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第八章
『水棲種族との邂逅』
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一週間ほどして冒険者たちが帰って来た。
だが、その表情が違う。一様に緊張した面持ちであり、単に危険を乗り越えたというわけではなさそうだった。
その中でも特に違っているのがイラ・カナン出身のミケロッティだった。
「てえへんだ! 海が荒れて魚人どもがヤベエらしい!」
「魚人? 海の亜人が攻めて来たのか!?」
思わぬ問題の勃発に騒然となる。
今までオロシャ周囲の国は一応とはいえ平和であったし、ゴブリンなどの亜人がうろつき回る程度の問題でしかなかったのだ。それが大挙して攻めてくるとなれば話は大きく変わる。
特に問題なのは、海は何処とでも繋がっているという事だ。少数に見えて、実は大軍だったと言う事になりかねない。
「そ、そうじゃねえ。そうなるかもしれねえけど……」
「まずは落ち着いて話せ。出来れば順番に頼む」
驚いている相手からまともな話が聞けるはずはない。
なので茶の一杯も出しつつ落ち着かせることにした。領主の仕事を俺にやらせようとアレクセイも居るのだが、先ほどから黙ったままなのは口を出しても混乱を助長するだけだからだ。
もちろん直ぐに正気に戻ったら世話はないので別の者が説明を始めた。
「それでは私から。予定通り三日ほど南下する過程で段々と下に砂が見えなくなりました。浅い場所も深い場所も入り混じる様になり、その中で妥当な中継ポイントを検討し始めました」
「浅い浜で作業も出来るし、やろうと思えば大型船も入れる場所だな?」
「ええ」
浅瀬ならば様々な作業可能で、魔物が来ても発見できるし対抗も出来る。
だが深い場所だとそうもいかないし、それこそ水棲の魔物に引きずり込まれたら対処すら不可能だ。その一方で大型船が接岸できないというゴルビーの問題を延長しているだけで、もしかしにそこで探索を中断して、妥協点としての港を作るという事も出来ない。また他の場所へ港を作ったり大型船を用意したとして、中継点に用意する予定の食料を回収できないのでは問題なのである。
なので全体的には浅瀬でありつつも、一角に深い場所があり、作業はそこを背にするのは避けるという事で意見が一致したという。
「半日ほどの時間を使い、その中で妥協できる場所に決めました。どうやら『彼ら』はその半日の間に、我々を監視していたようですね。食料を荷揚げして埋めようとしたところ、何をしているのかと声を掛けられました」
「という事は話が通じるのか?」
話していた騎士ではないかと思っている男、フョードルは頷いた。
この場合の話が通じるというのは、言語理解の問題だけではなく、価値観が通じ合って交渉や交易が出来る相手かと言う事である。ゴブリンやオーガとかは仮に言語が通じたとしても、そもそも信用ならないしな。魔将などはもちろん限度が通じるし賢いが、そもそも人を殺して勢力を拡げようという連中である。交渉など出来ようはずがない。
こういうと何だが……魚の頭という見た目とは裏腹に、まともな相手だと思われた。もっとも、まともであるからこそ、利害関係で敵対する可能性もある。その辺りは人間も同様だろう。
「いきなり襲い掛かってこなかっただけでも可能性はあると判断しました」
「どうするかを議論しようとした時、話だけでも聞くべきだとミケロが」
「どうも彼の居たイラ・カナンでは魚人というのは珍しくても、居ない訳ではないようです。話は通じるし、水の中で暮らすだけに、海では無視するべきではない相手だとも忠告されました」
ヒョードルの話では、こちらが理解するまで待ってくれたらしい。
魚人の見た目は異質であり、その事を嫌と言う程に知悉しているようだとも教えてくれた。見た目で亜人と判断すると、痛い目を見るかもしれない。言葉が通じたからと言って油断できるわけではないが、確かに流れを聞く限りは話くらいは効いた方がよさそうな気がする。
そこで再びミケロッティに話を振った。
「確認するが君は何処まで彼らの事を理解している? 陸に居る亜人の様に仮に目こぼししても、何処かで襲ってきたりはしないのか?」
「死んだ親父が昔から言ってたんだ。幾らでも逃げられるし、何処にでも連中だから縄張りには興味がねえ。陸の上ではウスノロでも水の中なら無敵だから、水辺で敵対だけはすんなってな。そんで、そんでよう。あいつらの特徴は……」
俺が尋ねるとミケロッティは一気にまくし立てた。
ここで俺を説得しないと、大事になると確信しているのだろう。まあ言いたいことは判る。水の中に棲んでいて、陸にも上がれるという事は単純に住む世界が二倍である。勝てる相手にだけ戦い、負ける相手には最初から挑まないという戦術が使えるのだ。しかも海流に乗って移動できるから、種族全体が遊牧民みたいなもんだよな。
そして水の中で育つという事は、負荷がないから体格が大きくなるという事。だからこそ陸では足が遅いが、ホームグランドである水の中では無敵なのだ。
「あいつらは一人の決断が部族の決断なんだ。一人との約束が部族全員との約束だし、一人と喧嘩したらそれは部族全体を敵に回すってことだ。漁師は荒くれが多いが、奴らを敵にして暴れ立った噂は聞いた事がねえ」
「敵対するなって話は理解したよ。では本題だな」
全員に話を周知するというのは、何気に凄い事である。
例えば領主と話をして、交渉したことを領民すべてに適用できるかと言われたら怪しい。領主ですらそれなのだ、仮に騎士やら文官に話を通しても、別の担当であるとか民間の連中はまったく通じない可能性があるだろう。遊牧民なら家長の権限が強そうなのと、部族会議とかあるだろうから理解できなくはないんだけどな。
それを考えると部族が即座に一丸となって行動する、魚人たちは羨ましいやら恐ろしいやらである。
「第一に任務は果たせそうなのか? 第二にソレに対して相手は何かを要望して来たのか? 第三に……」
「ちょっと待ってくれ。いきなり答えられねえよ」
とりあえず、魚人の件とは別に俺が頼んだことを尋ねてみよう。
別に海の隅々を知りたいわけではないので、何処かに拠点を作りたい。もちろん魚人たちが海を全て掌握しているというならば、迂闊にこちらが勢力圏を広げるのは問題だろう。最悪の場合、第二塩田を維持しつつ、海側を閉鎖することもあり得る。
まあ話が出来るという事は、そこまで酷い事にもならないだろうが。
「じゃあシンプルに聞こう。南に拠点となる港を作ることに問題は?」
「ええと……この辺をちょっと調べるだけなら全然アリじゃねえか? さっきも言ったが連中に取ってこの辺は縄張りでも何でもねえからな」
状況を切り分けて、まずは俺のやりたい事を確認する。
ひとまず金を無駄にせずに済んだって訳だな。敵対的ではない種族であるようなら、オルバたち遊牧民だと思えば交渉も出来る。彼らに産物があるか次第だが、そこは気にしなくて良だろう。海でつながっている何処かで、適当な産物を探して来れる筈なのだから。問題はこちらの産物で欲しい物があるかどうかだ。
その上で、次の話が重要になる。
「こっちの件とは無関係に何か交渉があるのか? 海が荒れて大変だの、ヤバイだのどういう事なんだ? 場合によっては戦争とは言わないが問題が起きそうな様子だったが」
「漸くその話が出来るって訳だな。まず、南で嵐が起きてるらしい」
海が荒れると聞いて、判り易いのはやはり嵐だよな。
その想像通り、どうやら南にあるイル・カナンやイラ・カナンあたりでは嵐が起きている……と。この件から判るのは、嵐が水中にも影響を与えるという事だ。浅い海なら水を巻き上げてしまうだろうし、水流だって影響も出るだろう。陸から流れて来た残骸が彼らを傷つける事もあるだろう。
さて、問題なのはそれは何時ものことのはずだ。ヤバイって事ではないと思われるのだが……。
「海が荒れて一番困るのは、連中の産卵と子育てが邪魔されるって話だ。イザとなったら陸に逃げられるのがやつらの長所なんだが、嵐じゃそうもいかねえ」
「だいぶ読めて来たぞ。その、イザがやって来たんだな?」
「ああ。海の魔物……魔将程じゃねえが、凄いのが出たんだと」
おちついて産卵できないのでは種族のピンチだ。
確かに大ごとだし、それならば戦争も辞さないだろう。彼らの本拠がもっと南の方であるならば、ゴルビー付近まで安全な海域を探しにやって来たのだと思われる。第二塩田でこれまで遭遇しなかったのは、南で嵐が起きるのと産卵時期が重ならなかったのだろう。また、海の魔物の活動時期も微妙にずれて、魚人たちが移動する程の危険では無かったというのもあるだろう。
先ほど話に出た、戦わずに逃げても問題ないからこそ、今まではゴルビー付近の不毛な場所には来なかったのだ。
「と言う事は産卵のために浅い海を探している。場合によっては逃げ込める陸地を紹介して欲しい。戦う気はないが、そっちが魔物と思って戦争する気ならば無理やりにでも逃げ込む……と言う辺りか?」
「まさしくそうだ。大将なら話に乗ってくれると思って話を持って来た」
何とも言い難いが最悪、海の拠点案は捨てれば良い。
塩田に関しては守りを固めれば問題ないので何とでもなる。その上で、彼らが交渉に乗ってくれるならば言う事は無い。特にこちらで欲しい産物がなかったとしても、産卵場として浅瀬を提供すると言えば良いからな。
ただし、それでも条件はあると言うべきだろう。
「判った。目の前の海を解放すべく諸条件を話し合おう。最低でも、塩田やら何やらには影響を与えないことが前提になる。泳ぐための場所にしている囲いを、彼らの避難所としても良い」
「そうこなくっちゃな!」
こうして俺たちは予期せぬ魚人たちとの話し合いに突入したのである。
一週間ほどして冒険者たちが帰って来た。
だが、その表情が違う。一様に緊張した面持ちであり、単に危険を乗り越えたというわけではなさそうだった。
その中でも特に違っているのがイラ・カナン出身のミケロッティだった。
「てえへんだ! 海が荒れて魚人どもがヤベエらしい!」
「魚人? 海の亜人が攻めて来たのか!?」
思わぬ問題の勃発に騒然となる。
今までオロシャ周囲の国は一応とはいえ平和であったし、ゴブリンなどの亜人がうろつき回る程度の問題でしかなかったのだ。それが大挙して攻めてくるとなれば話は大きく変わる。
特に問題なのは、海は何処とでも繋がっているという事だ。少数に見えて、実は大軍だったと言う事になりかねない。
「そ、そうじゃねえ。そうなるかもしれねえけど……」
「まずは落ち着いて話せ。出来れば順番に頼む」
驚いている相手からまともな話が聞けるはずはない。
なので茶の一杯も出しつつ落ち着かせることにした。領主の仕事を俺にやらせようとアレクセイも居るのだが、先ほどから黙ったままなのは口を出しても混乱を助長するだけだからだ。
もちろん直ぐに正気に戻ったら世話はないので別の者が説明を始めた。
「それでは私から。予定通り三日ほど南下する過程で段々と下に砂が見えなくなりました。浅い場所も深い場所も入り混じる様になり、その中で妥当な中継ポイントを検討し始めました」
「浅い浜で作業も出来るし、やろうと思えば大型船も入れる場所だな?」
「ええ」
浅瀬ならば様々な作業可能で、魔物が来ても発見できるし対抗も出来る。
だが深い場所だとそうもいかないし、それこそ水棲の魔物に引きずり込まれたら対処すら不可能だ。その一方で大型船が接岸できないというゴルビーの問題を延長しているだけで、もしかしにそこで探索を中断して、妥協点としての港を作るという事も出来ない。また他の場所へ港を作ったり大型船を用意したとして、中継点に用意する予定の食料を回収できないのでは問題なのである。
なので全体的には浅瀬でありつつも、一角に深い場所があり、作業はそこを背にするのは避けるという事で意見が一致したという。
「半日ほどの時間を使い、その中で妥協できる場所に決めました。どうやら『彼ら』はその半日の間に、我々を監視していたようですね。食料を荷揚げして埋めようとしたところ、何をしているのかと声を掛けられました」
「という事は話が通じるのか?」
話していた騎士ではないかと思っている男、フョードルは頷いた。
この場合の話が通じるというのは、言語理解の問題だけではなく、価値観が通じ合って交渉や交易が出来る相手かと言う事である。ゴブリンやオーガとかは仮に言語が通じたとしても、そもそも信用ならないしな。魔将などはもちろん限度が通じるし賢いが、そもそも人を殺して勢力を拡げようという連中である。交渉など出来ようはずがない。
こういうと何だが……魚の頭という見た目とは裏腹に、まともな相手だと思われた。もっとも、まともであるからこそ、利害関係で敵対する可能性もある。その辺りは人間も同様だろう。
「いきなり襲い掛かってこなかっただけでも可能性はあると判断しました」
「どうするかを議論しようとした時、話だけでも聞くべきだとミケロが」
「どうも彼の居たイラ・カナンでは魚人というのは珍しくても、居ない訳ではないようです。話は通じるし、水の中で暮らすだけに、海では無視するべきではない相手だとも忠告されました」
ヒョードルの話では、こちらが理解するまで待ってくれたらしい。
魚人の見た目は異質であり、その事を嫌と言う程に知悉しているようだとも教えてくれた。見た目で亜人と判断すると、痛い目を見るかもしれない。言葉が通じたからと言って油断できるわけではないが、確かに流れを聞く限りは話くらいは効いた方がよさそうな気がする。
そこで再びミケロッティに話を振った。
「確認するが君は何処まで彼らの事を理解している? 陸に居る亜人の様に仮に目こぼししても、何処かで襲ってきたりはしないのか?」
「死んだ親父が昔から言ってたんだ。幾らでも逃げられるし、何処にでも連中だから縄張りには興味がねえ。陸の上ではウスノロでも水の中なら無敵だから、水辺で敵対だけはすんなってな。そんで、そんでよう。あいつらの特徴は……」
俺が尋ねるとミケロッティは一気にまくし立てた。
ここで俺を説得しないと、大事になると確信しているのだろう。まあ言いたいことは判る。水の中に棲んでいて、陸にも上がれるという事は単純に住む世界が二倍である。勝てる相手にだけ戦い、負ける相手には最初から挑まないという戦術が使えるのだ。しかも海流に乗って移動できるから、種族全体が遊牧民みたいなもんだよな。
そして水の中で育つという事は、負荷がないから体格が大きくなるという事。だからこそ陸では足が遅いが、ホームグランドである水の中では無敵なのだ。
「あいつらは一人の決断が部族の決断なんだ。一人との約束が部族全員との約束だし、一人と喧嘩したらそれは部族全体を敵に回すってことだ。漁師は荒くれが多いが、奴らを敵にして暴れ立った噂は聞いた事がねえ」
「敵対するなって話は理解したよ。では本題だな」
全員に話を周知するというのは、何気に凄い事である。
例えば領主と話をして、交渉したことを領民すべてに適用できるかと言われたら怪しい。領主ですらそれなのだ、仮に騎士やら文官に話を通しても、別の担当であるとか民間の連中はまったく通じない可能性があるだろう。遊牧民なら家長の権限が強そうなのと、部族会議とかあるだろうから理解できなくはないんだけどな。
それを考えると部族が即座に一丸となって行動する、魚人たちは羨ましいやら恐ろしいやらである。
「第一に任務は果たせそうなのか? 第二にソレに対して相手は何かを要望して来たのか? 第三に……」
「ちょっと待ってくれ。いきなり答えられねえよ」
とりあえず、魚人の件とは別に俺が頼んだことを尋ねてみよう。
別に海の隅々を知りたいわけではないので、何処かに拠点を作りたい。もちろん魚人たちが海を全て掌握しているというならば、迂闊にこちらが勢力圏を広げるのは問題だろう。最悪の場合、第二塩田を維持しつつ、海側を閉鎖することもあり得る。
まあ話が出来るという事は、そこまで酷い事にもならないだろうが。
「じゃあシンプルに聞こう。南に拠点となる港を作ることに問題は?」
「ええと……この辺をちょっと調べるだけなら全然アリじゃねえか? さっきも言ったが連中に取ってこの辺は縄張りでも何でもねえからな」
状況を切り分けて、まずは俺のやりたい事を確認する。
ひとまず金を無駄にせずに済んだって訳だな。敵対的ではない種族であるようなら、オルバたち遊牧民だと思えば交渉も出来る。彼らに産物があるか次第だが、そこは気にしなくて良だろう。海でつながっている何処かで、適当な産物を探して来れる筈なのだから。問題はこちらの産物で欲しい物があるかどうかだ。
その上で、次の話が重要になる。
「こっちの件とは無関係に何か交渉があるのか? 海が荒れて大変だの、ヤバイだのどういう事なんだ? 場合によっては戦争とは言わないが問題が起きそうな様子だったが」
「漸くその話が出来るって訳だな。まず、南で嵐が起きてるらしい」
海が荒れると聞いて、判り易いのはやはり嵐だよな。
その想像通り、どうやら南にあるイル・カナンやイラ・カナンあたりでは嵐が起きている……と。この件から判るのは、嵐が水中にも影響を与えるという事だ。浅い海なら水を巻き上げてしまうだろうし、水流だって影響も出るだろう。陸から流れて来た残骸が彼らを傷つける事もあるだろう。
さて、問題なのはそれは何時ものことのはずだ。ヤバイって事ではないと思われるのだが……。
「海が荒れて一番困るのは、連中の産卵と子育てが邪魔されるって話だ。イザとなったら陸に逃げられるのがやつらの長所なんだが、嵐じゃそうもいかねえ」
「だいぶ読めて来たぞ。その、イザがやって来たんだな?」
「ああ。海の魔物……魔将程じゃねえが、凄いのが出たんだと」
おちついて産卵できないのでは種族のピンチだ。
確かに大ごとだし、それならば戦争も辞さないだろう。彼らの本拠がもっと南の方であるならば、ゴルビー付近まで安全な海域を探しにやって来たのだと思われる。第二塩田でこれまで遭遇しなかったのは、南で嵐が起きるのと産卵時期が重ならなかったのだろう。また、海の魔物の活動時期も微妙にずれて、魚人たちが移動する程の危険では無かったというのもあるだろう。
先ほど話に出た、戦わずに逃げても問題ないからこそ、今まではゴルビー付近の不毛な場所には来なかったのだ。
「と言う事は産卵のために浅い海を探している。場合によっては逃げ込める陸地を紹介して欲しい。戦う気はないが、そっちが魔物と思って戦争する気ならば無理やりにでも逃げ込む……と言う辺りか?」
「まさしくそうだ。大将なら話に乗ってくれると思って話を持って来た」
何とも言い難いが最悪、海の拠点案は捨てれば良い。
塩田に関しては守りを固めれば問題ないので何とでもなる。その上で、彼らが交渉に乗ってくれるならば言う事は無い。特にこちらで欲しい産物がなかったとしても、産卵場として浅瀬を提供すると言えば良いからな。
ただし、それでも条件はあると言うべきだろう。
「判った。目の前の海を解放すべく諸条件を話し合おう。最低でも、塩田やら何やらには影響を与えないことが前提になる。泳ぐための場所にしている囲いを、彼らの避難所としても良い」
「そうこなくっちゃな!」
こうして俺たちは予期せぬ魚人たちとの話し合いに突入したのである。
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