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二章 《カーラヤー》暮らし二日目。

見送り。

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「そろそろ帰るかなー」

 あかりーの農業高校プレゼンが終わると、時計を見たのぼるーが立ち上がる。

「のぼるーにーにー、仕事ー?」
「おー、続きやってくるわー」

 どうやら昼休みの途中だったらしい。あかりーのプレゼンに付き合わせて申し訳ないな……。

「時間取らせて、ごめん」
「いーよ、いーよ。楽しかったし。あかりー、あんまりヒカルーに迷惑かけるなよー」
「お世話してるのあかりーなんだけどー」

 やり取りを見ていると俺より兄貴してるなーと思う。俺も頼り甲斐のある男に慣れたらいいのにな。現状、へっぽこである。

「あっ、そうだ。ヒカルー、連絡先だけ交換してもいいかー?」
「え、あ……うん。いいよー」

 あんまり初対面の人とは、交換しないんだけど頼りになりそうだし交換しておこう。もし、仕事見つからなかったら頼るかもしれないし。

 メッセージアプリの連絡先を交換して、庭に降りたのぼるーを見送る。

「またなー」
「うん、またー」
「お仕事頑張ってねー」

 手を振るのぼるーが塀風ヒンプンの向こうに消え、しばらくするとお隣から車のエンジンが聞こえて遠ざかっていった。

「こんな熱いのに今から農業ってすごいなー」
「今は、まだ涼しいけど夏場も頑張ってるからすごいよー。真っ黒マックルーだもん」

 今より焼けるのか……。

「そうだ……あかりーは、今日いつまでいるんだ?」
「んー……四時前には、帰るかなー。それまでは、手伝うよ」

 時間的には、残り一時間ちょっとくらいか。となると……何してもらうかな。

「じゃあ、押し入れの整理でもしてもらっていいか?」

 タオル系は、洗濯したけど他にも色々入ってて整理しておきたいんだよな。

「わかったー」
「俺は……草むしりでもするかな」

 コンクリで埋められてる所はいいけど、芝生とか、花壇とか、畑がすごいことになってるんだよホント。

「あかりー、そっちでもいいよー?」
「いや、さすがに任せてくれ。……年上として」

 晴れた日に年下の女の子に草むしりさせて自分は、家の中で荷物整理って格好悪いだろう。

 かっこよくありたい。へっぽこでも。男なので。

「あと、重いものがあったらちゃんと呼ぶんだぞ」
「はーい!」

 元気のいい返事を聞いて、外の倉庫に向かう。さて、草むしり頑張りますかー。
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