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レッスン1 体の仕組みを学ぶ

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 その話は国王の寝室で、陛下のマッサージをしていた時に出た。

「カルブスよ。閨の指導をやってくれ」
「はい?」

「第一王子のアージノスが、先日目出度く精通したらしい。そろそろ閨を教えておかないとな」

「はあ……。王族担当の寡婦の方が、いらしたと記憶していますが」

 陛下はため息を一つ。

「それがな、体を壊したので領地に行ってしまったんだ。今お願い出来る未亡人は、少しばかり野心があってな。うかつに閨教育などお願いしたら、間違いなく孕んだと言ってくるであろう」
「避妊させましょうよ、ちゃんと」

「そこで儂は思いついたのだ。教えるの、別に男でもいいじゃないかって」
「男娼呼びましょうよ」

「というわけで、カルブス、そなたが最適解だ」

 他人ひとの話を全く聞いていない国王陛下であった。
 なし崩し的に王子の閨教育担当になってしまったカルブス・フェローチェである。

 カルブスは幼い頃に生殖機能を失っている。
 小水は出せるが、女性と交わることは出来ない。

 この国では生まれつきの身分に関わらず、有能でかつ生殖機能を持たない男性は、後宮を管理する仕事に就ける。

 カルブスは平民であったが、頭脳の明晰さと恐ろしく美しい外見を見出され、数年前から王宮に出仕しているのだ。



 さて当日となった。
 カルブスは王子の寝所へ向かう。

 第一王子のアージノスは、十二歳になったばかりだ。貴族が通う学園を卒業したら、立太子予定である。

 侍従に案内されて寝所へ入ると、アージノス王子は床上で座っていた。
 王子は、金髪に深い藍色の瞳を持つ美少年である。

「あなたが、カルブス伯か?」
「仰せの通りでございます、殿下。どうぞ、カルとお呼び下さい」

「あなたは、男のシンボルを持たない人だと聞いたが」

「ええ。エウノークスと呼ばれる者たちは、皆同じでござます」


 カルブスは着ていたローブを脱ぐ。
 細身の体を、女よりも白い肌が覆う。

 カルブスはローブの下には何も着けていなかった。

「どうぞ、ご覧ください。あるべきモノがないでしょう」

 微笑むカルブスにアージノスの顔真っ赤になる。
 長い黒髪が彼の乳首までかかり、赤みを帯びた瞳が妖しく光る。

 女性であれば絶世の美女。
 男であっても、美しさは損なわれていない。

 カルブスの裸体に、アージノスは生唾を飲み込む。

 そしておずおずと、カルブスの腰に手を伸ばした。  

「細いな」

「さあ、殿下もお脱ぎ下さい。教本を使っての指導など、わたしには向いていません」

「ど、どうするのだ……」

「実践、あるのみでございます」


 言われるがままに、アージノスは薄衣を脱ぐ。
 年齢の割には、薄く筋肉がついている。
 おそらくは剣術や体術の研鑽もしているのだろう。

 微かに震えているようなアージノスの肩を寄せ、カルブスは耳元で囁く。

「ますは口吻くちづけから覚えましょう」


 カルブスは己の唇で、アージノスのそれに重ねる。
 そのまま舌を入れて、アージノスの口内を蹂躙する。

「うっ……」

 一瞬目を開いたアージノスは、カルブスの舌を押し返そうとして逆に絡め取られ、息も出来ないままだ。
 注がれる唾液を飲み込みながら、アージノスは己のモノが屹立しているのを感じた。

 男なのに!
 男との口づけで、勃つなんて!

「キスは、初めて?」

 唇を離して問うカルブスの声は、ひたすら甘い。
 アージノスの脳がくらくらする。

「ああ……」

「では、今日は初めてのことばかりになるでしょう」

 カルブスはアージノスをベッドに横たえ、再度深いキスをする。
 今度はアージノスも、自分からカルブスの舌に絡んでいく。

 アージノスの口の端から唾液が垂れると、カルブスはそれも舐めとる。

「さすが殿下。習得がお早い」

 カルブスの唇は首筋に移り、小さな赤い花を咲かせながら、胸まで到達する。
 アージノスの固い乳首をいたぶるように吸い上げる。

「うう……あっ」

「感じやすいですね、殿下。ここは女性も感じる場所です。こんな風に扱ってあげて下さい」

 カルブスは片側の乳首を指で捩じり、もう一つの乳首を吸い続ける。
 股間の茎がムクムクと成長し、なおかつ先端から粘液を出している。

 カルブスは唇をどんどん下へと向かわせる。
 脇から腰へ赤い花びらを生み出しながら、下腹部へと到着する。

 カルブスがアージノスの肉茎を握る。

「あ、ちょっ! そこは!」

「男として大切なモノです。特に殿下はコレを使って、後継者を作っていかなければならない」

 滴る粘液をチロチロと舐め、カルブスの舌は裏筋を往復する。
 何度も何度も何度も……。

「いや、ダメ! そんな」

「出していいですよ。出したいでしょう」

「いやだ! やめて!」

 射精を堪えるアージノスに微笑みながら、カルブスは肉系の先端を口に含む。

 ジュポジュポと音がする。
 唾液と先走り液が混ざった、淫靡な音だ。

 一際、アージノスの肉茎が大きくなる。

「ああああ! 出る!」

 カルブスの口中に、若草のような匂いが広がる。
 白い液体が放たれたのだ。


「だ、出して! 吐き出してよカル」

 慌てるアージノスの前で、カルブスは音を立てて、白い液体を吞み込んだ。

「美味しくいただきました」


 アージノスの額には、粒のような汗が受かんでいる。
 何もしたくない、考えたくない。

 息を整えアージノスは訊く。

「今日の、勉強はおしまい?」

 カルブスはアージノスの汗を拭きながら答える。

「いえ、これからが本番です」
 
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