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第8章
ストラディゴス、語る2
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ルイシーの頼みとは言え、フィリシスのせいで自分を慕う女達が、夜は距離を置いてくる。
その状況に我慢の限界に達したストラディゴスは、ある日の夜、フィリシスのいる所へ向かった。
フィリシスの所に行ったストラディゴスは、そこでフィリシスには手も触れず、その目の前でルイシーの事を愛し始めたのだった。
これがフィリシスの望みなのだろうと、ルイシーの事を一途に愛しつつ、他の女とは関係を持っていないとフィリシスに証明したのだ。
人として、あまりにも最低過ぎる反撃だった。
その日から、フィリシスの愛するルイシーが、愛する男に愛される姿を見る事がフィリシスの日課となっていく。
乱れ喜ばされるルイシーを前にして、フィリシスの中にあったモラルにヒビが入って行く。
いつしかフィリシスは、愛するルイシーをストラディゴスの様に愛したいと思っていった。
そして、ストラディゴスの様にルイシーにも愛されたいと思うと、その感情に歯止めが利かなくなっていく。
ルイシーをストラディゴスに一途に愛させると宣言した手前、フィリシスは葛藤に苦しむ。
しかし、これこそがストラディゴスの狙いであった。
* * *
「ストラディゴスさん」
「……なんだ」
「浮気が始まる前なんですけど、若干、と言うかかなり」
「言わなくても分かる。すまん」
ストラディゴスは、真っ赤になり、何ともいえない表情。
それでも、いっその事死にたいと思いながらも話を続ける。
好きな相手に、昔の彼女の話(しかも下品かつ酷いエピソード)をしろと言うフィリシスの要求のえぐさを痛感する。
大勢の前で事情聴取された時とは比べ物にならない精神への破壊力。
この話の後に、告白の答えを聞くと言う事を思い出し、滝つぼにちょっと吐く。
「ちょっと本当に大丈夫!? 続きは後にしない?」
「はぁはぁ、大丈夫だから、ほんと……」
* * *
ストラディゴスは、涙目になりながらも、当時の事をありのまま話す。
ルイシーを、自分の様に愛しても良いとストラディゴスはフィリシスを誘惑した。
ルイシーはそれがストラディゴスの望みならと、フィリシスを受け入れてしまったと言う。
たった一度でも誘惑に負けると、後は、なし崩し的に、一途さを巨人に教えて欲しいと言ったルイシーと関係を持ってしまった。
しばらくルイシーをストラディゴスと共に愛する日々が続くと、ルイシーにストラディゴスの様に愛されたいと思う様になっていく。
そしてフィリシスは、ルイシーに誘われるまま、ルイシーの一部としてストラディゴスをも受け入れてしまったのだった。
それから、ルイシーとストラディゴスとフィリシスの、三人だけの関係が始まった。
ところが、竜は元来独占欲が強い生き物である。
ストラディゴスは、フィリシスに自分の正しさを身をもって経験させ、示した事で、今まで通りハーレムを楽しめると思っていた。
そう本気で考えての、これまでの行動だったのだ。
だが、フィリシスは、二人の事を同時に一途に愛し始め、四六時中ストラディゴスの事を愛ゆえに束縛し始めた。
これでは、ストラディゴスは、前の様に他の女に手を出せない。
一度好きになった相手へのフィリシスからの愛は、重かった。
ストラディゴスは、重さに耐えられず理由をつけては会わない時間を作る事にする。
フィリシスの事を本気で好きなのは好きだが、ずっと一緒にいるにはあまりにも重いと感じたのだ。
ここまで、ストラディゴスの自業自得である。
ここからも、自業自得である。
フィリシスが、ミイラ取りがミイラ状態になると、傭兵団の中に潜在するハーレムでは仲間が増えたと最初は歓迎された。
だが、フィリシスのストラディコスへの独占的な態度は大いに反発を生んでしまう。
ストラディゴスは、この反発をチャンスと捉え、作った時間を使って息抜きに他の女に手を出し始める。
ある意味で、フィリシスを覚醒させてしまったストラディゴスは、好きなのもあり自分からフィリシスとの関係を清算する事も出来ず、と言って自分の欲望を制御する事も出来ない。
そこで、手軽に付き合えそうな相手を探そうと思ったのだ。
* * *
「予想を超えて最低ですね」
「自分でも分かってる」
その状況に我慢の限界に達したストラディゴスは、ある日の夜、フィリシスのいる所へ向かった。
フィリシスの所に行ったストラディゴスは、そこでフィリシスには手も触れず、その目の前でルイシーの事を愛し始めたのだった。
これがフィリシスの望みなのだろうと、ルイシーの事を一途に愛しつつ、他の女とは関係を持っていないとフィリシスに証明したのだ。
人として、あまりにも最低過ぎる反撃だった。
その日から、フィリシスの愛するルイシーが、愛する男に愛される姿を見る事がフィリシスの日課となっていく。
乱れ喜ばされるルイシーを前にして、フィリシスの中にあったモラルにヒビが入って行く。
いつしかフィリシスは、愛するルイシーをストラディゴスの様に愛したいと思っていった。
そして、ストラディゴスの様にルイシーにも愛されたいと思うと、その感情に歯止めが利かなくなっていく。
ルイシーをストラディゴスに一途に愛させると宣言した手前、フィリシスは葛藤に苦しむ。
しかし、これこそがストラディゴスの狙いであった。
* * *
「ストラディゴスさん」
「……なんだ」
「浮気が始まる前なんですけど、若干、と言うかかなり」
「言わなくても分かる。すまん」
ストラディゴスは、真っ赤になり、何ともいえない表情。
それでも、いっその事死にたいと思いながらも話を続ける。
好きな相手に、昔の彼女の話(しかも下品かつ酷いエピソード)をしろと言うフィリシスの要求のえぐさを痛感する。
大勢の前で事情聴取された時とは比べ物にならない精神への破壊力。
この話の後に、告白の答えを聞くと言う事を思い出し、滝つぼにちょっと吐く。
「ちょっと本当に大丈夫!? 続きは後にしない?」
「はぁはぁ、大丈夫だから、ほんと……」
* * *
ストラディゴスは、涙目になりながらも、当時の事をありのまま話す。
ルイシーを、自分の様に愛しても良いとストラディゴスはフィリシスを誘惑した。
ルイシーはそれがストラディゴスの望みならと、フィリシスを受け入れてしまったと言う。
たった一度でも誘惑に負けると、後は、なし崩し的に、一途さを巨人に教えて欲しいと言ったルイシーと関係を持ってしまった。
しばらくルイシーをストラディゴスと共に愛する日々が続くと、ルイシーにストラディゴスの様に愛されたいと思う様になっていく。
そしてフィリシスは、ルイシーに誘われるまま、ルイシーの一部としてストラディゴスをも受け入れてしまったのだった。
それから、ルイシーとストラディゴスとフィリシスの、三人だけの関係が始まった。
ところが、竜は元来独占欲が強い生き物である。
ストラディゴスは、フィリシスに自分の正しさを身をもって経験させ、示した事で、今まで通りハーレムを楽しめると思っていた。
そう本気で考えての、これまでの行動だったのだ。
だが、フィリシスは、二人の事を同時に一途に愛し始め、四六時中ストラディゴスの事を愛ゆえに束縛し始めた。
これでは、ストラディゴスは、前の様に他の女に手を出せない。
一度好きになった相手へのフィリシスからの愛は、重かった。
ストラディゴスは、重さに耐えられず理由をつけては会わない時間を作る事にする。
フィリシスの事を本気で好きなのは好きだが、ずっと一緒にいるにはあまりにも重いと感じたのだ。
ここまで、ストラディゴスの自業自得である。
ここからも、自業自得である。
フィリシスが、ミイラ取りがミイラ状態になると、傭兵団の中に潜在するハーレムでは仲間が増えたと最初は歓迎された。
だが、フィリシスのストラディコスへの独占的な態度は大いに反発を生んでしまう。
ストラディゴスは、この反発をチャンスと捉え、作った時間を使って息抜きに他の女に手を出し始める。
ある意味で、フィリシスを覚醒させてしまったストラディゴスは、好きなのもあり自分からフィリシスとの関係を清算する事も出来ず、と言って自分の欲望を制御する事も出来ない。
そこで、手軽に付き合えそうな相手を探そうと思ったのだ。
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「予想を超えて最低ですね」
「自分でも分かってる」
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