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終末の死神編
65話 夕暮れの別れ
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リリスが放った魔法は荒魂の結晶化した部位に当たって爆発した
衝撃で荒魂の体が砕け、中から気味の悪い青年が姿を現す
亜神を喰らったあの青年だった
青年に戻った荒魂は黒く空いた目と口を歪ませ怒っている
「はっ! あいつ怒ってるぜ さっきの威勢はどうした?」
「挑発し過ぎ」
影鎌を握り直す
荒魂は腕を伸ばしディーを掴み引き裂こうとする
「くっ!」
影鎌で切り落とすが、切り落とされた腕が動き断面同士がくっつき元に戻る
「腕を切り落とすだけじゃだめみたいだな」
「むぅ」
荒魂がまた腕を伸ばしてくる
追いかけてくる腕をかわしながら荒魂に近付き胴体を真っ二つにするが切り落とされた腕の時のようにくっついて元通りになってしまう
その後も撃ったり切り裂いたりしたが直ぐに体をくっつけて元に戻ってしまう
「ちっ ピンピンしてやがるぜ 不死身か?」
「そんなわけ無い」
「そうだよなぁ」
当たった銃弾はそのままだが痛がる素振りも無くまるで人形のようだ
「人形・・・ディー 別に本体があるのかも」
「本体は別・・・ならあの残骸が怪しいな」
砕けた荒魂の残骸を調べようと向かうが荒魂がそれを阻止するかのように立ちはだかる
「素直に通してくれねぇところを見るとレゼの言ったとおりあそこに本体がいるかも知れねぇな!」
ジャッカルを撃ち、死角から影鎌で切り裂く
切り落とさずギリギリくっついている状態にし影で動きを封じる
影で縛り上げたまま遠くへ放り投げる
レゼから一定の距離を離れると影は消えてしまうが時間は稼げるだろう
荒魂が戻って来る前に亜神の残骸を調べる
「ただの砕けた結晶の山だな」
「むぅ 違ったかな?」
レゼの後ろにある結晶の山からゲル状の物体が襲いかかってくる
ゲル状の物体は触手のようにうねりレゼの体に纏わり付く
至近距離だったためかわすことができず体の自由を奪われる
「くっ うぅ」
「レゼ! ちっ このやろぅ!レゼにくっついてんじゃねぇ!」
ジャッカルでレゼに絡みついたゲル状の物体だけを撃ち抜く
拘束が緩むと掴み剥がす
「ごほ ごほ」
剥がしたゲル状の物体を地面に叩き付けた後、地面が凹む程踏み潰す
踏み潰された物体は千切れ飛び欠片だけが足下に残った
「ディー 欠片がある 僕は平気だから足を退けて」
「あ あぁ」
逆立っていた毛が戻る
「あのブヨブヨしたの 荒魂だった」
死神の鎌で欠片砕くと上空のゲートが閉じ始める
赤く染まっていた空は普通の夕暮れ空になりどこまでも広がり空に浮かぶ時計は凄い勢いで回りだした
短い針が一周すると全ての針が止まり生きていた人達が意識を失う
体から魂が抜け出て世界が薄くぼんやりし始める
「どうしたんだ?」
「何が起こってる?」
「大丈夫よ 世界が再構築を始めただけだから この世界は荒魂に破壊されていないわ」
体が薄くなったリリスがいつの間にか側にいて言う
「くぅっ この世界も終わったか」
腕と腰を伸ばす
「うん」
「ありがとう アナタ達のおかげで世界は破壊されずに済んだわ」
「おう それにしてもリリス 体透けてねぇか?」
「あぁ これはね 体が機能停止したから 核だけで体から抜け出てきたの だから体はそこにちゃんとあるわよ まぁ今の私は幽霊?みたいな存在かしら」
ランタンが集めた記憶の光がレゼ達を飲み込み始める
「もうお別れね アナタ達に出会えて楽しかったわ 別の世界でも元気でいるのよ」
「おう」
「うん」
更に世界が輪郭を失いリリスの顔も良く見えなくなると光に包まれた
光が晴れ周囲がはっきり見えるようになると執務室の様な部屋に変わっていた
「お帰りっす 荒魂を全て狩り終わってしまったっすね・・・」
なんだかリーデルの元気が無いような気がする
「リーデル 久しぶり」
「連絡取れなくなって大変だったんだぜ」
「それは・・・こっちも色々あって・・・最後にサポート出来なくて申し訳ないっす」
「まぁリリスに助けて貰ったから平気だったけどな」
「やぁ ご苦労さん こんなに早く全ての欠片を回収できるなんて思わなかったよ びっくりびっくり」
「テオドール!? 俺たちになんか用か!ガルルルゥ!!」
この前の事があってかディーはテオドールを威嚇する
「別に特別な用は無いよ ただ全てが終わったから 最後の仕上げをしに来ただけさ」
「最後の仕上げ?」
「そうだよ 全ての欠片を回収し終えたので君たちの世界を復元する事ができるのさ そのための準備みたいなものさ」
パチンッとテオドールが指を鳴らす
レゼとディーにはめられていた幻魔石とランタン型の耳飾りが外される
「これはもう必要ないから回収させてもらうよ・・・ではこれでお別れだ」
パチンッとまたテオドールが指を鳴らすとレゼとディーが別々のガラス玉に閉じ込められる
「何の真似だ テオドール!」
「すまないね これが神々の決定さ」
チョーカーが起動してレゼとディーの体が塵に変わっていく
「ちゃんと作動しているようだね」
「レゼ!」
ガラス玉を壊そうとジャッカルを錬成しようとするが上手くいかない
「どうして レゼ! レゼ!」
ガラス玉の内側から拳を何度も何度も叩き付ける
「ディー!」
お互いの声は聞こえない
どんどん体が塵になって力が抜けていく
「レゼ! 嫌だ! 消えないでくれ!お願いだ! 俺はレゼともっともっと一緒にいたいんだ!」
「ディー 泣かないで 約束したから・・・僕はずっと一緒だよ
例え塵になって消えても・・・」
衝撃で荒魂の体が砕け、中から気味の悪い青年が姿を現す
亜神を喰らったあの青年だった
青年に戻った荒魂は黒く空いた目と口を歪ませ怒っている
「はっ! あいつ怒ってるぜ さっきの威勢はどうした?」
「挑発し過ぎ」
影鎌を握り直す
荒魂は腕を伸ばしディーを掴み引き裂こうとする
「くっ!」
影鎌で切り落とすが、切り落とされた腕が動き断面同士がくっつき元に戻る
「腕を切り落とすだけじゃだめみたいだな」
「むぅ」
荒魂がまた腕を伸ばしてくる
追いかけてくる腕をかわしながら荒魂に近付き胴体を真っ二つにするが切り落とされた腕の時のようにくっついて元通りになってしまう
その後も撃ったり切り裂いたりしたが直ぐに体をくっつけて元に戻ってしまう
「ちっ ピンピンしてやがるぜ 不死身か?」
「そんなわけ無い」
「そうだよなぁ」
当たった銃弾はそのままだが痛がる素振りも無くまるで人形のようだ
「人形・・・ディー 別に本体があるのかも」
「本体は別・・・ならあの残骸が怪しいな」
砕けた荒魂の残骸を調べようと向かうが荒魂がそれを阻止するかのように立ちはだかる
「素直に通してくれねぇところを見るとレゼの言ったとおりあそこに本体がいるかも知れねぇな!」
ジャッカルを撃ち、死角から影鎌で切り裂く
切り落とさずギリギリくっついている状態にし影で動きを封じる
影で縛り上げたまま遠くへ放り投げる
レゼから一定の距離を離れると影は消えてしまうが時間は稼げるだろう
荒魂が戻って来る前に亜神の残骸を調べる
「ただの砕けた結晶の山だな」
「むぅ 違ったかな?」
レゼの後ろにある結晶の山からゲル状の物体が襲いかかってくる
ゲル状の物体は触手のようにうねりレゼの体に纏わり付く
至近距離だったためかわすことができず体の自由を奪われる
「くっ うぅ」
「レゼ! ちっ このやろぅ!レゼにくっついてんじゃねぇ!」
ジャッカルでレゼに絡みついたゲル状の物体だけを撃ち抜く
拘束が緩むと掴み剥がす
「ごほ ごほ」
剥がしたゲル状の物体を地面に叩き付けた後、地面が凹む程踏み潰す
踏み潰された物体は千切れ飛び欠片だけが足下に残った
「ディー 欠片がある 僕は平気だから足を退けて」
「あ あぁ」
逆立っていた毛が戻る
「あのブヨブヨしたの 荒魂だった」
死神の鎌で欠片砕くと上空のゲートが閉じ始める
赤く染まっていた空は普通の夕暮れ空になりどこまでも広がり空に浮かぶ時計は凄い勢いで回りだした
短い針が一周すると全ての針が止まり生きていた人達が意識を失う
体から魂が抜け出て世界が薄くぼんやりし始める
「どうしたんだ?」
「何が起こってる?」
「大丈夫よ 世界が再構築を始めただけだから この世界は荒魂に破壊されていないわ」
体が薄くなったリリスがいつの間にか側にいて言う
「くぅっ この世界も終わったか」
腕と腰を伸ばす
「うん」
「ありがとう アナタ達のおかげで世界は破壊されずに済んだわ」
「おう それにしてもリリス 体透けてねぇか?」
「あぁ これはね 体が機能停止したから 核だけで体から抜け出てきたの だから体はそこにちゃんとあるわよ まぁ今の私は幽霊?みたいな存在かしら」
ランタンが集めた記憶の光がレゼ達を飲み込み始める
「もうお別れね アナタ達に出会えて楽しかったわ 別の世界でも元気でいるのよ」
「おう」
「うん」
更に世界が輪郭を失いリリスの顔も良く見えなくなると光に包まれた
光が晴れ周囲がはっきり見えるようになると執務室の様な部屋に変わっていた
「お帰りっす 荒魂を全て狩り終わってしまったっすね・・・」
なんだかリーデルの元気が無いような気がする
「リーデル 久しぶり」
「連絡取れなくなって大変だったんだぜ」
「それは・・・こっちも色々あって・・・最後にサポート出来なくて申し訳ないっす」
「まぁリリスに助けて貰ったから平気だったけどな」
「やぁ ご苦労さん こんなに早く全ての欠片を回収できるなんて思わなかったよ びっくりびっくり」
「テオドール!? 俺たちになんか用か!ガルルルゥ!!」
この前の事があってかディーはテオドールを威嚇する
「別に特別な用は無いよ ただ全てが終わったから 最後の仕上げをしに来ただけさ」
「最後の仕上げ?」
「そうだよ 全ての欠片を回収し終えたので君たちの世界を復元する事ができるのさ そのための準備みたいなものさ」
パチンッとテオドールが指を鳴らす
レゼとディーにはめられていた幻魔石とランタン型の耳飾りが外される
「これはもう必要ないから回収させてもらうよ・・・ではこれでお別れだ」
パチンッとまたテオドールが指を鳴らすとレゼとディーが別々のガラス玉に閉じ込められる
「何の真似だ テオドール!」
「すまないね これが神々の決定さ」
チョーカーが起動してレゼとディーの体が塵に変わっていく
「ちゃんと作動しているようだね」
「レゼ!」
ガラス玉を壊そうとジャッカルを錬成しようとするが上手くいかない
「どうして レゼ! レゼ!」
ガラス玉の内側から拳を何度も何度も叩き付ける
「ディー!」
お互いの声は聞こえない
どんどん体が塵になって力が抜けていく
「レゼ! 嫌だ! 消えないでくれ!お願いだ! 俺はレゼともっともっと一緒にいたいんだ!」
「ディー 泣かないで 約束したから・・・僕はずっと一緒だよ
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