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一番、厨二心をくすぐるものは転生です

8.主語は大事

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「私、リンの侍女になりたい!」
視界にはキラキラとした曇りなき眼。そんな目を向けられたリンは…
すみませんでしたぁぁ!あまりの居た堪れなさに脳内でスライディング土下座を決める。
「ふむ…まあそれでも良いな…アンネ、といったか。侍女になるまでの道は、険しいぞ。それでも…なるか…?」
「はい。もちろんです。」
「な」
にそれかっけー夢を追う少女とか漫画かよーお父様ずりーぞー
と、句読点の無い読者に多大な迷惑をかける思考をしている間に話が纏まっていた。
「では、この宿屋には話をつけておく。リン、この馬車に乗って行くぞ」
「分かりました」
…何処に?
アンネは分かっているみたいだし…やっべーな
リンが冷や汗を流しながら馬車に乗るとアンネが話しかけてきた。
「リン、楽しみだね。私、見たことないから…リンは?」
何が?何を?こんなに主語のない会話ある!?主語を!言えよ!
さも、自分が被害者であるような言い方だが、馬鹿な事を考えて聞き逃したのはリンなので自業自得である。
「う、うん。私もそう思う」
め、明言は避けるべし!
大体の会話は、「私もそう思う」、「確かに」、「そうだね」で乗り越えられる…はず…
「だよねー。あ、それよりもさ…」
話題が移り変わり、ほっとする。
その後は何事も無く、時間が過ぎていき…
「到着致しました」
目的地に、着いた。
着けば、こっちのもんだと思うリン。
「わあぁ!凄いね、リン!」
「そ、そう、だね」
ダラダラ
嫌な汗が頬を伝う。
2人の前には…
「やっぱり大きい!宿屋なんて比じゃないねぇ」
「たし、かに…」
ただただ大きい屋敷が、あった。
「…。」
何処だ、ここ。


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