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第十二章
『一つの終わりと、未来の為の終わり』
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状況が収束すると同時に、戦力が再結集を始める。
勝手に動き出している連中もいるし、指示を求めて戻ってきている者も居る。この辺りは指揮官である貴族の性格もあるし、すり減った戦力ではなにも出来なかったり、立場がないから動き続けている者まで様々だ。
そんな中で手早く方針を決め手、指示を出していく。
「面倒なことになったな。我々としてはプラスの面の方が大きいのだろうが」
「派閥の方に伝えていただけますか? 賞罰は必ず問うが、ある程度は補う手段を用意すると。判り易い例で言うと、今回の件は独断に加えて用意された罠にあえて掛かりに行った事が余計。しかし、余裕のある状態で相手の秘策を知れたことが幸いした……と。イル・カナンに情報を漏らした者と比べて罪はありませんから、挽回の機会を用意するとも」
ヨセフ伯の取り巻きであるラブロル男爵を見つけたので方針を伝えておく。
今回の一件は西部諸侯が中心になって出撃し、よせば良いのに勝手に当初予定よりも先に進んだ。そのせいで罠に嵌ってしまい、しかもそれが全軍を巻き込んでしまったと言えるだろう。独断専行して自滅するだけでも困りものなのに、それが全軍に波及したならば『軍人としては』極刑物のミスである。例え将軍でもそこまで勝手をやってしまえば庇うのは無理だ。少なくともこちら側のクレメンス団長あたりがやっても許す訳にはいかないだろう。
とはいえ相手は累代の功績を持つ諸侯であり、同時に後回しにしていたらもっと大変な目に合っていた可能性もある。
「助かるが、良いのか? 他の閥に所属する諸侯が黙ってはおるまい」
「十年後に大国と全面戦争になる可能性もあります。信賞必罰は当然ですが、ここでクーデーターを起こされても困りますよ。それにオロシャ軍が完全に嵌り込んだ訳ではありませんから、極刑から罪一等を減じて通常の処刑か領地没収で良いでしょう。家門に庇う方がいるならば全体で補ぎなっていただければ良しとします」
極刑物のミスをナアナアで放置はできない。だが迂闊に実行も出来ない。
そこを考慮して『本来ならば極刑は免れないが、本人のみで済ませるか、さもなければ家門に大して全体責任を問うのみで許す』という温情になるだろう。それと今回は西方派閥の起こした問題だが、その盟主であるヨセフ伯自ら尻を拭ったのだ。ヨセフ伯が『自分の顔に免じろ』と言ったら総司令官でもあるだけに流す必要性も出て来る。面倒なのが罰せられる側も見守る側も大樹像が揃っており、少なくともその気配が見えた時点で政争に突入するのは間違いがない。
最終的に今回の事は西方派閥の大失点に加点を入れて判断すると明示することが重要だろう。彼らが進んで死を受け入れるか、それとも逃げに徹して功績も領地も差し出すかは好きにしてもらおう。そしてそういった厳罰を下す態度が見えれば、今回に関しては収まるはずである。
「我々は軍記に登場する英雄では居られません。軍事ロマンスが拡がる前にヨセフ伯を抑えていただければ幸いです」
「了解した。勝ち負けだけで許されんとは……まさに『戦後』だな」
勇者軍に所属した俺たち二人が政治判断に奔走させられる。
実に皮肉としか言いようがないが、これが貴族になるという事だろう。名のある程度の傭兵であったり、一介の騎士隊長であった頃には戻れないのだ。否が応でも政治巻き込まれる立場であり、諸侯の列に列席を希望した時点で逃げるのは甘えなのだろう。そういう意味で中立的なクレメンス団長が『甘い判断は問題になる』という趣旨で忠告してくれたことは参考になった。
とりあえず政治的なスタンスでは対処したので、次は軍事的に対処しておこう。
「魔力の回復は治療呪文の使い手を優先しろ!」
「拠点である砦の確保と食料その他の確認は必ずやっておけ!」
「清潔な布と湯を全軍に配布して、保存食も配っておけよ」
「今日はこのまま全周を警戒しながら状況を見守る必要がある。昨日までの様に温食を期待する訳はいかん。諸侯や上級騎士にも伝えておくように!」
この時点で全軍を砦に収容など出来ない。
穴を掘りながら進んでいたこともあるが、敵の暗殺者が入りこんだり、微妙に雑魚とは言えない程度の魔族たち(部族長とかリーダー)が確保した高台を再占拠とか普通にありえるからだ。ヨセフ伯たちを徐々に収容しながら諸侯には護衛を付けて、再編した前衛を高台に置いて島の中央に攻め入る準備もする必要があるだろう。少なくともその為の食料や軍事物資は持ち出している筈だし、燃えているならば補充もせねばならない。
それらを指示しながら諸島側へ次の物資輸送を命令しつつ、南から戻って来たドルニエ騎士団との情報交換や慰労も重要だろう。
「あ、あの。『個室』に予備がありませんが……」
「負傷者を優先しろ。次いでドルニエ騎士団に充てる。諸侯は護衛の手配の問題で、大天幕で宴会でもしていただけ。空騒ぎでも士気を保たねばならん。個室でふんぞり返ったり、逆に震えあがってもらうような余裕はないぞ」
この場合の個室と言うのは砦の部屋ではなく、ベット付きの天幕の事だ。
毛布だけではなく美しい布なども用意しており、気楽に過ごすことも出来る。とはいえ人の出入りが激しい状態でローテーションを行うのは無理だ。大諸侯が自前の天幕を使うのはともかく、遠征軍が割り当てている天幕を貴族だからと言って優先して使わせる訳にはいかなかった。傷ついた者や哨戒で披露した者を優先するべきだろう。
ああ、もう一つ忘れていたな。庇護下に入れているイル・カナンの残存勢力にも配慮が必要だろう。
「イル・カナンの連中には連中の仇に大勝利を収めて、今は拠点まで押し込んでいると伝えろ。その上で自分たちの船を取り戻したいと言ったら、護衛抜きなら明日、そうでないならば再編してからとでないと無理だと言うように」
「は、はい。承知しました」
結構ボロボロの状態が威勢を張らねばならない時もある。
魔族の精鋭に襲われて軍隊として機能していないが、同じ敵に対してオロシャ軍は勝利している。あの時は無かったがアンデットの大群を伴って再度現れ、我々が叩き潰したとしておくわけだ。実際にはそこまで綺麗な策略ではなく、馬鹿な諸侯の聖で誘発された罠だが何事にも対面はある。重要なのは魔族の島を攻めるのに、イル・カナンは何の役にも立たず、オロシャは苦労しつつも完勝したという事実である。
本来ならばこれで口を挟む余地はなくなるだろうが……それでも理屈をこねるんだろうと苦笑せざるを得なかった。
状況が収束すると同時に、戦力が再結集を始める。
勝手に動き出している連中もいるし、指示を求めて戻ってきている者も居る。この辺りは指揮官である貴族の性格もあるし、すり減った戦力ではなにも出来なかったり、立場がないから動き続けている者まで様々だ。
そんな中で手早く方針を決め手、指示を出していく。
「面倒なことになったな。我々としてはプラスの面の方が大きいのだろうが」
「派閥の方に伝えていただけますか? 賞罰は必ず問うが、ある程度は補う手段を用意すると。判り易い例で言うと、今回の件は独断に加えて用意された罠にあえて掛かりに行った事が余計。しかし、余裕のある状態で相手の秘策を知れたことが幸いした……と。イル・カナンに情報を漏らした者と比べて罪はありませんから、挽回の機会を用意するとも」
ヨセフ伯の取り巻きであるラブロル男爵を見つけたので方針を伝えておく。
今回の一件は西部諸侯が中心になって出撃し、よせば良いのに勝手に当初予定よりも先に進んだ。そのせいで罠に嵌ってしまい、しかもそれが全軍を巻き込んでしまったと言えるだろう。独断専行して自滅するだけでも困りものなのに、それが全軍に波及したならば『軍人としては』極刑物のミスである。例え将軍でもそこまで勝手をやってしまえば庇うのは無理だ。少なくともこちら側のクレメンス団長あたりがやっても許す訳にはいかないだろう。
とはいえ相手は累代の功績を持つ諸侯であり、同時に後回しにしていたらもっと大変な目に合っていた可能性もある。
「助かるが、良いのか? 他の閥に所属する諸侯が黙ってはおるまい」
「十年後に大国と全面戦争になる可能性もあります。信賞必罰は当然ですが、ここでクーデーターを起こされても困りますよ。それにオロシャ軍が完全に嵌り込んだ訳ではありませんから、極刑から罪一等を減じて通常の処刑か領地没収で良いでしょう。家門に庇う方がいるならば全体で補ぎなっていただければ良しとします」
極刑物のミスをナアナアで放置はできない。だが迂闊に実行も出来ない。
そこを考慮して『本来ならば極刑は免れないが、本人のみで済ませるか、さもなければ家門に大して全体責任を問うのみで許す』という温情になるだろう。それと今回は西方派閥の起こした問題だが、その盟主であるヨセフ伯自ら尻を拭ったのだ。ヨセフ伯が『自分の顔に免じろ』と言ったら総司令官でもあるだけに流す必要性も出て来る。面倒なのが罰せられる側も見守る側も大樹像が揃っており、少なくともその気配が見えた時点で政争に突入するのは間違いがない。
最終的に今回の事は西方派閥の大失点に加点を入れて判断すると明示することが重要だろう。彼らが進んで死を受け入れるか、それとも逃げに徹して功績も領地も差し出すかは好きにしてもらおう。そしてそういった厳罰を下す態度が見えれば、今回に関しては収まるはずである。
「我々は軍記に登場する英雄では居られません。軍事ロマンスが拡がる前にヨセフ伯を抑えていただければ幸いです」
「了解した。勝ち負けだけで許されんとは……まさに『戦後』だな」
勇者軍に所属した俺たち二人が政治判断に奔走させられる。
実に皮肉としか言いようがないが、これが貴族になるという事だろう。名のある程度の傭兵であったり、一介の騎士隊長であった頃には戻れないのだ。否が応でも政治巻き込まれる立場であり、諸侯の列に列席を希望した時点で逃げるのは甘えなのだろう。そういう意味で中立的なクレメンス団長が『甘い判断は問題になる』という趣旨で忠告してくれたことは参考になった。
とりあえず政治的なスタンスでは対処したので、次は軍事的に対処しておこう。
「魔力の回復は治療呪文の使い手を優先しろ!」
「拠点である砦の確保と食料その他の確認は必ずやっておけ!」
「清潔な布と湯を全軍に配布して、保存食も配っておけよ」
「今日はこのまま全周を警戒しながら状況を見守る必要がある。昨日までの様に温食を期待する訳はいかん。諸侯や上級騎士にも伝えておくように!」
この時点で全軍を砦に収容など出来ない。
穴を掘りながら進んでいたこともあるが、敵の暗殺者が入りこんだり、微妙に雑魚とは言えない程度の魔族たち(部族長とかリーダー)が確保した高台を再占拠とか普通にありえるからだ。ヨセフ伯たちを徐々に収容しながら諸侯には護衛を付けて、再編した前衛を高台に置いて島の中央に攻め入る準備もする必要があるだろう。少なくともその為の食料や軍事物資は持ち出している筈だし、燃えているならば補充もせねばならない。
それらを指示しながら諸島側へ次の物資輸送を命令しつつ、南から戻って来たドルニエ騎士団との情報交換や慰労も重要だろう。
「あ、あの。『個室』に予備がありませんが……」
「負傷者を優先しろ。次いでドルニエ騎士団に充てる。諸侯は護衛の手配の問題で、大天幕で宴会でもしていただけ。空騒ぎでも士気を保たねばならん。個室でふんぞり返ったり、逆に震えあがってもらうような余裕はないぞ」
この場合の個室と言うのは砦の部屋ではなく、ベット付きの天幕の事だ。
毛布だけではなく美しい布なども用意しており、気楽に過ごすことも出来る。とはいえ人の出入りが激しい状態でローテーションを行うのは無理だ。大諸侯が自前の天幕を使うのはともかく、遠征軍が割り当てている天幕を貴族だからと言って優先して使わせる訳にはいかなかった。傷ついた者や哨戒で披露した者を優先するべきだろう。
ああ、もう一つ忘れていたな。庇護下に入れているイル・カナンの残存勢力にも配慮が必要だろう。
「イル・カナンの連中には連中の仇に大勝利を収めて、今は拠点まで押し込んでいると伝えろ。その上で自分たちの船を取り戻したいと言ったら、護衛抜きなら明日、そうでないならば再編してからとでないと無理だと言うように」
「は、はい。承知しました」
結構ボロボロの状態が威勢を張らねばならない時もある。
魔族の精鋭に襲われて軍隊として機能していないが、同じ敵に対してオロシャ軍は勝利している。あの時は無かったがアンデットの大群を伴って再度現れ、我々が叩き潰したとしておくわけだ。実際にはそこまで綺麗な策略ではなく、馬鹿な諸侯の聖で誘発された罠だが何事にも対面はある。重要なのは魔族の島を攻めるのに、イル・カナンは何の役にも立たず、オロシャは苦労しつつも完勝したという事実である。
本来ならばこれで口を挟む余地はなくなるだろうが……それでも理屈をこねるんだろうと苦笑せざるを得なかった。
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