魔王を倒したので砂漠でも緑化しようかと思う【完】

流水斎

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第一章

『作中情報のまとめ。1』

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 作中内の風土記。
情報が多く成って来たので付記しました。
再び多くの情報が増えて判り難くなった時に追加するかと思います。

『オロシャ国』
 縦に長い国で北は寒く、南は暑い。

それほど名前のバリエーションのある国ではなく、貴族であればファーストネームの後に父や母の名前を付けセカンドネームとしている(初代はペンネームの様に望む名前を付ける)。最後に住んでいる場所が家名として付けられるが……最下層の農奴には家名が無く、一般市民は村や地区の名前、貴族は地方の名前となる。もちろん国王一家はオロシャ。

『ゴルビー地方』
 オロシャの南東に位置する辺境で、砂と荒野ばかりの土地。山脈や丘が連なっており、右手の指でOKマークを描くと判り易い。親指と人差し指で造る半円状の場所に領都であるゴルベリアスがあり、他の指の前後に幾つかの寒村が存在する。小指の向こう側には海が広がっており、北東側には砂漠を挟んで遊牧民が居住し、その向こうには『夏王朝』という大国が存在する。

『オロシャ国の貴族制』
 伯爵を基軸とし、地方領の領主は基本的に伯爵。小さい豪族などが男爵にあたる。公爵は王族のみが、侯爵は歴代の功臣のみが名乗りを許される。意外かもしれないが、子爵は伯爵以上の副将・後継者としての長男の事を示す。これを大臣や騎士団にも適用しており、それぞれの長官が伯爵、課長クラスが男爵。子爵は副長官となる。同様に幾つかある騎士団(要塞守備隊)の団長が伯爵で、部隊長が男爵、副将が子爵。総騎士団長と宰相が侯爵にあたり、王族が兼ねている場合は公爵がこれに当る。こうした名前の観点から、たいがいは地方名か役職名を聞くと相手がダイレクトに判る様になっている。

伯爵。
 地方領主・騎士団長(要塞司令官)・長官級の文官。
(公爵=王族。侯爵=累代の功臣・総騎士団長・宰相)

男爵。
 小さな地域の領主。騎士隊長・課長級の文官。

子爵。
 伯爵以上の存在が、後継者・副団長・副長官として任命する者。

『遊牧民』
 オロシャ国の東側に住んでいる民族。特に苗字は持たず、その人物を示す名前と、部族名だけでだいたい判る大きな家族社会を構成している。オロシャ国の村一つが300人ほどだとするならば、遊牧民たちは100名程度の大家族単位で移動を続けている(もちろんその分だけ強い)。『●●族三百戸』と言う単語が出てきた場合、その部族は100x300の3万人ほどの構成で成立している。

『夏王朝』
 オロシャより遥か東の方にある巨大な国家。文化一等の地で、西にある教会系の国家よりも文明は進んでいる。ただし間にあったラーンなど都市国家群が、魔王軍の被害で幾つも壊滅しており、遊牧民との緩衝材が無くなって大変な模様。皇帝家である黄(央)家、小王である白(西)家ら四家と、その配下の貴族という連合帝国になっている。苗字に関しては皇帝家と小王家の収める者たちは現色の色彩とし、親族の都市は紅や銀などの派生色。これに都市の古さである数字や景勝地名がセカンドネームであり、受け継いだ家職にちなんだ名前がファーストネームとなる。(例として紅四衛であれば南領第四都市の衛視の子、黄三硯であれば中央第三都市の学者の子である可能性が高い)。

『魔族の地』
 オロシャより南東、ゴルビーから見ると南南東に位置する大きな島で、そのまま暗黒の島と呼ばれている。海を渡って北側(オロシャから見れば東)にある都市国家や夏王朝西領の一部で暴れ回った。現在は当代の魔王と魔将たちの大半を討ち取られ、勢力を大きく減じて衰退期に入った。夏王朝が復興すれば暗黒の島を攻めるとも、そうはさせまいと陰謀を繰り広げているとも噂される。

『加護』
 この世界の人間には主神である『法の神』により、平均的でそれなりに強い有用な加護が存在していた。だが魔族の神である『混沌の神』は、魔族たちに大小さまざまな加護を気に入った分だけ、重点的に与えている。このため人間たちはまともに戦う事が難しく、非常に強力な『勇者』『聖女』『剣聖』『賢者』など幾つかの加護を人間たちに与えてバランスを取ろうとしたという(そして強さゆえに、まとまりがなかった)。

『呪文の覚え方』
 ひたすら呪文を唱えるか、書き写して経験を得てレベルを上げていく。
専門性によって難易度が違い、原点である魔法と派生の魔術、過渡期の専門魔法とその魔術がある。

 作中登場人物。

『ミハイル・ゴーリーキー・ゴルビー男爵』二十代後半。
 主人公。この世界にやって来た転生者の元少年(過去形)。加護がある世界で特に強力な加護を持たず、代わりにそれまでの世界で培った経験を、こちらの世界のスキルや魔法に振り替えてもらっている。いわば地球での知識が主人公にとっての加護である。ファーストネームは大天使ミカエルから、セカンドネームはゴーレムを見ての感想から来ている。

なお、主人公がゴーレム創造魔法を覚えたのは、彼の人生分の経験を持って一点特化しても魔将すら倒せないと言われたため。大魔法使いを目指すとまるで足りないので、ゴーレム魔法を中心とした生産系に偏っている(魔法に関しては、弟子を育て始めてから記載予定)。現在では十年分の修練と実戦経験もあり、それなりに魔法の腕は上がっている模様。

『レオニード・ニカ・ブレイジン』四十代前半。
 勇者軍に戦力を提供していた国の一つ、オロシャ国の貴族。代々忠臣の家系で国王が生まれる前、『我が子にレオニスと名付ける』と聞かされ、その名前にあやかってレオニードとファーストネームを戴いている。その人物は好感が持てるナイスミドルだが、貴族なので普通に他人を利用することに長けている。面倒見を申し出ている代わりに、主人公をコキ使ったり利益を吸い上げているそうな。

『レオニス・イワノフ・オロシャ』四十代前半。
 勇者軍を構成するアイデアが持ち上がった時、腹心のレオニードを派遣することで国家の名声を高めると同時に、前進防御として国内から打ち払いその方向性を定めさせた。新参の貴族には税金をしれっとあげているとか貴族年金が無いとか、現実を見て対処する手腕もあるようだ(たいがいは側近が提案しているが)。ミハイルに温情的な態度を見せているのは、利益が上がることとその保護で名声が上がる事を見込んでいるのかもしれない。

『ユーリー・ヴァレンティ・アンドラ』十二歳。
 滅びたアンドラ家の娘。一時的にアンドラからオロシャになって、ゴルビーに変わる予定。国王の妾である母親以外は全滅した為、有力な後見者もおらず宙に浮いていた存在である。貴族の義務を果たせなくなったことでアンドラ家は断絶したが、主人公との間に子供が複数人出来れば継承されることになるだろう。その場合は領地こそ快復出来ないが、貴族年金と貴族議会での議席は得られる模様(国庫に毎年の税金さえ払えば)。


『アレクセイ・コイスギヌ』
 ゴルビーの代官で、今は筆頭行政官として切り盛りしている。

『ニコライ・ペドチャウネン』
 ブレイジンの都市で二番目の商人。レオニード伯爵の伝手でゴルビーにもやって来ている。
利権を得るの際、出資の代わりに娘たちを妾兼弟子として勧めている。

『セシリア』
 ニコライの娘で姉・赤毛・そばかす・やせぎす。加護は魔力容量。

『アンナ』
 ニコライの娘で妹・赤毛・ぽっちゃり。加護は魔力回復。
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