリと笑うリン。
「!う、うううむ、そ、そうじゃな!」
「それから、アンネ」
「なんでしょう」
「今のお父様の提案、そこまで拒否するものだった?」
これは、純粋な疑問。
アンネはサレンさんの決めた事に逆らった事はあまり無かった。それなのに何でだろう
「それは…」
「?」
「だって、アルム様が家族になられたらお食事も一緒ですよね!私と2人きりの時間がなくなってしまいます!」
「いや、わしもいるぞ」
「それに、血の繋がりの無い異性と一つ屋根の下など、アンネは耐えられません!!」
「それならわしも」
「サレン様、今はお静かに!」
「は、はい」
「…。」
アンネがここまで重症だとは思わなかった…ほんとにリン、何したんだよ…
アンネに恐怖を抱いたリンであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

前世の記憶さん。こんにちは。

満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。 周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。 主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。 恋愛は当分先に入れる予定です。 主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです! 小説になろう様にも掲載しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

我が家の会話を全て厨二病全開にしてみた結果

海林檎
恋愛
父親の一言で負けじと厨二病全開で会話してみた。 内容は本編で ジャンルが謎なので目がついたものにしてます

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

悪役令嬢に転生したので、剣を執って戦い抜く

秋鷺 照
ファンタジー
 断罪イベント(?)のあった夜、シャルロッテは前世の記憶を取り戻し、自分が乙女ゲームの悪役令嬢だと知った。  ゲームシナリオは絶賛進行中。自分の死まで残り約1か月。  シャルロッテは1つの結論を出す。それすなわち、「私が強くなれば良い」。  目指すのは、誰も死なないハッピーエンド。そのために、剣を執って戦い抜く。 ※なろうにも投稿しています

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。

みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...