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二章 《カーラヤー》暮らし二日目。
一仕事の〆。
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二番座の片付けを終えると四時前になったのであかりーは、ここらで帰ることになった。
「明日も来るねー!」
自転車で去っていったあかりーに思う。明日も来るのか。と。
せっかくの春休みなのに友達と遊びに行ったりしないんだろうか。ここに居る俺が言えることじゃないけど。
「……草むしり続きするか」
一人になったのを少し寂しいと感じながら、中断していた草むしりに戻る。
「かっ……った!」
芝生から飛び出た雑草を引き抜こうとしたら花壇とは、比べ物にならないほどに抜けない。
「だあぁあああああ!」
両足を踏ん張り、力の限り引っ張っても抜けないとかどうなってるんだ。
「ぜぇ……ぜぇ……ははは……こんなに硬いとか嘘だろ……」
束の様に生えている雑草があまりに強固すぎて笑う。
人間は、強固な雑草に素手で勝てない……しかし、人間には、文明の利器がある! 花壇では、使わなかった鎌だ!
「切れる! 切れるぞ!」
怪我しないように気をつけながらスパスパと雑草を刈っていく。
いや、ホントこれ切れ味いいな!?
一握り……たぶん直径三センチくらいの太さがある束が簡単に切れるのがすごい。
難点は、中腰がしんどいくらいか。
芝生エリアの雑草は、転々と生えてるくらいだけど裏の畑は、本当にすごいことになってる。まさに草むら。ボーボーなのだ。
正徳おじさんが掃除しに来る時は、倉庫にあった草刈り機で一掃してたと思う。
便利だな。とも思う。
しかし、自分で使うとなるとちょっと怖い。
普通に怖い。
だって、テレビとかであるじゃん! 農業機械で大怪我! とか。
となると畑の草刈りは、鎌一択となるわけで……。
「若さで乗り切れる……はず……はぁ……」
表の庭より、母屋の敷地より広い畑を思いだし、思わずため息が出た。
「これくらいでいいかな……」
目立つ草を刈りつくし、スッキリした庭にやり遂げた気分になる。
「風呂入るかぁ」
一仕事終えたとなったら、ひとっ風呂ってのが定番だろう。
晴れた天気の下、何度も立ったりしゃがんだりしたから汗だくだし、絶対に気持ちいい。
集めた草を捨て、使った道具をしまってから着替えを取りに行く。
「ふふーん」
洗濯機の上に着替えとバスタオルを置いて、バスタブを洗い、お湯を溜める。
その間に服を脱いで、頭や体を洗って、バスタブに浸かった。
「あぁー……きもちぃーーー」
実家のものより広いバスタブ。足も伸ばせるし、なんなら前屈だって余裕でできる。
たぶん、二人入っても窮屈さを感じないレベルだろう。
欠点としては、お湯が溜まるのが遅いことだけど。それでも、この広さを満喫できるなら贅沢かな。
「あー、さいこー……」
ゆるゆると溜まっていくお湯に浸りながら、一日の疲れが抜けていくのを感じた。
「明日も来るねー!」
自転車で去っていったあかりーに思う。明日も来るのか。と。
せっかくの春休みなのに友達と遊びに行ったりしないんだろうか。ここに居る俺が言えることじゃないけど。
「……草むしり続きするか」
一人になったのを少し寂しいと感じながら、中断していた草むしりに戻る。
「かっ……った!」
芝生から飛び出た雑草を引き抜こうとしたら花壇とは、比べ物にならないほどに抜けない。
「だあぁあああああ!」
両足を踏ん張り、力の限り引っ張っても抜けないとかどうなってるんだ。
「ぜぇ……ぜぇ……ははは……こんなに硬いとか嘘だろ……」
束の様に生えている雑草があまりに強固すぎて笑う。
人間は、強固な雑草に素手で勝てない……しかし、人間には、文明の利器がある! 花壇では、使わなかった鎌だ!
「切れる! 切れるぞ!」
怪我しないように気をつけながらスパスパと雑草を刈っていく。
いや、ホントこれ切れ味いいな!?
一握り……たぶん直径三センチくらいの太さがある束が簡単に切れるのがすごい。
難点は、中腰がしんどいくらいか。
芝生エリアの雑草は、転々と生えてるくらいだけど裏の畑は、本当にすごいことになってる。まさに草むら。ボーボーなのだ。
正徳おじさんが掃除しに来る時は、倉庫にあった草刈り機で一掃してたと思う。
便利だな。とも思う。
しかし、自分で使うとなるとちょっと怖い。
普通に怖い。
だって、テレビとかであるじゃん! 農業機械で大怪我! とか。
となると畑の草刈りは、鎌一択となるわけで……。
「若さで乗り切れる……はず……はぁ……」
表の庭より、母屋の敷地より広い畑を思いだし、思わずため息が出た。
「これくらいでいいかな……」
目立つ草を刈りつくし、スッキリした庭にやり遂げた気分になる。
「風呂入るかぁ」
一仕事終えたとなったら、ひとっ風呂ってのが定番だろう。
晴れた天気の下、何度も立ったりしゃがんだりしたから汗だくだし、絶対に気持ちいい。
集めた草を捨て、使った道具をしまってから着替えを取りに行く。
「ふふーん」
洗濯機の上に着替えとバスタオルを置いて、バスタブを洗い、お湯を溜める。
その間に服を脱いで、頭や体を洗って、バスタブに浸かった。
「あぁー……きもちぃーーー」
実家のものより広いバスタブ。足も伸ばせるし、なんなら前屈だって余裕でできる。
たぶん、二人入っても窮屈さを感じないレベルだろう。
欠点としては、お湯が溜まるのが遅いことだけど。それでも、この広さを満喫できるなら贅沢かな。
「あー、さいこー……」
ゆるゆると溜まっていくお湯に浸りながら、一日の疲れが抜けていくのを感じた。
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