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一章 《カーラヤー》暮らし一日目。
風呂掃除。
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裏庭にある農具用倉庫からホウキとチリトリを探しだして、母屋の横にある風呂とトイレに向かう。
「うわ、クモの巣張ってる……」
中を確認すると、長い間使われていなかった風呂場の天井付近にクモの巣が張っていたり、いつ入り込んだのかわからない葉っぱが転がっていた。
「トイレは、盆と正月で使うけど……風呂場は、おばぁ死んでから使ってないだろうからなぁ……」
掃除は、していたと思うけどそれでも使うことがなければ、汚れが見落とされるのも仕方がない。
水色の小さいタイルと白塗りの壁で構成されている風呂場に足を踏み入れ、正面に置かれた水色のバスタブを覗き込めば中がうっすらと黒ずんでいる。
「うわ……カビ? 埃? やだなぁ……」
これは、母屋以上に気合いを入れないと行けないかもしれない。
「洗濯機は……動くっと」
風呂場の片隅に置かれた洗濯機の電源を差し込めば、ピッという機械音が響き安心した。
使えない物があったら中古を買ってくれるらしいけど……中古とはいえいつまで住むかわからないのに買ってもらうというのは、申し訳ないんだよな。
「冷蔵庫も無事だったし、レンジも大丈夫って言ってた……後で連絡しておこう」
あかりーに伝えてもらうって方法もあるけどそれは、ちょっと責任感が無さすぎると思うし報連相は、大事にしていこう。小遣いにも関わるかもしれないしな。
任された人間としての使命を燃やしつつ、電気着くことも確認し、掃除に取りかかる。
床を掃き、外からホースを伸ばしてきてザックリと壁や天井付近の汚れを落としていく。もちろん、電源や電球を濡らさないように気をつけつつ。
「あ゛ぁ゛ーーーーー! やっぱりこびりついてるーーーーー!」
一通り壁と床を流してからデッキブラシで擦るもバスタブと同じような汚れがこびりついて、なかなか落ちない。
「うぉおおおおおお!」
雄叫びをあげ、洗剤を振り撒き、ひたすらにデッキブラシで擦る。擦る。擦る。
白い泡と黒い汚れが混じってグレーの泡を量産し続け、一通り壁と床を擦ったところで水を流す。
「うん、いいんじゃない」
敷き詰められた小さい青いタイルと白い壁が澄んだ色になったことに満足し、額の汗を腕で拭う。
「後は、バスタブと……」
なぜだか一際汚れているバスタブにため息を吐き、洗剤とスポンジを構える。
「だが、俺の敵じゃなーーーーーい!」
実家の俺の部屋……六畳より大きい風呂を磨ききった俺にとっていくら汚れていようとバスタブなど、敵じゃないのだ!
「落ちろーーーーー!」
ごしごしごしごしごしごし……っとバスタブを擦り続け、やや泡にまみれながらもなんとか強敵を倒すことができた。
「いいねいいね。ここまで綺麗になったら気持ちよく風呂にはいれるだろ」
輝く水色のバスタブに満足しながら腕を組む。なんというか本当に大仕事を終えた気分だ。
「最後にトイレっと」
掃除用具を片手に隣のトイレの扉を開ける。
開けた。
「ぎゃあああああああ!」
トイレの中に落ちる黒光りする羽を持ったそれに俺は、叫び声をあげたのだった。
「うわ、クモの巣張ってる……」
中を確認すると、長い間使われていなかった風呂場の天井付近にクモの巣が張っていたり、いつ入り込んだのかわからない葉っぱが転がっていた。
「トイレは、盆と正月で使うけど……風呂場は、おばぁ死んでから使ってないだろうからなぁ……」
掃除は、していたと思うけどそれでも使うことがなければ、汚れが見落とされるのも仕方がない。
水色の小さいタイルと白塗りの壁で構成されている風呂場に足を踏み入れ、正面に置かれた水色のバスタブを覗き込めば中がうっすらと黒ずんでいる。
「うわ……カビ? 埃? やだなぁ……」
これは、母屋以上に気合いを入れないと行けないかもしれない。
「洗濯機は……動くっと」
風呂場の片隅に置かれた洗濯機の電源を差し込めば、ピッという機械音が響き安心した。
使えない物があったら中古を買ってくれるらしいけど……中古とはいえいつまで住むかわからないのに買ってもらうというのは、申し訳ないんだよな。
「冷蔵庫も無事だったし、レンジも大丈夫って言ってた……後で連絡しておこう」
あかりーに伝えてもらうって方法もあるけどそれは、ちょっと責任感が無さすぎると思うし報連相は、大事にしていこう。小遣いにも関わるかもしれないしな。
任された人間としての使命を燃やしつつ、電気着くことも確認し、掃除に取りかかる。
床を掃き、外からホースを伸ばしてきてザックリと壁や天井付近の汚れを落としていく。もちろん、電源や電球を濡らさないように気をつけつつ。
「あ゛ぁ゛ーーーーー! やっぱりこびりついてるーーーーー!」
一通り壁と床を流してからデッキブラシで擦るもバスタブと同じような汚れがこびりついて、なかなか落ちない。
「うぉおおおおおお!」
雄叫びをあげ、洗剤を振り撒き、ひたすらにデッキブラシで擦る。擦る。擦る。
白い泡と黒い汚れが混じってグレーの泡を量産し続け、一通り壁と床を擦ったところで水を流す。
「うん、いいんじゃない」
敷き詰められた小さい青いタイルと白い壁が澄んだ色になったことに満足し、額の汗を腕で拭う。
「後は、バスタブと……」
なぜだか一際汚れているバスタブにため息を吐き、洗剤とスポンジを構える。
「だが、俺の敵じゃなーーーーーい!」
実家の俺の部屋……六畳より大きい風呂を磨ききった俺にとっていくら汚れていようとバスタブなど、敵じゃないのだ!
「落ちろーーーーー!」
ごしごしごしごしごしごし……っとバスタブを擦り続け、やや泡にまみれながらもなんとか強敵を倒すことができた。
「いいねいいね。ここまで綺麗になったら気持ちよく風呂にはいれるだろ」
輝く水色のバスタブに満足しながら腕を組む。なんというか本当に大仕事を終えた気分だ。
「最後にトイレっと」
掃除用具を片手に隣のトイレの扉を開ける。
開けた。
「ぎゃあああああああ!」
トイレの中に落ちる黒光りする羽を持ったそれに俺は、叫び声をあげたのだった。
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