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第十章
『煌く白鳥』
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ライトアップ計画は特にキッチリした形で無くても良い。
そこでコンスタン・ティン伯の所で造形違いの形で幾つか頼んでおいた。最終的に足の関節さえ組み込めれば後はゴーレムの方で勝手に動かしてくれるからな。多少の凸凹なら越えられる程度に足は長くないといけないが、それさえクリアすれば後は適当である。
そうそう、今回の形状で重要なのは『上に人が乗れるスペース』がある事かな。
「ミハイル。これってゴーレムに乗る練習用なの? それとも玩具なの?」
「どっちでもあるし、どっちでもないな。本来は明かりを灯すだけの物だぞ」
人によって印象の受け取り方は様々である。
ユーリ姫はソブレメンヌイを量産型よりも簡略化したような、シンプル極まりないゴーレムと捉えたようだ。だが同時に乗る以上の事が出来ないし、戦闘力も弱い事から、良くある置物を思い出したようである。俺から見ると遊園地のアレなのだが、まあその辺は良しとしておこう。逆に言えば見る者にとっては脅威に映る訳で、そこは注意しないとマズイだろう。ファンシーな形を前面に出すとか、原色を塗るなりするとかだな。
ライトアップの事を考えたら本当は正門が光る形でも良いくらいだが、それでは『ゴーレムの形は何でも良い』という知見をばらしてしまうので出来ないのがもどかしい。
「夜になると正面の門辺りを照らすんだ。他にも遊水を横断してこの屋敷の周りをグルリと一周して来るとか考えてる」
「わー! それ面白そう! ボク見てみたいなっ」
「今はまだゴーレムたちに道順を覚えさせてる所だ」
カルガモの親子ではないがゴーレムは杓子定規なので実行する必要がある。
言葉にこの周囲を一周して来いと言っても全く反応しないが、ついて来いという命令を呪文で出した後で、実際に歩いた場所を指定して『先ほど歩いた場所を夜になったら明かりを灯しながら歩け』と命令すればちゃんと実行するのだ。もちろん杓子定規なのは他の部分もそうなので、『夜の概念』は呪文で命令した者がイメージした時のままになる。真っ暗に成ったら夜と考える者が居れば暗く成ったら、夕方でも時間でだいたい判断している者が呪文を使えばそのまま時間で判断する訳だ(呪文で言葉による命令による切り替えを覚えさせるのは派生になる)。
他にも『歩け』という指示も『先ほどと同じようなペースで』という認識になると思うので、ちゃんと図ってペースも支持しないと、時間内に辿り着けないことになるけどな。
「ねえねえ、この白鳥は飛ばないの?」
「前も言ったが訓練を追えない内は駄目だぞ。それに飛ぶための呪文を使える奴が、今ゴルビーに居ないから組み込めないんだ。ゴーレムは便利そうに見えるけど、明確なルールがある。建造時間なんかは当分頭打ちだな」
「けち~」
そんな感じでライトアップの下準備を済ませた。
そういえば持続光の呪文は既に組み込んでいるわけだが、複数の呪文を組み込むとか試したことはなかったな。まあ、保有魔力と魔力吸収のバランス問題で、二つもあったらあっという間に魔力が枯渇しそうなので有効活用できる未来が見えない。あえて言うならば、浮遊と指定移動の組み合わせで飛行呪文にしている、ホーセンスの一族(またはその師匠)みたいな事をやるのが一番ではなかろうか?
そして昼間何をやっているのか、夜になったら何をするのかを呪文で命令し、緊急停止などの言葉による命令を認識させたらこの作業は終りである。
「そういえばさー。ここで泳ぐ練習しろって言わないよね? 何かあるの? 駄目なら事なら覚えておくけど」
「良く分ったな。昔のゴルビーは水が少なかったんだ。だから此処ではな」
ユーリ姫は王族としての教養は後付けに過ぎない。
だからといって愚かと言う訳ではない。あれだけ別荘地で泳ぐ練習をしろと言ったのに、宮中庭園の前にある遊水池で泳ぐ練習をしろと言わないことに違和感を覚えたのだろう。勝手に泳ぎ始めるのではなく、その前に尋ねて来るあたりちゃんとした思考が出来るという事だ。
これが下手な奴隷とかだと、前に命じたことを重要視して、『言いつけ通りにやりました! 見てください!』みたいな事をやるので、状況での切り換えの教えと言うのは相当に重要だと思われる。
(後は実際の動きや光の度合いを警備の連中込みで確認だな)
(持続光は夜更かしする魔術師御用達みたいなところがあるからな)
(冒険者でも宮廷魔術師でも募集を掛けたら増産は出来るだろ)
(陛下たちが必要だと思えば量産するとして、その時に魔術師を何人か寄こしてもらうか。不要だと思えばこのまま空中庭園のライトアップに使えば良いさ)
現時点で完成しているのは二機、もうすぐ三機というところだ。
おそらく何処かの貴族が来て最初の反応が見られる前に四機の定数は揃うだろう。もし不足気味なら追加で建造するとして、王宮から担当者が確認に来るまでに増産してからの分もレポートを用意できる。その後は冷却システムとライトアップの増産を計算に入れれば良い。開発に魔術師が必要な事をこの段階で告げて置き、無制限に建造できない事を王宮へそれとなく伝えておくのも良いかもしれない。
良い面も悪い面も編集して王宮に伝えて置き、俺が反旗を翻す気はないし、思ってもそんな事は無理だと認識してもらうとしよう。
「さて、今夜はコイツを見物するとするか。もちろん正面と池の上だけな)
「いいね! みんなで見物しよーよ。まーちゃんもセシリアも一緒にさ!」
この場に他の嫁が居ないこともあり、ユーリのみのつもりだった。
他の二人はまたいずれチャンスがあるし、なんだったら今までの経験もあって調整タイミングというのも良いかもしれないと思っていた。だが姫の方は気を利かせたというか、天然ぶりを発揮して人の良さを示している。何気ない反応だが、こういうところが家族円満に繋がるのかもしれない。
そういう意味で政略結婚とはいえ、中々良い巡り合わせになったのではないかと思う。
「そいつは良いな。なら軽く食う者と冷たい物を用意するか」
「うん! 串に刺した肉にするかな~。それともパンに挟もうかなー。もちろんカキ氷は外せないよね♪」
お祭りの屋台みたいな感じになって来たが、即興でも良い言出来る範囲だ。
ユーリ姫の要望くらいは用意できるし、この辺は他の二人も好きなので問題ないだろう。嫁によって鍋が好きだったりステーキが好きだったりと差はあるが、串に刺した肉とかサンドイッチというのは誰でも受けるし、甘味というのは女の子は大好きだからな。
ただ、今日ばかりはカキ氷ではなく、冷たいドリンクにしておいた方が良かっただろう。
「見て見て! あそこ、いま池に入ったら……!?」
「凄いな。なんであんなに煌いているんだ? 眩しいくらいだ」
「ええと。多分、池の水に反射しているからじゃないでしょうか?」
(そういえばこの世界の花火って結構ちゃちいんだよな。魔族と戦ってたから仕方ないけど、せいぜい爆竹か初歩の『てつはう』くらいだし。そっか、こういうキラキラでファンシーなのも女の子には受けるんだな)
一大スペクタルには遥か遠い筈だが、煌く光に嫁たちは魅了されていた。
乱反射する光と影が上空に映し出され、その光がゴーレムの移動によって移動して行く。正面の門を照らすマーライオン型ゴーレムはそのままに、遊水池を横切る白鳥型のゴーレムが池の水に乱反射させ、簡単に塗装された自身の姿や影を煌かせているのだ。こんなことになるとは告げて居なかったから、なおさら興奮しているのだろう。
こんなに喜んでくれるなら、数を増やすなり色彩を増やしても良いかもしれない。花火の作り方なんか知らないので、こちらで喜ばせるのも悪くないと思ったのだが……。
「大変です! イル・カナンよりの救援要請が王都に! ゴルビー伯ら主要な貴族に非常呼集が掛かりました!」
あれから連絡がないのですっかり放置していたが、自体は着実に変化してしたようだ。その内になるんじゃないかと思われていた状況に突入したのである。
ライトアップ計画は特にキッチリした形で無くても良い。
そこでコンスタン・ティン伯の所で造形違いの形で幾つか頼んでおいた。最終的に足の関節さえ組み込めれば後はゴーレムの方で勝手に動かしてくれるからな。多少の凸凹なら越えられる程度に足は長くないといけないが、それさえクリアすれば後は適当である。
そうそう、今回の形状で重要なのは『上に人が乗れるスペース』がある事かな。
「ミハイル。これってゴーレムに乗る練習用なの? それとも玩具なの?」
「どっちでもあるし、どっちでもないな。本来は明かりを灯すだけの物だぞ」
人によって印象の受け取り方は様々である。
ユーリ姫はソブレメンヌイを量産型よりも簡略化したような、シンプル極まりないゴーレムと捉えたようだ。だが同時に乗る以上の事が出来ないし、戦闘力も弱い事から、良くある置物を思い出したようである。俺から見ると遊園地のアレなのだが、まあその辺は良しとしておこう。逆に言えば見る者にとっては脅威に映る訳で、そこは注意しないとマズイだろう。ファンシーな形を前面に出すとか、原色を塗るなりするとかだな。
ライトアップの事を考えたら本当は正門が光る形でも良いくらいだが、それでは『ゴーレムの形は何でも良い』という知見をばらしてしまうので出来ないのがもどかしい。
「夜になると正面の門辺りを照らすんだ。他にも遊水を横断してこの屋敷の周りをグルリと一周して来るとか考えてる」
「わー! それ面白そう! ボク見てみたいなっ」
「今はまだゴーレムたちに道順を覚えさせてる所だ」
カルガモの親子ではないがゴーレムは杓子定規なので実行する必要がある。
言葉にこの周囲を一周して来いと言っても全く反応しないが、ついて来いという命令を呪文で出した後で、実際に歩いた場所を指定して『先ほど歩いた場所を夜になったら明かりを灯しながら歩け』と命令すればちゃんと実行するのだ。もちろん杓子定規なのは他の部分もそうなので、『夜の概念』は呪文で命令した者がイメージした時のままになる。真っ暗に成ったら夜と考える者が居れば暗く成ったら、夕方でも時間でだいたい判断している者が呪文を使えばそのまま時間で判断する訳だ(呪文で言葉による命令による切り替えを覚えさせるのは派生になる)。
他にも『歩け』という指示も『先ほどと同じようなペースで』という認識になると思うので、ちゃんと図ってペースも支持しないと、時間内に辿り着けないことになるけどな。
「ねえねえ、この白鳥は飛ばないの?」
「前も言ったが訓練を追えない内は駄目だぞ。それに飛ぶための呪文を使える奴が、今ゴルビーに居ないから組み込めないんだ。ゴーレムは便利そうに見えるけど、明確なルールがある。建造時間なんかは当分頭打ちだな」
「けち~」
そんな感じでライトアップの下準備を済ませた。
そういえば持続光の呪文は既に組み込んでいるわけだが、複数の呪文を組み込むとか試したことはなかったな。まあ、保有魔力と魔力吸収のバランス問題で、二つもあったらあっという間に魔力が枯渇しそうなので有効活用できる未来が見えない。あえて言うならば、浮遊と指定移動の組み合わせで飛行呪文にしている、ホーセンスの一族(またはその師匠)みたいな事をやるのが一番ではなかろうか?
そして昼間何をやっているのか、夜になったら何をするのかを呪文で命令し、緊急停止などの言葉による命令を認識させたらこの作業は終りである。
「そういえばさー。ここで泳ぐ練習しろって言わないよね? 何かあるの? 駄目なら事なら覚えておくけど」
「良く分ったな。昔のゴルビーは水が少なかったんだ。だから此処ではな」
ユーリ姫は王族としての教養は後付けに過ぎない。
だからといって愚かと言う訳ではない。あれだけ別荘地で泳ぐ練習をしろと言ったのに、宮中庭園の前にある遊水池で泳ぐ練習をしろと言わないことに違和感を覚えたのだろう。勝手に泳ぎ始めるのではなく、その前に尋ねて来るあたりちゃんとした思考が出来るという事だ。
これが下手な奴隷とかだと、前に命じたことを重要視して、『言いつけ通りにやりました! 見てください!』みたいな事をやるので、状況での切り換えの教えと言うのは相当に重要だと思われる。
(後は実際の動きや光の度合いを警備の連中込みで確認だな)
(持続光は夜更かしする魔術師御用達みたいなところがあるからな)
(冒険者でも宮廷魔術師でも募集を掛けたら増産は出来るだろ)
(陛下たちが必要だと思えば量産するとして、その時に魔術師を何人か寄こしてもらうか。不要だと思えばこのまま空中庭園のライトアップに使えば良いさ)
現時点で完成しているのは二機、もうすぐ三機というところだ。
おそらく何処かの貴族が来て最初の反応が見られる前に四機の定数は揃うだろう。もし不足気味なら追加で建造するとして、王宮から担当者が確認に来るまでに増産してからの分もレポートを用意できる。その後は冷却システムとライトアップの増産を計算に入れれば良い。開発に魔術師が必要な事をこの段階で告げて置き、無制限に建造できない事を王宮へそれとなく伝えておくのも良いかもしれない。
良い面も悪い面も編集して王宮に伝えて置き、俺が反旗を翻す気はないし、思ってもそんな事は無理だと認識してもらうとしよう。
「さて、今夜はコイツを見物するとするか。もちろん正面と池の上だけな)
「いいね! みんなで見物しよーよ。まーちゃんもセシリアも一緒にさ!」
この場に他の嫁が居ないこともあり、ユーリのみのつもりだった。
他の二人はまたいずれチャンスがあるし、なんだったら今までの経験もあって調整タイミングというのも良いかもしれないと思っていた。だが姫の方は気を利かせたというか、天然ぶりを発揮して人の良さを示している。何気ない反応だが、こういうところが家族円満に繋がるのかもしれない。
そういう意味で政略結婚とはいえ、中々良い巡り合わせになったのではないかと思う。
「そいつは良いな。なら軽く食う者と冷たい物を用意するか」
「うん! 串に刺した肉にするかな~。それともパンに挟もうかなー。もちろんカキ氷は外せないよね♪」
お祭りの屋台みたいな感じになって来たが、即興でも良い言出来る範囲だ。
ユーリ姫の要望くらいは用意できるし、この辺は他の二人も好きなので問題ないだろう。嫁によって鍋が好きだったりステーキが好きだったりと差はあるが、串に刺した肉とかサンドイッチというのは誰でも受けるし、甘味というのは女の子は大好きだからな。
ただ、今日ばかりはカキ氷ではなく、冷たいドリンクにしておいた方が良かっただろう。
「見て見て! あそこ、いま池に入ったら……!?」
「凄いな。なんであんなに煌いているんだ? 眩しいくらいだ」
「ええと。多分、池の水に反射しているからじゃないでしょうか?」
(そういえばこの世界の花火って結構ちゃちいんだよな。魔族と戦ってたから仕方ないけど、せいぜい爆竹か初歩の『てつはう』くらいだし。そっか、こういうキラキラでファンシーなのも女の子には受けるんだな)
一大スペクタルには遥か遠い筈だが、煌く光に嫁たちは魅了されていた。
乱反射する光と影が上空に映し出され、その光がゴーレムの移動によって移動して行く。正面の門を照らすマーライオン型ゴーレムはそのままに、遊水池を横切る白鳥型のゴーレムが池の水に乱反射させ、簡単に塗装された自身の姿や影を煌かせているのだ。こんなことになるとは告げて居なかったから、なおさら興奮しているのだろう。
こんなに喜んでくれるなら、数を増やすなり色彩を増やしても良いかもしれない。花火の作り方なんか知らないので、こちらで喜ばせるのも悪くないと思ったのだが……。
「大変です! イル・カナンよりの救援要請が王都に! ゴルビー伯ら主要な貴族に非常呼集が掛かりました!」
あれから連絡がないのですっかり放置していたが、自体は着実に変化してしたようだ。その内になるんじゃないかと思われていた状況に突入したのである。
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