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1章・日常は終わる

日常

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工場龍魅こうじょうたつみ12歳–中学一年生


「ふぁ~学校かぁ~」

俺は眠気とともにベットから上体を起こしてあくび混じりに声を出していた。

週2日の休みが終わり、またこれから5日間学校に登校しないといけないと思うと身体がだるくなるのを感じる。

そう思いながらも一階のリビングに降り用意されている朝食を食べようと椅子に腰掛ける。

「龍魅、早くだべないと遅刻するわよー」

お母さんはそう言って俺の方を心配そうに見てきた。


「フン、何か言ったか、この世界を滅ぼすものぞ!我にひれ伏すが……」

俺がセリフを言い終わる前に頭の天辺から強い衝撃を感じた。

「痛ってぇぇぇ」

厨二病ぽくカッコつけたらお母さんから一発ゲンコツをもらいましたー。
はっきり言おう、マジで痛い。
そして俺は厨二病の真似はもう辞めようと心に固く誓った。

「はぁ、いいから早く食べなさいよー。てかあんた入学してから何回遅刻したいのよ」

呆れられた感じで言ってきた。

まだ、言ってはないが入学してから2週間で5回は遅刻していた。

何も遅刻をしたくてしてるわけではない、遅刻の原因は二度寝である。
一度起きてから、寝足りなかったらまた寝る、するといつのまにか時間がかなり経っている、これがいつもの遅刻の原因だ。

いや、誰か俺を起こせよ!
そう思いながらも朝食を食べる。

「まったく、だれににたんだかね」

ため息混じりに俺の方を見て言ってきたので少し考えることにした。

まぁ、俺が厨二病になってたのは似たのではなく影響だった。
そんなことを心の中で思う。

その厨二病という悪影響を俺に与えた、父親工場玄二こうじょうげんじはというと今は会社に出勤中である。

そして、つい先ほど俺にゲンコツを与えた母親工場姫夜こうじょうきよはというと専業主婦である。

俺はもちろん学生だよ?
ちゃんと学校に行ってるって意味で。
ニートになりたいが今は辛抱することにしよう。

そして、一年ほど前から行方がわからなくなり、今も行方不明となっている俺の妹工場由香こうじょうゆか

家族総出で探したり捜索願を出したりといろいろとやったが見つからなかった。

「暗い顔なんてしてどうしたのよ」

そこで俺は「はっ」となって顔を上げるとお母さんが心配そうな表情でこちらを見ていた。

俺は妹が行方不明になってから妹のことを考えたりすると顔が暗くなり、怖い表情になる癖がついていた。

「何でもない」

俺はお母さんを心配させまいと笑顔で答える。


身支度を済ませ自分の部屋に戻った俺は素早く学校へ行く準備を始めた。

そして机に置いてある調べものの数々に目がいく。
今もなお妹の行方について調べている。
妹が自分一人で家出するのは絶対にない、そう思う。

それから調べるうちに一つ分かったことがあった、妹が行方不明になった時に他にも行方不明になっている人がいたという事、それも数多くの人たち。
それは誘拐ではないかと考えて調べたがそれには不自然なことがあった。
それは、場所だ。

俺の住んでいるここから数百、数千キロ離れたところでも妹がいなくなった日にちと同じ日に行方不明者が出ているということ、それも何百人にもわたって。

「ほんと、何があったんだよ!」

そんな答えを誰も教えてはくれない。

そこでふと時計に目をやる、そこで一瞬固まってしまう。

これはもう遅刻かな。

「あ、あああ。ヤベェ」

俺はバックを右手に持ち急いで玄関へと降りて勢いよく玄関のドアを開けて、そして大声で叫んだ。

「行ってきまーーす!!!」

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