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第2章 夜な夜な泣き彷徨う霊
第7話 彼が死んだとき
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千夏が早めの夕ご飯を食べに駅前のファミレスへ向かうと、いつのまにか傍から元気の気配が消えていた。やっぱり、なんだかんだ言いつつも職場に戻ったのだろう。他の場所へでかけたのかもしれない。
千夏は口では強気なことを言いつつも、内心では元気の存在を頼もしく感じていたようだ。彼がいなくなってはじめて、そのことに気づく。彼がいないことが、酷く心細かった。
幽霊なんかに、何を勝手に期待していたんだろう。これは自分の仕事であって、元気には関係ないことなのに。
これからあの幽霊アパートへ戻って、たった一人で幽霊と対峙して解決策を導き出さなければならないことを考えると、恐怖で胃に穴があきそうだった。それは時間経過とともにどんどん強くなってくる。
アパートへと帰る足取りが重かった。それでも、逃げ出すわけにはいかない。
小さな勇気を振り絞ってアパートへ戻ると、入り口のところに見慣れた長身のスーツ男子が立っているのが見えた。元気だ。
千夏の顔に自然と笑みが浮かぶ。彼の姿を見た途端、胸の中に温かな灯火がポッと灯ったかのようだった。一人じゃないことが、こんなにも有り難いだなんて。
よく考えると元気自身も幽霊なのだが、彼からは怖いとか不気味といったネガティブな印象は一切受けない。始終眉間にしわを寄せている晴高と比べると、元気の方がずっと人間らしく思えるから不思議だ。
「戻ってこなくても良かったのに」
強がってそんなことを言うと、
「こんなとこに一人で置いておくなんて、できないよ」
そう当然のような調子で返ってきた。千夏の顔が、思わず綻ぶ。本当は、戻ってきてくれてありがとうって言いたかったのに、なんでこういうときに限って言葉が上手く出てこないんだろう。
「それに、誰かと喋るなんて久しぶりだから、つい嬉しくてさ」
そういって、元気ははにかんだ。
それはそうだろうな、と千夏も思う。視える人はちょくちょくいるのだろうが、会話できる相手となると珍しいだろう。千夏自身も幽霊と会話するのなんて初めてだ。話しかけてくる相手がいままでいなかっただけなのか。それとも、晴高が言っていた、『たまたま波長があった』ということなのだろうか。
「話す時間なら、いっぱいあるわよ。それじゃあ、とりあえず部屋に入りましょうか」
日が沈んだことで、アパートの周りは暗闇に包まれていた。もちろん周囲の住宅の明かりや街灯、そしてアパートの共用廊下にも照明はしっかりついているのだ。それでも、そのアパートの周りだけ、モヤでもかかってんじゃないかと思うほどに薄暗く感じられた。
階段を上って202号室の前まで来ると、晴高から渡されたマスターキーでドアを開ける。
夕飯を食べに出る前に部屋中の照明をつけていったので、室内は煌々と明るい……はずなのだが、やっぱり薄暗く感じてしまう。
開いたドアの隙間から、冷えた空気がスーッと千夏の肌を掠めて通り過ぎて行く。
室内は、昼間以上にヒンヤリと冷たい空気で満たされていた。
千夏はコンビニの袋を手に持ったままリビングダイニングを通り、洋室へと向かう。カーテンがないため、窓ガラスには夜が写り込んでいた。
普段自宅にいるときは、暗くなるとすぐにカーテンを閉めるようにしている。暗い窓の外からこの世ならざるものが覗き込んでる気がしてしまい、気持ちが悪いからだ。
でも今日は、カーテンがないことに却って安心を覚えた。いくらこのアパートに人の気配が薄いとはいえ、住宅街の真っ只中に建っているのだ。窓から外を見ると街灯や道路を通る通行人、向かいの家の明かりなどが見渡せる。人の気配を感じられるのが、いまはとても心強かった。
千夏は洋室のクローゼットに寄りかかるようにして床に座る。
スマホで会社の個人メールアドレスを確認してみたところ、晴高から何通かに分けてメールが届いていた。添付ファイルは千夏がスマホで見ることを考慮してか、pdfではなく資料を写したと思しき画像が何枚かついている。
どれも田辺幸子と、その後引き起こされた怪異についての詳細な資料だった。メールには添付ファイルのみで、本文に「大丈夫か?」の一言もないあたり、やっぱり晴高は徹底的に冷たいやつだという認識を新たにした。
幽霊が出るのは夜中だろうから、それまでまだ時間がある。千夏は時間潰しも兼ねて、晴高から届いた資料を読み込んだ。
田辺幸子は、都内の会社に派遣社員として勤めていた。父は十数年前、母を二年前に無くし、兄弟姉妹はなし。本当に身寄りがなかったようだ。
いつのまにか、千夏の隣に元気も座り込んでスマホを覗き込んでくるので、彼にも見えるようにスマホの位置を調整する。
家庭裁判所の選任した相続財産管理人の連絡先も書いてあった。明日、連絡してみよう。
しばらく資料を読みふけっていたが、そのうち小さなスマホの画面を眺めるのも疲れてしまって、千夏は「ふぅ」と顔を上げた。
「出てくるのかなぁ」
そんな言葉が口をついて出る。
「毎日出てるらしいからね。今も、ほんのわずかだけど気配は感じてる」
そう元気が部屋の奥をちらちらと見ながら言った。
「…………やっぱり、いるんだ」
「うん。でも、いまはじっと潜《ひそ》んでいるという感じかな。たぶん、動きやすい時間になるまで待ってるんだろうね」
「こういうのって地縛霊、っていうのよね……?」
あまり詳しい霊の種類はわからないが、いつまでもじっと同じ場所に留まる霊のことをそう呼ぶ程度のことは知っていた。何かその場所に思い入れがあって、離れられないのだろうか。
「たぶんね。俺も、よく知らないけど」
「元気は、浮遊霊?」
「さぁ、どうだろうね。自分でもよくわからない」
「ああ、そっか。いまはフラフラしてるけど、普段はあのオフィスにいるんだっけ」
今朝、はじめて元気の姿を見たときのことを思い出してみる。元気は、生気のない顔をして空いているデスクに座って俯いていた。改めて思うが、生きている人と変わらないくらいコミュニケーションがとれる今の元気とは、まるで別人だ。
元気は、千夏の疑問に曖昧な苦笑を浮べた。
「俺だってずっとあそこにいたわけじゃないよ。他に、行くところがなかったから仕方なくあそこにいただけ」
「でも、あそこで亡くなった……ってわけでもないんでしょ?」
こくんと元気は頷く。
「俺、あそこの下の階にある銀行に勤めてたんだ」
「え? あ、そうなんだ。銀行マンかぁ」
スーツ姿が様《さま》になっているなと思っていたら、やっぱり普段からスーツを着るお仕事だったようだ。
「そう。不動産融資の担当だった。二階にデスクがあってさ。幽霊になってから行くとこなくって、元々自分のデスクがあったあたりをウロウロしてたんだ。そしたら、幽霊が出るって噂を気にした職員にお札を貼られちゃって……居づらくなったから、上の階に移動したんだ」
なんと、そんな事情があったとは。
「でも、なんで職場にいるの? 元の自宅とかは?」
「借りてたワンルームはいまは別の人が入ってる。……新しい住人が、恋人連れ込んでてさ。そんなところに居座るの嫌だろ?」
「あはは。確かに。他人がいちゃついてるのなんて、見たくないよね。それなら、まだ職場の方がましかぁ」
それは気持ち分かるなぁと笑う千夏に、うん、と元気は神妙な顔で頷いた。
そして、彼は闇に沈む窓の外に目を向けながら、ぽつりと言う。
「俺……彼女にプロポーズしようとして、家を出たところで交通事故にあって死んじゃったんだ」
「え……」
千夏は言葉につまる。元気は、窓の外を見ながらもその目はどこか遠くを見ているようだった。
千夏は口では強気なことを言いつつも、内心では元気の存在を頼もしく感じていたようだ。彼がいなくなってはじめて、そのことに気づく。彼がいないことが、酷く心細かった。
幽霊なんかに、何を勝手に期待していたんだろう。これは自分の仕事であって、元気には関係ないことなのに。
これからあの幽霊アパートへ戻って、たった一人で幽霊と対峙して解決策を導き出さなければならないことを考えると、恐怖で胃に穴があきそうだった。それは時間経過とともにどんどん強くなってくる。
アパートへと帰る足取りが重かった。それでも、逃げ出すわけにはいかない。
小さな勇気を振り絞ってアパートへ戻ると、入り口のところに見慣れた長身のスーツ男子が立っているのが見えた。元気だ。
千夏の顔に自然と笑みが浮かぶ。彼の姿を見た途端、胸の中に温かな灯火がポッと灯ったかのようだった。一人じゃないことが、こんなにも有り難いだなんて。
よく考えると元気自身も幽霊なのだが、彼からは怖いとか不気味といったネガティブな印象は一切受けない。始終眉間にしわを寄せている晴高と比べると、元気の方がずっと人間らしく思えるから不思議だ。
「戻ってこなくても良かったのに」
強がってそんなことを言うと、
「こんなとこに一人で置いておくなんて、できないよ」
そう当然のような調子で返ってきた。千夏の顔が、思わず綻ぶ。本当は、戻ってきてくれてありがとうって言いたかったのに、なんでこういうときに限って言葉が上手く出てこないんだろう。
「それに、誰かと喋るなんて久しぶりだから、つい嬉しくてさ」
そういって、元気ははにかんだ。
それはそうだろうな、と千夏も思う。視える人はちょくちょくいるのだろうが、会話できる相手となると珍しいだろう。千夏自身も幽霊と会話するのなんて初めてだ。話しかけてくる相手がいままでいなかっただけなのか。それとも、晴高が言っていた、『たまたま波長があった』ということなのだろうか。
「話す時間なら、いっぱいあるわよ。それじゃあ、とりあえず部屋に入りましょうか」
日が沈んだことで、アパートの周りは暗闇に包まれていた。もちろん周囲の住宅の明かりや街灯、そしてアパートの共用廊下にも照明はしっかりついているのだ。それでも、そのアパートの周りだけ、モヤでもかかってんじゃないかと思うほどに薄暗く感じられた。
階段を上って202号室の前まで来ると、晴高から渡されたマスターキーでドアを開ける。
夕飯を食べに出る前に部屋中の照明をつけていったので、室内は煌々と明るい……はずなのだが、やっぱり薄暗く感じてしまう。
開いたドアの隙間から、冷えた空気がスーッと千夏の肌を掠めて通り過ぎて行く。
室内は、昼間以上にヒンヤリと冷たい空気で満たされていた。
千夏はコンビニの袋を手に持ったままリビングダイニングを通り、洋室へと向かう。カーテンがないため、窓ガラスには夜が写り込んでいた。
普段自宅にいるときは、暗くなるとすぐにカーテンを閉めるようにしている。暗い窓の外からこの世ならざるものが覗き込んでる気がしてしまい、気持ちが悪いからだ。
でも今日は、カーテンがないことに却って安心を覚えた。いくらこのアパートに人の気配が薄いとはいえ、住宅街の真っ只中に建っているのだ。窓から外を見ると街灯や道路を通る通行人、向かいの家の明かりなどが見渡せる。人の気配を感じられるのが、いまはとても心強かった。
千夏は洋室のクローゼットに寄りかかるようにして床に座る。
スマホで会社の個人メールアドレスを確認してみたところ、晴高から何通かに分けてメールが届いていた。添付ファイルは千夏がスマホで見ることを考慮してか、pdfではなく資料を写したと思しき画像が何枚かついている。
どれも田辺幸子と、その後引き起こされた怪異についての詳細な資料だった。メールには添付ファイルのみで、本文に「大丈夫か?」の一言もないあたり、やっぱり晴高は徹底的に冷たいやつだという認識を新たにした。
幽霊が出るのは夜中だろうから、それまでまだ時間がある。千夏は時間潰しも兼ねて、晴高から届いた資料を読み込んだ。
田辺幸子は、都内の会社に派遣社員として勤めていた。父は十数年前、母を二年前に無くし、兄弟姉妹はなし。本当に身寄りがなかったようだ。
いつのまにか、千夏の隣に元気も座り込んでスマホを覗き込んでくるので、彼にも見えるようにスマホの位置を調整する。
家庭裁判所の選任した相続財産管理人の連絡先も書いてあった。明日、連絡してみよう。
しばらく資料を読みふけっていたが、そのうち小さなスマホの画面を眺めるのも疲れてしまって、千夏は「ふぅ」と顔を上げた。
「出てくるのかなぁ」
そんな言葉が口をついて出る。
「毎日出てるらしいからね。今も、ほんのわずかだけど気配は感じてる」
そう元気が部屋の奥をちらちらと見ながら言った。
「…………やっぱり、いるんだ」
「うん。でも、いまはじっと潜《ひそ》んでいるという感じかな。たぶん、動きやすい時間になるまで待ってるんだろうね」
「こういうのって地縛霊、っていうのよね……?」
あまり詳しい霊の種類はわからないが、いつまでもじっと同じ場所に留まる霊のことをそう呼ぶ程度のことは知っていた。何かその場所に思い入れがあって、離れられないのだろうか。
「たぶんね。俺も、よく知らないけど」
「元気は、浮遊霊?」
「さぁ、どうだろうね。自分でもよくわからない」
「ああ、そっか。いまはフラフラしてるけど、普段はあのオフィスにいるんだっけ」
今朝、はじめて元気の姿を見たときのことを思い出してみる。元気は、生気のない顔をして空いているデスクに座って俯いていた。改めて思うが、生きている人と変わらないくらいコミュニケーションがとれる今の元気とは、まるで別人だ。
元気は、千夏の疑問に曖昧な苦笑を浮べた。
「俺だってずっとあそこにいたわけじゃないよ。他に、行くところがなかったから仕方なくあそこにいただけ」
「でも、あそこで亡くなった……ってわけでもないんでしょ?」
こくんと元気は頷く。
「俺、あそこの下の階にある銀行に勤めてたんだ」
「え? あ、そうなんだ。銀行マンかぁ」
スーツ姿が様《さま》になっているなと思っていたら、やっぱり普段からスーツを着るお仕事だったようだ。
「そう。不動産融資の担当だった。二階にデスクがあってさ。幽霊になってから行くとこなくって、元々自分のデスクがあったあたりをウロウロしてたんだ。そしたら、幽霊が出るって噂を気にした職員にお札を貼られちゃって……居づらくなったから、上の階に移動したんだ」
なんと、そんな事情があったとは。
「でも、なんで職場にいるの? 元の自宅とかは?」
「借りてたワンルームはいまは別の人が入ってる。……新しい住人が、恋人連れ込んでてさ。そんなところに居座るの嫌だろ?」
「あはは。確かに。他人がいちゃついてるのなんて、見たくないよね。それなら、まだ職場の方がましかぁ」
それは気持ち分かるなぁと笑う千夏に、うん、と元気は神妙な顔で頷いた。
そして、彼は闇に沈む窓の外に目を向けながら、ぽつりと言う。
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