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第4章
第4章:ルイシーとストラディゴス4(別視点:回想)
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彼は、私が処女を散らしたのは、その時だと言います。
自分が初めての男だと。
私は、そんな彼に救われました。
セックスの作法も何も知らない二人です。
唇が触れるだけのキスをして、次は?
前祇なんて、何も知りません。
きっと、本当なら経験のある友人から聞いたりして、備えるのでしょうね。
聞く相手のいない二人では、どうする事も出来ません。
最初は、まさに手探りでした。
私は、彼のあの時よりも成長した上に、今は硬くなったペニスを受け入れようと必死でした。
ですが、全然濡れていない上に、なくなった筈の処女膜が回復していて、まるで入って行きません。
唾で濡らすなんて発想がすぐに出て来るほどの経験も無い二人です。
記憶にある潤滑剤は、お互いの愛液。
口でするなんて発想も無いですから、準備が出来るまで最初は自分で濡らそうと、それぞれ自分で触ったんです。
二人共幸い、自慰は知っていましたから。
今にして思えば、おかしな絵だったでしょうね。
お互いのオナニーを見せ合って、それで気分を高めて、エッチな気分になると、ストラディゴスの亀頭の先端からおしっこじゃない透明な汁が次々と溢れてきます。
彼は、それをペニスに伸ばして塗ると、滑りをよくしようとしました。
私は、それを見ながら自分のあそこを彼の匂いを嗅ぎながら手で擦ります。
まだどこが気持ちいいのかも分かっていないので、中々上手に濡れません。
でも、段々と慣れて来ると、私のあそこもちゃんと愛液で、彼を受け入れる準備が出来ました。
体位は、正常位でした。
顔を見たいとかだったらロマンティックで良かったんですけど、二人共それしか知らなかったんです。
こうして私は、人生で二度目の、彼による愛のある処女喪失を経験しました。
あの時は痛いだけだった行為が、あの時よりも大きなものを受け入れているのに、平気なんです。
もちろん、痛いですよ。
かなり痛いし、血も出ました。
でも、痛いよりも、愛おしい方が勝るんです。
挿入しても動かない彼は、先端だけで一杯な私の中の感触に感動している様でした。
私からも言わせてもらえれば、彼もこの時に初めてを失ったんです。
私達は同じ相手で、二度目の初めて同士でした。
それから、彼が痛いのを我慢する私を気遣いながら優しく動こうとすると、驚くほど速く、その、彼は私の中に射精したんです。
あの時は、あれほど時間がかかったのにです。
私は、結局気持ち良くなれませんでした。
だからと言って、二度としないとは思いませんでした。
ストラディゴスをこんなに近くに感じる事は、これ以外では出来ないじゃないですか。
初体験の直後は、股にいつまでも何かが入っている様な違和感が残りました。
恥ずかしい話ですけど、次の日の昼間は、蟹股でしか歩けなくて、テントから一歩も出ませんでした。
でも、彼が私を見舞ってくれて、それがまた嬉しかったのを覚えています。
それからは、ずっと夜を待ちました。
来る日も来る日も、私は彼を求め、彼はそれに応えてくれました。
ずっと前祇は無く、オナニーを見せ合ってからの正常位。
回数も多くても三回で淡泊な物です。
でも、それで十分でした。
私は彼を慰め、彼は私を慰める。
愛はありましたけど、この頃のセックスは、愛を確かめると言うよりは傷のなめ合いでしたから。
* * *
ストラディゴスが傭兵団の中でいよいよ頭角を現し始めた頃、背も伸びきらず、毛も生え揃っていない私でしたが、ストラディゴスの事実上の妻となっていました。
傭兵団の中に結婚なんてありません。
恋人と妻の違いなんて、本当に曖昧です。
あるとすれば、子供の存在ぐらいでしょう。
その時、1●歳だった私は、ストラディゴスの子を妊娠していました。
子供が出来ると、意識が変わる物です。
私は幼さが残るなりに、母になる準備をし、ストラディゴスも父親になる準備をしていました。
私も、すっかり傭兵団に慣れ、外面も覚え始めた頃です。
フォルサには、ちゃんと挨拶もしますし、もうペット扱いはされていませんでした。
ストラディゴスの為に、一人前に化粧を覚えようとしたり、料理をしたり、縫物をしたり。
傭兵団の中での仕事も増え、確かな居場所に手ごたえを感じていました。
私はストラディゴスに自分の未来の全てを、当時は預けていました。
愛を注げば、ストラディゴスは応えてくれます。
それこそすべてを、ストラディゴスに注いでいたと思います。
昼でも夜でも、彼が求めるならどんな事でもやりました。
彼は、仲間に聞いて勉強したんだと思います。
私の小さな胸を揉んで大きくしようとしたり、妊娠中はお尻でしたり、口でしてあげたのもこの頃が最初です。
お腹の子を傷つけないように、どうにかセックスをしようと彼なりに考えていたんだと思います。
お腹が大きくなるにつれて、ストラディゴスは一緒に大きくなる私のおっぱいに夢中になりました。
赤ちゃんのミルクを、まるで赤ちゃんみたいに飲むんです。
私にとっては、そんな彼も愛おしかったんです。
赤ちゃんの分は残して欲しかったですけど。
* * *
事件は、いつも突然起こる物です。
フォルサと、あの時、私を輪姦した傭兵達、他にもフォルサを支持する手下の傭兵。
その中にはストラディゴスの親友のシリアンまでいました。
彼らは突然、何の前触れも無くストラディゴスのテントにやって来たんです。
ストラディゴスは、任務で留守でした。
彼らの狙いは、身重の私でした。
酒に酔った彼らは、悪魔の顔をしていました。
きっと、私の知らない所で、この蛮行は繰り返されていたのでしょう。
他の傭兵達は、自分の恋人や妻が、仲間の慰みものになるのを、我慢していたんです。
これがフォルサ傭兵団のルールの一つでした。
団長がそう言ったら、誰も逆らえません。
それがストラディゴスの物でも、団長が皆の物だと言えば、すぐにでも皆の物になる、そう言った組織だったのです。
ですが、あんな人数にまわされればお腹の子も無事ではすみません。
フォルサ達は、抵抗する私にこう言ったんです。
「また種を仕込めばいいだろう。なんなら全員で仕込んでやる」
私は抵抗も空しく、服を脱がされました。
幼さの残る私の身体の、大きくなり始めた腹を見て、彼らは興奮していました。
私は、お腹の子を守る為に、素直に言う事を聞く事にいました。
抵抗して暴力を振るわれるよりは、マシだと思ったんです。
彼らは、私が四つん這いになると、こんな事を口々に言い始めます。
「こんなガキがストラディゴスのデカマラを咥えこんでるんだろ。どうやってるのか見たいぜ」
「腕ぐらい入るんじゃないか?」
「シリアンのなら丁度良いんじゃねぇか?」
「いきなりシリアンにやらせたら、穴が緩くなるだろ、最後にしろ」
彼らが言い争っている隙をついて、私は裸のままテントの外へと逃げ出しました。
あんなに、ずっと逃げるのが怖かったのに。
子供が出来るって、特別なんだなと思いました。
子供の為なら、怖いなんて言ってられないんです。
私は、お母さんが最後まで私を庇って死んだ事を思い出しました。
お母さんと同じ気持ちなんです。
お母さんの存在を、近くに感じました。
すると、抑え込んでいたあの時の気持ちまで蘇りました。
殺意です。
本当は、忘れた事なんてありません。
ただ、恐怖の方が大きかっただけ。
でも、今は恐怖よりも子供の方が大事で、子供を守るためなら何でもできると思いました。
私は走って、野営地を抜けて、簡易訓練場へと裸のまま走ったんです。
当てがあった訳じゃありません。
ストラディゴスの向かった方向に走っただけです。
悪魔達は全員で、私を追いかけてきました。
奇跡って、あるんだなって思ったのを覚えています。
異変に気付いたエピティリアが、ストラディゴスの最初の仲間の、三人の巨人に助けを求めてくれたんです。
ストラディゴスを慕っていた彼らは、ルスト、アルドル、エレオースと言う名でした。
エピティリアと同じく、今でも良い友人です。
私は、その時までまともに交流した事も無かったんですけど、その四人の巨人が助けに来てくれたんです。
武器を持っていないなら、フォルサ達が何人いても巨人に勝てる道理はありません。
シリアン一人で四人は相手に出来ないですから。
四人の巨人達が、フォルサを含め、逃げた奴を抜いた殆どの悪魔を捕まえると、私の前に縛り上げてくれました。
私は、足の裏を石で怪我した程度で、赤ちゃんも無事でした。
少しすると、ストラディゴスが仲間と共に斥候の任務から帰ってきました。
ストラディゴスはアルドルの上着を着せられた私を見ると、何があったのか訳が分からない様子でしたが、エピティリアがいつもの輪姦を私にしようとしていたとストラディゴスに伝えると、ストラディゴスは迷う事無く腰の剣を抜きました。
「何をされた」
私は、されそうでしたが、まだされてはいませんでした。
それでも、目の前に縛られた家族の仇がいて、夫が剣を持っている状況で、悪魔以外に状況を知る者がいないなら、どうしますか?
アルドルの上着の中で、誰にも気づかれないように、自分の股の粘膜が弱っている古傷を、爪で傷つけました。
それから、上着をストラディゴスの前で脱いだんです。
私の股から血が流れているのを見ると、ストラディゴスは質問を変えました。
「誰にやられた」
私は、四人の巨人に捉えられた全員を見ました。
選んでいたんです。
私を、私のお母さんを輪姦して、殺した奴を。
「おい待て! 何もしてねぇ! 先祖に誓ってもいい! ルイシー嘘をつくんじゃっ!?」
そう叫んだ傭兵の首が、真っ先に飛びました。
ストラディゴスの剣が、黙らせたんです。
死んだ彼は、私をまわした一人でした。
「ストラディゴス! 俺達が悪かった! 冗談のつもりだったんだ! 妊婦を襲うなんてする訳無いだろ!」
フォルサが言いました。
私は、お母さんを殺しておいて白々しいと思いました。
ですが、ストラディゴスは、フォルサを縛っていた縄を剣で切ると、なぜか開放しました。
フォルサだけ自由になって、おかしいと皆が思ったと思います。
父親代わりだから特別扱いしたのではと思った人もいた筈です。
私も「なんで」と思いました。
でも、ストラディゴスは、そんな男ではありませんでした。
剣をフォルサに投げて渡したんです。
「団長……決闘だ。俺に勝てればあんたの言う事を信じる。俺が勝てば、ルイシーの言う事を俺は信じる」
開始の合図はありませんでした。
フォルサが先に切りかかると、ストラディゴスは横に薙ぎ払って、あまりにもあっさりと切り捨てたんです。
最初から助ける気は、無かったのでしょう。
当たり前ですが。
私は、人の内臓と言う物を、この時始めて目にしました。
「ルイシー、次は、誰を殺せば良い?」
ストラディゴスがフォルサの汚い血を、剣を一振りする事で落としました。
そこにいるのは、全員悪魔です。
決まっています。
「全員、殺して」
こうして、私は復讐を果たしました。
ストラディゴスはシリアンを最後に残して「残念だ」と心の底から残念そうに言うと、躊躇なく殺しました。
その目には涙はなく、昔の親友がもういなくなった事実を、ただ悲しんでいました。
すぐに無人のテントに連れ込まれると、彼は私を愛し始めました。
私は焦りました。
復讐に囚われていた私は、こうなる事を考えていませんでした。
彼が私のあそこを見てしまえば、嘘がバレてしまいます。
でも、ストラディゴスは、私が襲われていない事に、最初から気付いていました。
私は、怖くなりました。
彼に責められると思ったんです。
子供には何もなく、強姦もされていない。
それなのに、昔からの仲間と、親代わりの人や、どんなに酷い人でも仲間達を手にかけさせたなんて、許される筈がないと思ったんです。
でも、彼は私を抱きしめて、愛しながら言うんです。
「お前を幸せにする為なら俺は、どんな事でもする」
ストラディゴスは、私の幸せを第一に考えてくれていました。
ストラディゴスは、悪魔が強姦したからでも子供を傷つけようとしたからでも無く、私をただ傷つけたから、それだけの理由で殺したんです。
その時、私は、こんなに彼を愛していたのに、彼の幸せを第一に考えていなかった自分が恥ずかしくなりました。
だから誓ったんです。
彼に愛されながら、彼の全てを受け入れようと。
家族の仇をとって、新しい家族を与えてくれるストラディゴスの幸せを第一に自分も考えようと。
自分が初めての男だと。
私は、そんな彼に救われました。
セックスの作法も何も知らない二人です。
唇が触れるだけのキスをして、次は?
前祇なんて、何も知りません。
きっと、本当なら経験のある友人から聞いたりして、備えるのでしょうね。
聞く相手のいない二人では、どうする事も出来ません。
最初は、まさに手探りでした。
私は、彼のあの時よりも成長した上に、今は硬くなったペニスを受け入れようと必死でした。
ですが、全然濡れていない上に、なくなった筈の処女膜が回復していて、まるで入って行きません。
唾で濡らすなんて発想がすぐに出て来るほどの経験も無い二人です。
記憶にある潤滑剤は、お互いの愛液。
口でするなんて発想も無いですから、準備が出来るまで最初は自分で濡らそうと、それぞれ自分で触ったんです。
二人共幸い、自慰は知っていましたから。
今にして思えば、おかしな絵だったでしょうね。
お互いのオナニーを見せ合って、それで気分を高めて、エッチな気分になると、ストラディゴスの亀頭の先端からおしっこじゃない透明な汁が次々と溢れてきます。
彼は、それをペニスに伸ばして塗ると、滑りをよくしようとしました。
私は、それを見ながら自分のあそこを彼の匂いを嗅ぎながら手で擦ります。
まだどこが気持ちいいのかも分かっていないので、中々上手に濡れません。
でも、段々と慣れて来ると、私のあそこもちゃんと愛液で、彼を受け入れる準備が出来ました。
体位は、正常位でした。
顔を見たいとかだったらロマンティックで良かったんですけど、二人共それしか知らなかったんです。
こうして私は、人生で二度目の、彼による愛のある処女喪失を経験しました。
あの時は痛いだけだった行為が、あの時よりも大きなものを受け入れているのに、平気なんです。
もちろん、痛いですよ。
かなり痛いし、血も出ました。
でも、痛いよりも、愛おしい方が勝るんです。
挿入しても動かない彼は、先端だけで一杯な私の中の感触に感動している様でした。
私からも言わせてもらえれば、彼もこの時に初めてを失ったんです。
私達は同じ相手で、二度目の初めて同士でした。
それから、彼が痛いのを我慢する私を気遣いながら優しく動こうとすると、驚くほど速く、その、彼は私の中に射精したんです。
あの時は、あれほど時間がかかったのにです。
私は、結局気持ち良くなれませんでした。
だからと言って、二度としないとは思いませんでした。
ストラディゴスをこんなに近くに感じる事は、これ以外では出来ないじゃないですか。
初体験の直後は、股にいつまでも何かが入っている様な違和感が残りました。
恥ずかしい話ですけど、次の日の昼間は、蟹股でしか歩けなくて、テントから一歩も出ませんでした。
でも、彼が私を見舞ってくれて、それがまた嬉しかったのを覚えています。
それからは、ずっと夜を待ちました。
来る日も来る日も、私は彼を求め、彼はそれに応えてくれました。
ずっと前祇は無く、オナニーを見せ合ってからの正常位。
回数も多くても三回で淡泊な物です。
でも、それで十分でした。
私は彼を慰め、彼は私を慰める。
愛はありましたけど、この頃のセックスは、愛を確かめると言うよりは傷のなめ合いでしたから。
* * *
ストラディゴスが傭兵団の中でいよいよ頭角を現し始めた頃、背も伸びきらず、毛も生え揃っていない私でしたが、ストラディゴスの事実上の妻となっていました。
傭兵団の中に結婚なんてありません。
恋人と妻の違いなんて、本当に曖昧です。
あるとすれば、子供の存在ぐらいでしょう。
その時、1●歳だった私は、ストラディゴスの子を妊娠していました。
子供が出来ると、意識が変わる物です。
私は幼さが残るなりに、母になる準備をし、ストラディゴスも父親になる準備をしていました。
私も、すっかり傭兵団に慣れ、外面も覚え始めた頃です。
フォルサには、ちゃんと挨拶もしますし、もうペット扱いはされていませんでした。
ストラディゴスの為に、一人前に化粧を覚えようとしたり、料理をしたり、縫物をしたり。
傭兵団の中での仕事も増え、確かな居場所に手ごたえを感じていました。
私はストラディゴスに自分の未来の全てを、当時は預けていました。
愛を注げば、ストラディゴスは応えてくれます。
それこそすべてを、ストラディゴスに注いでいたと思います。
昼でも夜でも、彼が求めるならどんな事でもやりました。
彼は、仲間に聞いて勉強したんだと思います。
私の小さな胸を揉んで大きくしようとしたり、妊娠中はお尻でしたり、口でしてあげたのもこの頃が最初です。
お腹の子を傷つけないように、どうにかセックスをしようと彼なりに考えていたんだと思います。
お腹が大きくなるにつれて、ストラディゴスは一緒に大きくなる私のおっぱいに夢中になりました。
赤ちゃんのミルクを、まるで赤ちゃんみたいに飲むんです。
私にとっては、そんな彼も愛おしかったんです。
赤ちゃんの分は残して欲しかったですけど。
* * *
事件は、いつも突然起こる物です。
フォルサと、あの時、私を輪姦した傭兵達、他にもフォルサを支持する手下の傭兵。
その中にはストラディゴスの親友のシリアンまでいました。
彼らは突然、何の前触れも無くストラディゴスのテントにやって来たんです。
ストラディゴスは、任務で留守でした。
彼らの狙いは、身重の私でした。
酒に酔った彼らは、悪魔の顔をしていました。
きっと、私の知らない所で、この蛮行は繰り返されていたのでしょう。
他の傭兵達は、自分の恋人や妻が、仲間の慰みものになるのを、我慢していたんです。
これがフォルサ傭兵団のルールの一つでした。
団長がそう言ったら、誰も逆らえません。
それがストラディゴスの物でも、団長が皆の物だと言えば、すぐにでも皆の物になる、そう言った組織だったのです。
ですが、あんな人数にまわされればお腹の子も無事ではすみません。
フォルサ達は、抵抗する私にこう言ったんです。
「また種を仕込めばいいだろう。なんなら全員で仕込んでやる」
私は抵抗も空しく、服を脱がされました。
幼さの残る私の身体の、大きくなり始めた腹を見て、彼らは興奮していました。
私は、お腹の子を守る為に、素直に言う事を聞く事にいました。
抵抗して暴力を振るわれるよりは、マシだと思ったんです。
彼らは、私が四つん這いになると、こんな事を口々に言い始めます。
「こんなガキがストラディゴスのデカマラを咥えこんでるんだろ。どうやってるのか見たいぜ」
「腕ぐらい入るんじゃないか?」
「シリアンのなら丁度良いんじゃねぇか?」
「いきなりシリアンにやらせたら、穴が緩くなるだろ、最後にしろ」
彼らが言い争っている隙をついて、私は裸のままテントの外へと逃げ出しました。
あんなに、ずっと逃げるのが怖かったのに。
子供が出来るって、特別なんだなと思いました。
子供の為なら、怖いなんて言ってられないんです。
私は、お母さんが最後まで私を庇って死んだ事を思い出しました。
お母さんと同じ気持ちなんです。
お母さんの存在を、近くに感じました。
すると、抑え込んでいたあの時の気持ちまで蘇りました。
殺意です。
本当は、忘れた事なんてありません。
ただ、恐怖の方が大きかっただけ。
でも、今は恐怖よりも子供の方が大事で、子供を守るためなら何でもできると思いました。
私は走って、野営地を抜けて、簡易訓練場へと裸のまま走ったんです。
当てがあった訳じゃありません。
ストラディゴスの向かった方向に走っただけです。
悪魔達は全員で、私を追いかけてきました。
奇跡って、あるんだなって思ったのを覚えています。
異変に気付いたエピティリアが、ストラディゴスの最初の仲間の、三人の巨人に助けを求めてくれたんです。
ストラディゴスを慕っていた彼らは、ルスト、アルドル、エレオースと言う名でした。
エピティリアと同じく、今でも良い友人です。
私は、その時までまともに交流した事も無かったんですけど、その四人の巨人が助けに来てくれたんです。
武器を持っていないなら、フォルサ達が何人いても巨人に勝てる道理はありません。
シリアン一人で四人は相手に出来ないですから。
四人の巨人達が、フォルサを含め、逃げた奴を抜いた殆どの悪魔を捕まえると、私の前に縛り上げてくれました。
私は、足の裏を石で怪我した程度で、赤ちゃんも無事でした。
少しすると、ストラディゴスが仲間と共に斥候の任務から帰ってきました。
ストラディゴスはアルドルの上着を着せられた私を見ると、何があったのか訳が分からない様子でしたが、エピティリアがいつもの輪姦を私にしようとしていたとストラディゴスに伝えると、ストラディゴスは迷う事無く腰の剣を抜きました。
「何をされた」
私は、されそうでしたが、まだされてはいませんでした。
それでも、目の前に縛られた家族の仇がいて、夫が剣を持っている状況で、悪魔以外に状況を知る者がいないなら、どうしますか?
アルドルの上着の中で、誰にも気づかれないように、自分の股の粘膜が弱っている古傷を、爪で傷つけました。
それから、上着をストラディゴスの前で脱いだんです。
私の股から血が流れているのを見ると、ストラディゴスは質問を変えました。
「誰にやられた」
私は、四人の巨人に捉えられた全員を見ました。
選んでいたんです。
私を、私のお母さんを輪姦して、殺した奴を。
「おい待て! 何もしてねぇ! 先祖に誓ってもいい! ルイシー嘘をつくんじゃっ!?」
そう叫んだ傭兵の首が、真っ先に飛びました。
ストラディゴスの剣が、黙らせたんです。
死んだ彼は、私をまわした一人でした。
「ストラディゴス! 俺達が悪かった! 冗談のつもりだったんだ! 妊婦を襲うなんてする訳無いだろ!」
フォルサが言いました。
私は、お母さんを殺しておいて白々しいと思いました。
ですが、ストラディゴスは、フォルサを縛っていた縄を剣で切ると、なぜか開放しました。
フォルサだけ自由になって、おかしいと皆が思ったと思います。
父親代わりだから特別扱いしたのではと思った人もいた筈です。
私も「なんで」と思いました。
でも、ストラディゴスは、そんな男ではありませんでした。
剣をフォルサに投げて渡したんです。
「団長……決闘だ。俺に勝てればあんたの言う事を信じる。俺が勝てば、ルイシーの言う事を俺は信じる」
開始の合図はありませんでした。
フォルサが先に切りかかると、ストラディゴスは横に薙ぎ払って、あまりにもあっさりと切り捨てたんです。
最初から助ける気は、無かったのでしょう。
当たり前ですが。
私は、人の内臓と言う物を、この時始めて目にしました。
「ルイシー、次は、誰を殺せば良い?」
ストラディゴスがフォルサの汚い血を、剣を一振りする事で落としました。
そこにいるのは、全員悪魔です。
決まっています。
「全員、殺して」
こうして、私は復讐を果たしました。
ストラディゴスはシリアンを最後に残して「残念だ」と心の底から残念そうに言うと、躊躇なく殺しました。
その目には涙はなく、昔の親友がもういなくなった事実を、ただ悲しんでいました。
すぐに無人のテントに連れ込まれると、彼は私を愛し始めました。
私は焦りました。
復讐に囚われていた私は、こうなる事を考えていませんでした。
彼が私のあそこを見てしまえば、嘘がバレてしまいます。
でも、ストラディゴスは、私が襲われていない事に、最初から気付いていました。
私は、怖くなりました。
彼に責められると思ったんです。
子供には何もなく、強姦もされていない。
それなのに、昔からの仲間と、親代わりの人や、どんなに酷い人でも仲間達を手にかけさせたなんて、許される筈がないと思ったんです。
でも、彼は私を抱きしめて、愛しながら言うんです。
「お前を幸せにする為なら俺は、どんな事でもする」
ストラディゴスは、私の幸せを第一に考えてくれていました。
ストラディゴスは、悪魔が強姦したからでも子供を傷つけようとしたからでも無く、私をただ傷つけたから、それだけの理由で殺したんです。
その時、私は、こんなに彼を愛していたのに、彼の幸せを第一に考えていなかった自分が恥ずかしくなりました。
だから誓ったんです。
彼に愛されながら、彼の全てを受け入れようと。
家族の仇をとって、新しい家族を与えてくれるストラディゴスの幸せを第一に自分も考えようと。
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