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第25章
彩芽、探す
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「あの、い、イラグニエフさん」
船がアフティラに着き、上陸すると彩芽は船内では居場所が分からなかったイラグニエフを船着き場で捕まえた。
イラグニエフはと言うと、大荷物を持ってよろよろと船を降りた矢先に、何故か自分の名前を知る女に呼び止められ、振り向いた事を後悔していた。
帯刀した巨人と目が合ったからだ。
「ぐっ、な、な、なんですか……」
「よかった、見つかって。大事な話があるんです」
「大事な話? 君は誰? なんで僕の名前を?」
「その事についてです」
詐欺にでも警戒する様な顔で彩芽の話を聞くイラグニエフ。
彩芽が、自分が経験したタイムリープの事を聞くと、彼は呆れ切った顔で、小馬鹿にする様に鼻で笑った。
「信じ、られません……よね?」
「うん。信じられないね。今夜、僕が死ぬ? 時間が戻る? そんなのある訳ないだろ。まったくこれだから……残念だったね」
「おい」
ストラディゴスがイラついて声をあげるが、彩芽が止める。
こんな話を、初対面の相手に言われて信じられる方が、おかしい。
イラグニエフの反応は、まともな物だ。
「えっと、残念って?」
「君達、何が目的か知らないけどさ、時間を戻す魔法なんて、君にはかかってないよ」
「え?」
「第一、時間を戻すなんて、どれだけ大変な魔法だか……僕には想像もつかない。良いかい? 不可逆の物を逆流させる事は、それだけで複雑で大変な事なんだよ。偶然に起こる事なんて、無いと言って良い。それが、君の身に、何だかわからないけど起きている? あり得ないね」
「う~ん、じゃあ、イラグニエフさんは、どうすれば信じてくれますか?」
「うん?」
「名前を知ってても、尊敬する教授とか、専攻を当てても信じられないなら、何を知ってたら信じてくれます?」
「……そ、それは、そうだな。証拠だよ」
「証拠……」
「君が今日を知ってるなら、僕が死ぬ以外に何が起きるか当ててみせてよ」
「ええ、良いですよ」
* * *
「……僕、本当に死ぬの? 苦しそうだった?」
「ええぇ……う~ん、多分、そうだけど、そんな落ち込まないで! もっとちゃんと、みんなで助かる為に一緒に考えてよ、もう! 私も分からない事だらけなんだから!」
イラグニエフは、彩芽の言う通りにランダムな魚料理が三皿出て来るのを見た段階では、酒場ともグルだろうと思っていた。
しかし、海が時化ると船が出せなくなると、聞いてはいたが実際に乗客と船長が問答を繰り返しているのを見て、不安になり、天気が傾き始めると顔色が曇って信じ始めていた。
信じ切ってはいないが、不安の方が勝り、害がないなら今日だけは従ってやろうと、微妙な距離感ながらも協力の姿勢には傾いていた。
「肌に斑点が浮かぶ病気なんて、詳しくは知らないし、時間が戻る魔法も見当もつかないよ」
イラグニエフは、不安で自分の腕を、ゆったりとした服の袖をまくって見てから、鳥肌になった肌が痒い気がするのか掻きむしった。
「俺も分からん」
不安が移ったのか、ストラディゴスも手を掻く。
「私も、すみません」
ルカラまで、急に肌をポリポリと掻き出した。
「ちょっとみんな本当に痒いの!? やめてよ紛らわしいから! バトラ夫人に聞いた時は、斑熱がどうとかって言ってたけど、どんな病気か誰か知ってる? そうだ、町長さんの家にいる筈だから……あ、もしかしたら船医さんもいるかも、天気が酷くなる前に尋ねた方が良いよね……」
そう言いつつ、彩芽も見ていて痒くなり、手を掻いてしまう。
「はぁ……僕が助かるなら何でもいいよ、ああ、くそ、なんでこんな……」
「マリアベールの魔法でダメってのも、弱ったな」
「アヤメさん、その、気になったんですけど、マンドレイクを薬にして、さっさとみんなに飲ませてたらイケない……ですかね?」
「…………ルカラ」
「や、やっぱり、こんな時でも人の物を盗むのは、いけませんよね……忘れて下さい」
「いや、良い考えだろ」
「そうだよ、非常事態なんだから」
「うん、ルカラ、良いアイディア。なんでそんな事も思いつかなかったんだろ。何も、盗まなくたって良い訳だし、今のうちに船に戻ろう」
* * *
小雨の中、まだ桟橋から船に行く事が出来た。
甲板の上では、これから来る時化に向けて船員達が忙しそうに備えている。
行って見ると、貨物倉庫には誰も見張りがおらず、猫のリーンが人懐こく出迎えてくれる。
彩芽はリーンに手を振ると、一行を引き連れて倉庫の中へと足を踏み入れた。
「え~と、確かこの辺に……」
外観からは木材や大きさの差ぐらいしか分からない木箱の中で、一際大きな箱を彩芽は指さした。
「多分、これ」
「よっしゃ、誰か来ないか見張っててくれ」
「わかりました」「わ、わかった」
ルカラとイラグニエフが出入口の方へ行き、外を気にする中、ストラディゴスが大きな木箱の蓋を開け、中を見てみた。
「アヤメ、こいつか?」
「あれ!?」
ストラディゴスが中身を取り出して見せると、そこには大量の根菜が入っていた。
中には根の先が股の様に割れて足に見える物もあるが、どう見てもただの人参である。
「ごめん、戻して。ええぇ、じゃあ、どれだろ……確かあの時は、死んでるリーンを見つけて、木箱が壊れてるのに気付いて……」
彩芽は転倒した時と視界を同じにしようと、床に寝そべってみる。
「あ、アヤメ?」
「今思い出してるから、待って……これ、ちょっと開けてみて」
彩芽が床に寝そべりながら指さした木箱を開けると、そこには大きなガラス製の容器が梱包されている。
ストラディゴスが木屑の梱包材を払いのけ、中を見ると、そこには液体が満たされていた。
「アヤメ、たぶんこいつだ」
彩芽が起き上がり、木箱の中を覗くと、そこには見覚えがあった。
「本当に出して良いんだよな?」
「うん、出して」
「薬の作り方は分かるのか?」
「覚えてるよ。難しくなかったから大丈夫」
「……なあ、このガラスごとここで出すのはアレだ、中身だけで良いか?」
「うん」
ストラディゴスがガラス容器を開封しようと固く封印された蓋を開けようと、ガラスに手を触れたその瞬間であった。
「うわぁっ!???」「っひぃっ!???」
彩芽とストラディゴスは思わず悲鳴を上げてしまい、驚いたルカラが見張りをイラグニエフに任せて様子を見に来た。
「何があったんですか!?」
「目が……」
ストラディゴスが気持ち悪そうにルカラに零す。
「い、生きてる……」
彩芽が昨日の今日に見た時は、マンドレイクは確かに巨大な人型植物の根に過ぎなかった。
だが、今日は違った。
容器の中に満たされた液体の中で、昨日よりも、動いている分だけ元気そうに、生きていたのだ。
「アヤメさん、これを薬にするんですか?」
「昨日は死んでたの! って言うか植物なのに動くの!?」
「そりゃ、マンドレイクは動くだろ!」
「ああもう知らないよ、そんなの!」
「……たすけて」
「はぇ?」
彩芽は、水の底から聞こえた声に、間の抜けた声を漏らす。
「アヤメ、どうした? コイツを薬にしちまうんだろ?」
「待って、今、このマンドレイク、喋らなかった?」
「鳴き声は俺も聞こえたけど、マンドレイクの言葉が?」
ルカラはストラディゴスの顔を見ながら、自分は分からないと首を横に振る。
彩芽とストラディゴスとルカラがガラス容器の中のマンドレイクの顔を覗き込んでみた。
「……ここから……出して……」
「ほらほらほら、けっこうはっきり目に出してとか言った!」
「待て! 落ち着けアヤメ! 俺にはマンドレイクの言葉は分からん」
「アヤメさん、私もゴボゴボとしか……」
「あっ!? もしかして……」
彩芽は舌を出す。
「こえのへい(これのせい)?」
「でしょうね」
「だろうな。でもよ、どうする?」
「……とりあえず、出してあげよう」
「お前達! そこで何をしてる!」
振り向くと、そこには何人もの船員の姿があった。
出入り口を完全に塞がれている。
「え、ちょっ、まっ、ルカラ見張りは!?」
「イラグニエフに任せて……すみません……」
「あの野郎、一人逃げやがったのか!?」
船がアフティラに着き、上陸すると彩芽は船内では居場所が分からなかったイラグニエフを船着き場で捕まえた。
イラグニエフはと言うと、大荷物を持ってよろよろと船を降りた矢先に、何故か自分の名前を知る女に呼び止められ、振り向いた事を後悔していた。
帯刀した巨人と目が合ったからだ。
「ぐっ、な、な、なんですか……」
「よかった、見つかって。大事な話があるんです」
「大事な話? 君は誰? なんで僕の名前を?」
「その事についてです」
詐欺にでも警戒する様な顔で彩芽の話を聞くイラグニエフ。
彩芽が、自分が経験したタイムリープの事を聞くと、彼は呆れ切った顔で、小馬鹿にする様に鼻で笑った。
「信じ、られません……よね?」
「うん。信じられないね。今夜、僕が死ぬ? 時間が戻る? そんなのある訳ないだろ。まったくこれだから……残念だったね」
「おい」
ストラディゴスがイラついて声をあげるが、彩芽が止める。
こんな話を、初対面の相手に言われて信じられる方が、おかしい。
イラグニエフの反応は、まともな物だ。
「えっと、残念って?」
「君達、何が目的か知らないけどさ、時間を戻す魔法なんて、君にはかかってないよ」
「え?」
「第一、時間を戻すなんて、どれだけ大変な魔法だか……僕には想像もつかない。良いかい? 不可逆の物を逆流させる事は、それだけで複雑で大変な事なんだよ。偶然に起こる事なんて、無いと言って良い。それが、君の身に、何だかわからないけど起きている? あり得ないね」
「う~ん、じゃあ、イラグニエフさんは、どうすれば信じてくれますか?」
「うん?」
「名前を知ってても、尊敬する教授とか、専攻を当てても信じられないなら、何を知ってたら信じてくれます?」
「……そ、それは、そうだな。証拠だよ」
「証拠……」
「君が今日を知ってるなら、僕が死ぬ以外に何が起きるか当ててみせてよ」
「ええ、良いですよ」
* * *
「……僕、本当に死ぬの? 苦しそうだった?」
「ええぇ……う~ん、多分、そうだけど、そんな落ち込まないで! もっとちゃんと、みんなで助かる為に一緒に考えてよ、もう! 私も分からない事だらけなんだから!」
イラグニエフは、彩芽の言う通りにランダムな魚料理が三皿出て来るのを見た段階では、酒場ともグルだろうと思っていた。
しかし、海が時化ると船が出せなくなると、聞いてはいたが実際に乗客と船長が問答を繰り返しているのを見て、不安になり、天気が傾き始めると顔色が曇って信じ始めていた。
信じ切ってはいないが、不安の方が勝り、害がないなら今日だけは従ってやろうと、微妙な距離感ながらも協力の姿勢には傾いていた。
「肌に斑点が浮かぶ病気なんて、詳しくは知らないし、時間が戻る魔法も見当もつかないよ」
イラグニエフは、不安で自分の腕を、ゆったりとした服の袖をまくって見てから、鳥肌になった肌が痒い気がするのか掻きむしった。
「俺も分からん」
不安が移ったのか、ストラディゴスも手を掻く。
「私も、すみません」
ルカラまで、急に肌をポリポリと掻き出した。
「ちょっとみんな本当に痒いの!? やめてよ紛らわしいから! バトラ夫人に聞いた時は、斑熱がどうとかって言ってたけど、どんな病気か誰か知ってる? そうだ、町長さんの家にいる筈だから……あ、もしかしたら船医さんもいるかも、天気が酷くなる前に尋ねた方が良いよね……」
そう言いつつ、彩芽も見ていて痒くなり、手を掻いてしまう。
「はぁ……僕が助かるなら何でもいいよ、ああ、くそ、なんでこんな……」
「マリアベールの魔法でダメってのも、弱ったな」
「アヤメさん、その、気になったんですけど、マンドレイクを薬にして、さっさとみんなに飲ませてたらイケない……ですかね?」
「…………ルカラ」
「や、やっぱり、こんな時でも人の物を盗むのは、いけませんよね……忘れて下さい」
「いや、良い考えだろ」
「そうだよ、非常事態なんだから」
「うん、ルカラ、良いアイディア。なんでそんな事も思いつかなかったんだろ。何も、盗まなくたって良い訳だし、今のうちに船に戻ろう」
* * *
小雨の中、まだ桟橋から船に行く事が出来た。
甲板の上では、これから来る時化に向けて船員達が忙しそうに備えている。
行って見ると、貨物倉庫には誰も見張りがおらず、猫のリーンが人懐こく出迎えてくれる。
彩芽はリーンに手を振ると、一行を引き連れて倉庫の中へと足を踏み入れた。
「え~と、確かこの辺に……」
外観からは木材や大きさの差ぐらいしか分からない木箱の中で、一際大きな箱を彩芽は指さした。
「多分、これ」
「よっしゃ、誰か来ないか見張っててくれ」
「わかりました」「わ、わかった」
ルカラとイラグニエフが出入口の方へ行き、外を気にする中、ストラディゴスが大きな木箱の蓋を開け、中を見てみた。
「アヤメ、こいつか?」
「あれ!?」
ストラディゴスが中身を取り出して見せると、そこには大量の根菜が入っていた。
中には根の先が股の様に割れて足に見える物もあるが、どう見てもただの人参である。
「ごめん、戻して。ええぇ、じゃあ、どれだろ……確かあの時は、死んでるリーンを見つけて、木箱が壊れてるのに気付いて……」
彩芽は転倒した時と視界を同じにしようと、床に寝そべってみる。
「あ、アヤメ?」
「今思い出してるから、待って……これ、ちょっと開けてみて」
彩芽が床に寝そべりながら指さした木箱を開けると、そこには大きなガラス製の容器が梱包されている。
ストラディゴスが木屑の梱包材を払いのけ、中を見ると、そこには液体が満たされていた。
「アヤメ、たぶんこいつだ」
彩芽が起き上がり、木箱の中を覗くと、そこには見覚えがあった。
「本当に出して良いんだよな?」
「うん、出して」
「薬の作り方は分かるのか?」
「覚えてるよ。難しくなかったから大丈夫」
「……なあ、このガラスごとここで出すのはアレだ、中身だけで良いか?」
「うん」
ストラディゴスがガラス容器を開封しようと固く封印された蓋を開けようと、ガラスに手を触れたその瞬間であった。
「うわぁっ!???」「っひぃっ!???」
彩芽とストラディゴスは思わず悲鳴を上げてしまい、驚いたルカラが見張りをイラグニエフに任せて様子を見に来た。
「何があったんですか!?」
「目が……」
ストラディゴスが気持ち悪そうにルカラに零す。
「い、生きてる……」
彩芽が昨日の今日に見た時は、マンドレイクは確かに巨大な人型植物の根に過ぎなかった。
だが、今日は違った。
容器の中に満たされた液体の中で、昨日よりも、動いている分だけ元気そうに、生きていたのだ。
「アヤメさん、これを薬にするんですか?」
「昨日は死んでたの! って言うか植物なのに動くの!?」
「そりゃ、マンドレイクは動くだろ!」
「ああもう知らないよ、そんなの!」
「……たすけて」
「はぇ?」
彩芽は、水の底から聞こえた声に、間の抜けた声を漏らす。
「アヤメ、どうした? コイツを薬にしちまうんだろ?」
「待って、今、このマンドレイク、喋らなかった?」
「鳴き声は俺も聞こえたけど、マンドレイクの言葉が?」
ルカラはストラディゴスの顔を見ながら、自分は分からないと首を横に振る。
彩芽とストラディゴスとルカラがガラス容器の中のマンドレイクの顔を覗き込んでみた。
「……ここから……出して……」
「ほらほらほら、けっこうはっきり目に出してとか言った!」
「待て! 落ち着けアヤメ! 俺にはマンドレイクの言葉は分からん」
「アヤメさん、私もゴボゴボとしか……」
「あっ!? もしかして……」
彩芽は舌を出す。
「こえのへい(これのせい)?」
「でしょうね」
「だろうな。でもよ、どうする?」
「……とりあえず、出してあげよう」
「お前達! そこで何をしてる!」
振り向くと、そこには何人もの船員の姿があった。
出入り口を完全に塞がれている。
「え、ちょっ、まっ、ルカラ見張りは!?」
「イラグニエフに任せて……すみません……」
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