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史上初の女性剣闘士を目指して、頑張ります!

夢のような出会い

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「そんな大層な相手が、オレでいいっていうのかよ……」

 わたくしにここまで言わせておいて、未だに疑っているなんて……表向きの態度は尊大な癖に、自己評価が低すぎるのではありませんか?

「あなたでいい、ではなくて。わたくしは、あなたでないとダメなのよ。あなたのように、自分の命に真摯に向き合って。一日一日を大切に生きている人を、わたくしは他に誰も知らないわ。……ごめんなさい。残酷なことを言って」

「……いいや。そういう背景も含めてこそのオレだから。……オレはな。こういう体に生まれたなら、誰かと特別な関係になったり出来ねえと思ってたんだ。ただ自分がしたいことだけをして、後腐れなく人生を終える。それが『義務』だと思ってた」

「そんな……」

「……だからな。レナが、そういうオレだからいいんだって言ってくれるのは……オレにとっても、夢みてえな話、なんだよな……」


 彼と過ごしたこの三年間。彼の言動と、内に秘めていた想いのひとつひとつに、わたくしの中で急速に理解が広がっていきます。

 どんなにわたくしが想いを伝えても、シホは。自分の存在がわたくしの中に残り続けることそのものに、罪悪感を抱いているのです。それが今や、「心の中」だけではなくて。「わたくしの体の傷痕」という目に見える形として刻まれてしまった。その事実が、彼を後悔に苛ませている。

 わたくしが今日までに、もっと強くなれていたら。今日の試合で憎むべき者から傷を受ける前に勝利して、シホに自責の念など抱かせずに済んだかもしれないのに。

 先ほどの試合を終えて、わたくしは初勝利の歓喜の涙を流したというのに。今はただただ切なくて、自分の弱さが悔しくて。再び、涙が溢れてしまいました。たまらず、震える両腕を伸ばして、指先をシホの頬へ向かわせます。

 わたくしの体が今は自由に動かないからかもしれませんが、シホは自らが動いて、わたくしの頭の後ろを抱き寄せてくれました。拒まずに、受け入れてくれました。


「かっ……勘違い、しないで……ずっと一緒にいられないあなたでいいなんて、ただの結果論で……叶うのなら、ずっと……いつまでも、あなたと一緒にいたかったんだからぁ……っ」




「……どうだろなぁ」

 ごく普通の体に生まれてたら、今の自分とは違った性格かもしれない。だとしたらメイディッチにも引けを取らない、単なる性悪になってたかもしれないぜ? シホはそう、自虐しますけれど。

 もし、あなたがこのような運命の下ではなく、ごく普通の体に生まれていたとしても。きっと根底にある優しさや誠実さは、今とそう変わりなくて。そんなあなたと出会っても、わたくしは今と変わらず、あなたに恋していたと思うのです。わたくしは、そう信じていました。
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