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二章 《カーラヤー》暮らし二日目。
進路相談室。
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「お前の希望にあうのは、ないなぁ……」
久しぶりに来た高校で希望を伝えた開口一番に言われた言葉がこれである。
那覇にある普通高。一部就職に有利な学科もあるが俺は、一応進学かなぁ……くらいで選んだので普通科である。
その為、専門系を弾き、通勤時間の関係で那覇や那覇近辺の南部、中北部を弾いた結果良さげな求人は残っていなかった。
というより、元々求人自体那覇が多めらしい。
「那覇まで範囲を伸ばすつもりは、ないか?」
「実家だったら那覇一択だったんですけど……今別のところに居るんでそのあたりが良いんですよねぇ……」
「そうは、言ってもなぁ……」
俺の言葉に考え込む進路指導の先生。わがままなのは、自覚しているがあんまり長時間運転したくない。
車便利だし、行きたいところ行けるのは、いいんだけど通勤時間になるのは、勘弁願いたいのだ。
「んー……もう、ここじゃなくて職安とか、求人情報紙で探した方があるんじゃないか?」
「そうなります……?」
求人票から顔をあげた先生にがっくりと肩を落とした。
「できるだけ近いところに応募する事もできるが……こことかどうだ?」
先生が差し出してきた求人を確認すれば、確かに照屋の家から近い。車で二十分くらいだろうか。
できれば車で十分圏内だと嬉しかったのだが沖縄で暮らす以上、仕方ない範囲かもしれない。
「じゃあ、そこ応募してみます」
「わかった。それで履歴書の書き方だが……」
履歴書の書き方を教えてもらい応募用のものと落ちた時に予備を二枚目書いておくように言われた。
うっかり書き損じて何枚か無駄にしてしまったがなんとか書けた。
受験の時の志願書もだけど、大事な書類って修正液使えないからなぁ……。
書き損じた履歴書を勿体ないと思いながら捨てて、書けたものを提出しに行く。
「書けました」
「できたか。それじゃ、これは応募しておくな」
「お願いします」
一番綺麗に書けたものを先生に託し、進路指導室を後にした。
「……」
校舎を見上げれば、四時間目の授業をしているのか窓辺の生徒の顔が見える。
真剣な表情に自分も同じような顔をしてたのだろうか。
そんな事を考えながら、買い物に向かうべく駐車場へと足を進めた。
久しぶりに来た高校で希望を伝えた開口一番に言われた言葉がこれである。
那覇にある普通高。一部就職に有利な学科もあるが俺は、一応進学かなぁ……くらいで選んだので普通科である。
その為、専門系を弾き、通勤時間の関係で那覇や那覇近辺の南部、中北部を弾いた結果良さげな求人は残っていなかった。
というより、元々求人自体那覇が多めらしい。
「那覇まで範囲を伸ばすつもりは、ないか?」
「実家だったら那覇一択だったんですけど……今別のところに居るんでそのあたりが良いんですよねぇ……」
「そうは、言ってもなぁ……」
俺の言葉に考え込む進路指導の先生。わがままなのは、自覚しているがあんまり長時間運転したくない。
車便利だし、行きたいところ行けるのは、いいんだけど通勤時間になるのは、勘弁願いたいのだ。
「んー……もう、ここじゃなくて職安とか、求人情報紙で探した方があるんじゃないか?」
「そうなります……?」
求人票から顔をあげた先生にがっくりと肩を落とした。
「できるだけ近いところに応募する事もできるが……こことかどうだ?」
先生が差し出してきた求人を確認すれば、確かに照屋の家から近い。車で二十分くらいだろうか。
できれば車で十分圏内だと嬉しかったのだが沖縄で暮らす以上、仕方ない範囲かもしれない。
「じゃあ、そこ応募してみます」
「わかった。それで履歴書の書き方だが……」
履歴書の書き方を教えてもらい応募用のものと落ちた時に予備を二枚目書いておくように言われた。
うっかり書き損じて何枚か無駄にしてしまったがなんとか書けた。
受験の時の志願書もだけど、大事な書類って修正液使えないからなぁ……。
書き損じた履歴書を勿体ないと思いながら捨てて、書けたものを提出しに行く。
「書けました」
「できたか。それじゃ、これは応募しておくな」
「お願いします」
一番綺麗に書けたものを先生に託し、進路指導室を後にした。
「……」
校舎を見上げれば、四時間目の授業をしているのか窓辺の生徒の顔が見える。
真剣な表情に自分も同じような顔をしてたのだろうか。
そんな事を考えながら、買い物に向かうべく駐車場へと足を進めた。
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