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第十一章
諸島部攻略作戦
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いよいよ諸島部制圧作戦が始まった。
途中にある安全圏の島に一部の戦力を送り込んでおり、そこへ本隊を送り込みつつ先遣隊を用いて諸島部へ進軍し、干潮時には浅瀬でつながる島々から奪取して行く流れである。最初の島だけは俺も関係しているので前線に出ている。とはいえやることは少なく、ただの指示役であり失敗した時のフォロー役でしかない。
何しろ最初に送り込むのはゴーレムなので、倒されても困らない。
「信号灯・信号打を出せ。係留索を切り作戦を開始せよ」
「了解しました。信号出します。作戦開始! 繰り返す、作戦開始!」
俺の指示で引っ張って来た『浮き』を切り離す。
海の中に垂れていたロープが切断され、残っている部分は船の上に巻き上げられた。やがて海中でも同じような事を始め、『浮き』の中で待機している水中呼吸も使える兵士や、水先案内人の水棲種族が同じように係留索を切断する。
すると音を立てて抵抗力の少なさそうな、突起物型の木造船が海の上に出現したのだ!
「木の浮力と岩の重さを釣り合わせはったんやねぇ。ようやるわ」
「実際には空気も使ってバランスとってるけどな。魔術で何とかするより、こっちの方が安価で場所が限定されなくていい」
本当は専用のゴーレムを作れば、海の中に兵士を送りこまなくても良い。
だが、それをやるとゴーレムは人間の形じゃなくても良いと広まってしまうので、人力であるとしておいた。いずれにせよ、今ごろは戦闘用のストーンゴーレムが海の中を歩いて移動しているだろう。やがて水面に顔を出し、こちらの尖兵として上陸を開始する筈である。しかし、エリーに紹介された夏王朝の魔術師である青三条……知識もあるだけにやり難いな。
ちなみに青家に所属する三番目の都市の文官の娘(条は本に由来する言葉なので文官の子供)、くらいのニュアンスを持つ名前らしい。
「報告! バサラ、メキラ、アンティラ。いずれも無事に出現しました!」
「よろしい。状況を開始せよ。盾を掲げて進軍させ、敵あらば打たせよ」
「はっ。進軍続行と見敵必殺を継続いたします!」
海面に顔を出したゴーレムは区別がつかないので頭の飾りを変えてある。
以前にも転生者が居たのか、あるいは一部の神様が同じなのか、過去の資料に名前があったので、記憶している中で適当に参照させてもらった名前を付けている。ゴーレムたちは浮力を持たせるための木盾を掲げて進軍し、攻撃があれば受け止めつつ、シールドバッシュで倒していくという地道な進軍を続けていた。
そんな中で他意なツッコミが入るのは蓄えた知識ゆえだろう。
「十二神将どすか? けったいな名前やけど同じのがあと十あるんどすか?」
「必要なら何機でも建造しますよ。人間と違ってゴーレムは死にませんからね。壊れたら同じ名前で再登録するか、新しい機能を付ける場合は識別名を変えて再登録するだけの差でしかありません。私は命令一つで命を何百・何千と殺せるほどには貴族というモノに慣れておりませんので」
まさか適当につけた名前とは言えないので、初期ロット分くらいの言い訳にした。
実際にこの島々に十二機も必要とは思えないし、『魔族の島まで、十二機までの損耗で片付ける』くらいの意気込みに思えただろう。ともあれ序盤でそこまで破壊されるとは思いたくない。流石に迎撃が無いとも強い奴が居ないとも思えないが、防御に徹しているから破壊されるほどのダメージは受け難いんだよな。
問題なのはこの辺りを縄張りにしている、強力な魔物が出て来た時だろう。
「その言い方、確かに野蛮人の頭目ゆうか頭でっかち供の一党みたいやね」
「これでも魔法大学を出てますからね。馬鹿が居なければ今ごろはちゃんとした論文で名前も上がった筈ですが……まあ、終わった話ですよ」
ナチュラルに他を見下ろしている青三条も魔法大学にだけは別格だ。
どう聞いてもケチを付けている様にしか見えないが、彼女からすれば自分とは違うベクトルで研鑽している知識人扱いなのだろう。ただし、理解できない知識をこねくり回しているという意味で、頭でっかちは誉め言葉ではないか。単純に知識量だけは自分より上だと判断したのだろう。
それはそれとして戦況という程の侵攻には成って居ないから、話す事には構わないが、本来はこんな会話してる暇はないんだよな。
「戦闘の詳細はどうなっている?」
「敵になった水棲種族が居たと報告がありましたが、蜥蜴だそうです」
「おそらく水棲種族ではなくリザードマンだな。亜種の水棲種族なのか、別種なのかは知らんがまあ良いだろう。仮に水棲種族でも事前の取り決め通りに倒して構わん。そういう契約だからな」
これまで諸島部から渡ってきた魔物は、大型の蛙や鰐などが多かった。
他にも巨大な飛行生物系が居たが、蟲だったり中型の鳥ばかりで特に人型は少なかった筈だ。そう言うのは北部からさっさと遊牧民の支配地に上陸する方が確実なので、こちらには来なかったという事なのだろう。この事が示すことは……。魔物の生態系が変ったのか、リザードマンはこの辺りに住んでいるが単純に遠泳出来ないのかであろう。
もっとも泳げないとは思えないので、前者である可能性は高い。
「水棲種族は陸では素早く動けないが、リザードマンはもう少しマシだ。それと鱗に加えて体術次第で強い可能性がある、弓の使い手なり魔術師は遠距離攻撃の準備をしておけ。ゴーレムが止めている間に、足を止めた個体を狙え」
「はっ! 上陸部隊に伝達いたします!」
ゴーレム最大のメリットが、騎士隊長級の個体を製造できることだ。
つまり諸共に破壊してしまっても問題ないし、数で負けているならば増やすことも出来る。もちろん無秩序に『好きに壊しても良い』なんて伝えたら、騎士たちは平気で巻き込むことを前提にするだろう。俺が作ったゴーレムが減るという事は、俺の功績も減ると考えるのが彼らだからだ(作戦報告で統計が出るなんて考えてはいない)。
ともあれこれでリザードマンの中に強い個体が出たとしても、上陸部隊を殺して回るなんて事はないだろう。
「味方ごとなんて野蛮やねえ」
「意思のあるゴーレムなら色々な意味でやらない選択肢ですけどね。ただ、造形者の得意分野を最大限に活かしただけです。……しかし、あの動きは参考になるな。やはり尻尾はオートバランサーとして使った方が安定しそうだ」
青三条の嫌味をスルーしながら観戦する。
傍で聞いている兵士たちが誤解しないように、『人間だったらどうするんだ? やっぱり巻き込むのか?』なんて考え方だと思われないように誘導しておく。しかし、こんなお目付け役が居たことで面倒が増えるとは思いもしなかった……と僅かばかりの逡巡をした。
そういえば、こいつ何の理由があってここに居るんだ?
「ところで、貴女の得意分野をお聞きしても?」
「今更やねぇ。うちは風や水を高いレベルで操れるんよ。風で矢を反らし、水で炎を軽減したらええゆうて、エリーちゃんに頼まれて来とるんやわぁ」
なるほど、監視を兼ねた『イザ』という時の援護役か。
ヨセフ伯が何もしていないと文句が出るだろうし、四六時中嫌味を言うこの女を傍に置いておきたいとも思えない。それを考えるとエリーあたりの進言で、俺の傍に置いて監視をさせつつ『戦力を待機さておきました』ということなのだろう。
もちろんエリーの好意である可能性もあるので、一概には言えないのだが。
「呪文による援護の可能性をレポートにして勇者軍時代にエリーへ送った覚えがあるな。結局、間に合う様な戦況じゃなかったが、必須にならなくて良かった」
「その話なんやけど……ほんまに賢者だったんえ? 大魔導師ではなく」
「ええ。残念なことに」
悲しい事に勇者軍時代には賢者の加護を持ったクソガキしか居なかった。
攻撃呪文で隠れたスナイパーを周辺地形ごと丸焼きにすることはあっても、防御系の呪文を活かして味方を守る事はなかった。クドクド忠告して嫌われたくらいだが、勇者や聖女が助言すると仕方なく戦闘の最初だけしたこともあったなあ。あの当時は俺の青春時代でもあるが、実に加護へ人格が宿らないことを残念に思ったよ。
ともあれ青三条はエリーと色々話をしていることも判ったので、後で機会があれば確認に行こう。
「あれがエリーちゃんと一緒に作らはった新型? 随分奇妙や思うたけど」
「そうです。ゴーレム技術を盛り込んだ筏であり雲梯。今後にもうオロシャが攻城戦で困るような事は起きなくなるでしょうね」
ゴーレムが敵を蹴散らしていく中、即席で用意したゴーレム船が始動する。
要するに強襲揚陸艇であり、百足列車を筏の形にした物だ。複数の足で浜辺を速やかに移動し、上に乗った騎士たちを平衡感覚を保って上陸させる、板状のゴーレムになる。場合いよっては複数合体させ、桟橋にして船と繋げることも出来た。
そしてこのゴーレムは城攻めを行う場合、味方の盾にもなるが、『雲梯』の代わりに壁越えの階段にもなるのだ。
こうして最初の島を攻略したオロシャ軍は、島と島の間が浅瀬なる時間帯を見計らって次々に攻める事になった。
いよいよ諸島部制圧作戦が始まった。
途中にある安全圏の島に一部の戦力を送り込んでおり、そこへ本隊を送り込みつつ先遣隊を用いて諸島部へ進軍し、干潮時には浅瀬でつながる島々から奪取して行く流れである。最初の島だけは俺も関係しているので前線に出ている。とはいえやることは少なく、ただの指示役であり失敗した時のフォロー役でしかない。
何しろ最初に送り込むのはゴーレムなので、倒されても困らない。
「信号灯・信号打を出せ。係留索を切り作戦を開始せよ」
「了解しました。信号出します。作戦開始! 繰り返す、作戦開始!」
俺の指示で引っ張って来た『浮き』を切り離す。
海の中に垂れていたロープが切断され、残っている部分は船の上に巻き上げられた。やがて海中でも同じような事を始め、『浮き』の中で待機している水中呼吸も使える兵士や、水先案内人の水棲種族が同じように係留索を切断する。
すると音を立てて抵抗力の少なさそうな、突起物型の木造船が海の上に出現したのだ!
「木の浮力と岩の重さを釣り合わせはったんやねぇ。ようやるわ」
「実際には空気も使ってバランスとってるけどな。魔術で何とかするより、こっちの方が安価で場所が限定されなくていい」
本当は専用のゴーレムを作れば、海の中に兵士を送りこまなくても良い。
だが、それをやるとゴーレムは人間の形じゃなくても良いと広まってしまうので、人力であるとしておいた。いずれにせよ、今ごろは戦闘用のストーンゴーレムが海の中を歩いて移動しているだろう。やがて水面に顔を出し、こちらの尖兵として上陸を開始する筈である。しかし、エリーに紹介された夏王朝の魔術師である青三条……知識もあるだけにやり難いな。
ちなみに青家に所属する三番目の都市の文官の娘(条は本に由来する言葉なので文官の子供)、くらいのニュアンスを持つ名前らしい。
「報告! バサラ、メキラ、アンティラ。いずれも無事に出現しました!」
「よろしい。状況を開始せよ。盾を掲げて進軍させ、敵あらば打たせよ」
「はっ。進軍続行と見敵必殺を継続いたします!」
海面に顔を出したゴーレムは区別がつかないので頭の飾りを変えてある。
以前にも転生者が居たのか、あるいは一部の神様が同じなのか、過去の資料に名前があったので、記憶している中で適当に参照させてもらった名前を付けている。ゴーレムたちは浮力を持たせるための木盾を掲げて進軍し、攻撃があれば受け止めつつ、シールドバッシュで倒していくという地道な進軍を続けていた。
そんな中で他意なツッコミが入るのは蓄えた知識ゆえだろう。
「十二神将どすか? けったいな名前やけど同じのがあと十あるんどすか?」
「必要なら何機でも建造しますよ。人間と違ってゴーレムは死にませんからね。壊れたら同じ名前で再登録するか、新しい機能を付ける場合は識別名を変えて再登録するだけの差でしかありません。私は命令一つで命を何百・何千と殺せるほどには貴族というモノに慣れておりませんので」
まさか適当につけた名前とは言えないので、初期ロット分くらいの言い訳にした。
実際にこの島々に十二機も必要とは思えないし、『魔族の島まで、十二機までの損耗で片付ける』くらいの意気込みに思えただろう。ともあれ序盤でそこまで破壊されるとは思いたくない。流石に迎撃が無いとも強い奴が居ないとも思えないが、防御に徹しているから破壊されるほどのダメージは受け難いんだよな。
問題なのはこの辺りを縄張りにしている、強力な魔物が出て来た時だろう。
「その言い方、確かに野蛮人の頭目ゆうか頭でっかち供の一党みたいやね」
「これでも魔法大学を出てますからね。馬鹿が居なければ今ごろはちゃんとした論文で名前も上がった筈ですが……まあ、終わった話ですよ」
ナチュラルに他を見下ろしている青三条も魔法大学にだけは別格だ。
どう聞いてもケチを付けている様にしか見えないが、彼女からすれば自分とは違うベクトルで研鑽している知識人扱いなのだろう。ただし、理解できない知識をこねくり回しているという意味で、頭でっかちは誉め言葉ではないか。単純に知識量だけは自分より上だと判断したのだろう。
それはそれとして戦況という程の侵攻には成って居ないから、話す事には構わないが、本来はこんな会話してる暇はないんだよな。
「戦闘の詳細はどうなっている?」
「敵になった水棲種族が居たと報告がありましたが、蜥蜴だそうです」
「おそらく水棲種族ではなくリザードマンだな。亜種の水棲種族なのか、別種なのかは知らんがまあ良いだろう。仮に水棲種族でも事前の取り決め通りに倒して構わん。そういう契約だからな」
これまで諸島部から渡ってきた魔物は、大型の蛙や鰐などが多かった。
他にも巨大な飛行生物系が居たが、蟲だったり中型の鳥ばかりで特に人型は少なかった筈だ。そう言うのは北部からさっさと遊牧民の支配地に上陸する方が確実なので、こちらには来なかったという事なのだろう。この事が示すことは……。魔物の生態系が変ったのか、リザードマンはこの辺りに住んでいるが単純に遠泳出来ないのかであろう。
もっとも泳げないとは思えないので、前者である可能性は高い。
「水棲種族は陸では素早く動けないが、リザードマンはもう少しマシだ。それと鱗に加えて体術次第で強い可能性がある、弓の使い手なり魔術師は遠距離攻撃の準備をしておけ。ゴーレムが止めている間に、足を止めた個体を狙え」
「はっ! 上陸部隊に伝達いたします!」
ゴーレム最大のメリットが、騎士隊長級の個体を製造できることだ。
つまり諸共に破壊してしまっても問題ないし、数で負けているならば増やすことも出来る。もちろん無秩序に『好きに壊しても良い』なんて伝えたら、騎士たちは平気で巻き込むことを前提にするだろう。俺が作ったゴーレムが減るという事は、俺の功績も減ると考えるのが彼らだからだ(作戦報告で統計が出るなんて考えてはいない)。
ともあれこれでリザードマンの中に強い個体が出たとしても、上陸部隊を殺して回るなんて事はないだろう。
「味方ごとなんて野蛮やねえ」
「意思のあるゴーレムなら色々な意味でやらない選択肢ですけどね。ただ、造形者の得意分野を最大限に活かしただけです。……しかし、あの動きは参考になるな。やはり尻尾はオートバランサーとして使った方が安定しそうだ」
青三条の嫌味をスルーしながら観戦する。
傍で聞いている兵士たちが誤解しないように、『人間だったらどうするんだ? やっぱり巻き込むのか?』なんて考え方だと思われないように誘導しておく。しかし、こんなお目付け役が居たことで面倒が増えるとは思いもしなかった……と僅かばかりの逡巡をした。
そういえば、こいつ何の理由があってここに居るんだ?
「ところで、貴女の得意分野をお聞きしても?」
「今更やねぇ。うちは風や水を高いレベルで操れるんよ。風で矢を反らし、水で炎を軽減したらええゆうて、エリーちゃんに頼まれて来とるんやわぁ」
なるほど、監視を兼ねた『イザ』という時の援護役か。
ヨセフ伯が何もしていないと文句が出るだろうし、四六時中嫌味を言うこの女を傍に置いておきたいとも思えない。それを考えるとエリーあたりの進言で、俺の傍に置いて監視をさせつつ『戦力を待機さておきました』ということなのだろう。
もちろんエリーの好意である可能性もあるので、一概には言えないのだが。
「呪文による援護の可能性をレポートにして勇者軍時代にエリーへ送った覚えがあるな。結局、間に合う様な戦況じゃなかったが、必須にならなくて良かった」
「その話なんやけど……ほんまに賢者だったんえ? 大魔導師ではなく」
「ええ。残念なことに」
悲しい事に勇者軍時代には賢者の加護を持ったクソガキしか居なかった。
攻撃呪文で隠れたスナイパーを周辺地形ごと丸焼きにすることはあっても、防御系の呪文を活かして味方を守る事はなかった。クドクド忠告して嫌われたくらいだが、勇者や聖女が助言すると仕方なく戦闘の最初だけしたこともあったなあ。あの当時は俺の青春時代でもあるが、実に加護へ人格が宿らないことを残念に思ったよ。
ともあれ青三条はエリーと色々話をしていることも判ったので、後で機会があれば確認に行こう。
「あれがエリーちゃんと一緒に作らはった新型? 随分奇妙や思うたけど」
「そうです。ゴーレム技術を盛り込んだ筏であり雲梯。今後にもうオロシャが攻城戦で困るような事は起きなくなるでしょうね」
ゴーレムが敵を蹴散らしていく中、即席で用意したゴーレム船が始動する。
要するに強襲揚陸艇であり、百足列車を筏の形にした物だ。複数の足で浜辺を速やかに移動し、上に乗った騎士たちを平衡感覚を保って上陸させる、板状のゴーレムになる。場合いよっては複数合体させ、桟橋にして船と繋げることも出来た。
そしてこのゴーレムは城攻めを行う場合、味方の盾にもなるが、『雲梯』の代わりに壁越えの階段にもなるのだ。
こうして最初の島を攻略したオロシャ軍は、島と島の間が浅瀬なる時間帯を見計らって次々に攻める事になった。
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