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三章 《カーラヤー》暮らし三日目。
買い物。
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「食糧……カップ麺以外買いに行こうと思うんだけど……何買ってきたらいいと思う?」
「とりあえず昨日話してた袋麺とー、お米とー……あとは、ソーメンも追加してー」
朝飯とも昼飯とも言いづらい食事を終え、あかりーに聞いてみればそんな返事が返ってくる。
「炭水化物ばっかりじゃないか」
「とりあえずよ、とりあえず。野菜とかナマモノ買っても料理できなかったら傷んじゃうだけなんだからー」
ごもっともである。
「ツナ缶とポーク缶……ポチギもあると楽だしー……それ以外は、その時食べたいものくらいで良いんじゃない?」
ずいぶんと適当な答えだった。
「ま、一緒に行ってあげるから大船に乗ったつもりで任せなさーい!」
「頼りにしてるよ」
胸を張るあかりーに苦笑しながら、外出する準備を整える。
寝巻きでも散歩くらいならできる格好だけど、買い物に行くとなるとちょっと恥ずかしいからな。
「いざ! 買い物にしゅっぱーつ!」
「人乗せて運転するの慣れてないから大人しくしててくれよー」
「はーい!」
着替えて戸締まりをした後、ノリノリで車に乗り込んだあかりーに釘を刺しつつ出発する。
この辺りにも農協系の小さなスーパーや大手のコンビニは、あるが大きな買い物をするには、やや高い。
なので目指すは、車で十分、十五分程度にある県内で大手のスーパーだ。
大手県内企業のスーパーは、俺が知るだけでも三社。
県外企業と張る三つのAところや二十四時間やってるところもあるが、家は……というより母さんが鳥っぽい看板のスーパーを推している。
実家の近くにあるのと生鮮食品が比較的安いのが良いんだそうだ。
そんなわけで俺も向かうは、鳥のマークのスーパーである。
畑と民家ばかりの県道を安全運転で進みやってきたのは、ほどほどに発展しているエリア。
役場もあるし、スーパーも複数点在し、ファーストフードの店だってある中心地だ。
それでも那覇と比べるとそれなりだなって思うけど。
「ヒカルーにーにー、お菓子買ってもいいー?」
「いいけど、一つな」
「やったー!」
目的のスーパーに到着して、カートを押しながら、中をうろつく。
最初に目に入るは、野菜。キャベツにニンジン、ピーマン、たまねぎ……その他たくさん。
さてさて、何を買うか……。
「食べたいものって言っても……野菜は、特になぁ……」
「好き嫌いは、ダメだよー」
「いや、別に嫌いって訳じゃないけど……野菜買うくらいなら肉買いたい」
あれば食べるけど、野菜買う分の金額を肉に当てたいと思うのだ。
肉は、美味い。
「確かにお肉美味しいけどねー……あ、こういうの便利じゃない?」
あかりーの指差す先を見たら、切られた野菜の入ったパックがある。
カット野菜とか言われているヤツだ。
「高くあたるかも知れないけど、一人暮らしならちょうどいいかもな……とりあえず二つ買っとくか」
一人でキャベツ一玉とか使いきれる気がしないし、今はこれでいいだろう。
これで足りないと感じたら普通の野菜買えばいいし。
カット野菜をカゴに放り込んで、足を進める。
次は、魚コーナーに差し掛かるが今日は見送る方針で。
県産のカラフルな魚も並んでたりしてみる分には楽しいんだけど魚より肉が食べたいのだ。
「さて……何にしよう」
肉売場に並ぶは、白トレイ鶏肉に豚肉に牛肉と鉄板の肉。どれも食べたい。
「量食べるなら鶏肉か……?」
「値段的には、そうだね。ちなみに、生じゃなくて冷凍もあるよー。保存するならこっちがおすすめー」
「……なんで?」
「生は、一度解凍されてたりするからもう一回冷凍すると味が落ちるとかなんとか……」
「詳しくは、ないんだな」
たぶんテレビからの受け売りみたいなものだろう。俺もなんとなく聞いたことあるし。
「まあ、すぐ使うだろうし……これでいいか」
手に取るは、生のぶつ切りにされた鶏肉。ちょっと高くは、なるが自炊初心者。
楽できるところは、楽させて貰うとしよう。
「あとは、乾麺と缶詰か……」
「その二つならあっちー」
「はいはい、あっちな」
その後、あかりーの案内で予定していた物をカゴに入れていった。
「とりあえず昨日話してた袋麺とー、お米とー……あとは、ソーメンも追加してー」
朝飯とも昼飯とも言いづらい食事を終え、あかりーに聞いてみればそんな返事が返ってくる。
「炭水化物ばっかりじゃないか」
「とりあえずよ、とりあえず。野菜とかナマモノ買っても料理できなかったら傷んじゃうだけなんだからー」
ごもっともである。
「ツナ缶とポーク缶……ポチギもあると楽だしー……それ以外は、その時食べたいものくらいで良いんじゃない?」
ずいぶんと適当な答えだった。
「ま、一緒に行ってあげるから大船に乗ったつもりで任せなさーい!」
「頼りにしてるよ」
胸を張るあかりーに苦笑しながら、外出する準備を整える。
寝巻きでも散歩くらいならできる格好だけど、買い物に行くとなるとちょっと恥ずかしいからな。
「いざ! 買い物にしゅっぱーつ!」
「人乗せて運転するの慣れてないから大人しくしててくれよー」
「はーい!」
着替えて戸締まりをした後、ノリノリで車に乗り込んだあかりーに釘を刺しつつ出発する。
この辺りにも農協系の小さなスーパーや大手のコンビニは、あるが大きな買い物をするには、やや高い。
なので目指すは、車で十分、十五分程度にある県内で大手のスーパーだ。
大手県内企業のスーパーは、俺が知るだけでも三社。
県外企業と張る三つのAところや二十四時間やってるところもあるが、家は……というより母さんが鳥っぽい看板のスーパーを推している。
実家の近くにあるのと生鮮食品が比較的安いのが良いんだそうだ。
そんなわけで俺も向かうは、鳥のマークのスーパーである。
畑と民家ばかりの県道を安全運転で進みやってきたのは、ほどほどに発展しているエリア。
役場もあるし、スーパーも複数点在し、ファーストフードの店だってある中心地だ。
それでも那覇と比べるとそれなりだなって思うけど。
「ヒカルーにーにー、お菓子買ってもいいー?」
「いいけど、一つな」
「やったー!」
目的のスーパーに到着して、カートを押しながら、中をうろつく。
最初に目に入るは、野菜。キャベツにニンジン、ピーマン、たまねぎ……その他たくさん。
さてさて、何を買うか……。
「食べたいものって言っても……野菜は、特になぁ……」
「好き嫌いは、ダメだよー」
「いや、別に嫌いって訳じゃないけど……野菜買うくらいなら肉買いたい」
あれば食べるけど、野菜買う分の金額を肉に当てたいと思うのだ。
肉は、美味い。
「確かにお肉美味しいけどねー……あ、こういうの便利じゃない?」
あかりーの指差す先を見たら、切られた野菜の入ったパックがある。
カット野菜とか言われているヤツだ。
「高くあたるかも知れないけど、一人暮らしならちょうどいいかもな……とりあえず二つ買っとくか」
一人でキャベツ一玉とか使いきれる気がしないし、今はこれでいいだろう。
これで足りないと感じたら普通の野菜買えばいいし。
カット野菜をカゴに放り込んで、足を進める。
次は、魚コーナーに差し掛かるが今日は見送る方針で。
県産のカラフルな魚も並んでたりしてみる分には楽しいんだけど魚より肉が食べたいのだ。
「さて……何にしよう」
肉売場に並ぶは、白トレイ鶏肉に豚肉に牛肉と鉄板の肉。どれも食べたい。
「量食べるなら鶏肉か……?」
「値段的には、そうだね。ちなみに、生じゃなくて冷凍もあるよー。保存するならこっちがおすすめー」
「……なんで?」
「生は、一度解凍されてたりするからもう一回冷凍すると味が落ちるとかなんとか……」
「詳しくは、ないんだな」
たぶんテレビからの受け売りみたいなものだろう。俺もなんとなく聞いたことあるし。
「まあ、すぐ使うだろうし……これでいいか」
手に取るは、生のぶつ切りにされた鶏肉。ちょっと高くは、なるが自炊初心者。
楽できるところは、楽させて貰うとしよう。
「あとは、乾麺と缶詰か……」
「その二つならあっちー」
「はいはい、あっちな」
その後、あかりーの案内で予定していた物をカゴに入れていった。
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