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冒険者(プレイヤー)死神編

30話 食材討伐

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アイテム屋にて

「しけてるな」

「そりゃあそうっすよでなきゃあんなことしないっす」

「それもそうだな」

「あっ それは売らない方がいいっすよ 後で役に立つっすから」

「おう そうか」

用事を済ませ店を出ようとしたら数人の男達が駆け込んできた

「亭主あるだけ回復薬をくれないか? 急に必要になってな
普段群れで行動しない山クジラが群れで現れて討伐に出ていた冒険者達が大勢怪我したんだ!怪我は大したこと無いが頼むよ!」

「分かった すぐに用意しよう」

レゼに気付いた男の一人が話し掛けてくる
「あんた達もしかして冒険者か?お願いだ力を貸してくれ」
目の前に『ランクアップクエストを受け付けました』の文字が現れ消えた

「そうか ありがとう!」
ミニマップに赤い印が現れる

「君たちは先にトコシエ山脈に行っててくれ」

印があったトコシエ山脈まで来ると冒険者が山クジラの大群と戦っていた
その戦いにレゼ達も加勢する

「やってるな」

「沢山倒したらちょっとぐらい食べてもいいかな」

「君たちも手伝いに来てくれたんだね!ありがとう!君たちは向こうにいる山クジラの討伐をお願いするよ」

「おう」

「うん」
周りに合わせながら討伐する

「手加減するのうまくなったっすね」

「まあな 手を抜くのは肩がこるけどな」

「周りに合わせるのは大変」

地面が細かく揺れ始める

「なんだ この揺れは」

「この揺れ・・・もしや・・・」

トコシエ山脈の一際大きな岩に亀裂が入り白い口腕が這い出てきた

「うわぁ い 岩クラゲだ!」

「逃げろ! 俺たちじゃ太刀打ちできねぇ」

「普通は山脈の奥にいる魔物なのに・・・好物の山クジラも奥の方が沢山いる筈よ 山クジラが群れでここまで来たから追って来たのかしら」

「皆さん落ち着いてください 全体が出てくるまで少し時間があります 慌てず退避しましょう」

「でも せっかくの山クジラが・・・誰かあいつを討伐できる奴はいないのか?」

「岩クラゲが嫌う深海花があれば討伐できるかもしれません」

『サイドクエストを受け付けました』
『クエストアイテムを既に所持しています』
の文字が現れ消えた

「取って来て下さるのですね!深海花はトコシエ山脈の南にある深緑の浜に生えています」

「シンカイカなんて持ってたか?」

「ほら、アイテム屋で売らない方がいいって言ったアイテムっす」

「あぁ あれか」
男に話し掛ける
アイテム画面が現れ深海花をタップする

「ありがとう! これで岩クラゲを弱らせることができます
一緒に戦いましょう!」

サイドクエスト完了の画面が現れ消えるとボス限定の戦闘ムービーが流れた
「いよいよ戦闘だな!」
不適な笑みを浮かべる

大岩から這い出た岩クラゲの傘は大岩より大きく傘の下からは長く滑らかな口腕が延びている

『ライオスがランクボス討伐の間だけゲストメンバーとしてパーティーに入りました』の画面が現れ消えた

皆に指示を出していた冒険者がゲストメンバーとしてバトルに参加してくれているみたいだ

岩クラゲはプカプカと宙に浮きレゼ達の攻撃を紙一重でかわす レゼ達も岩クラゲの鞭攻撃を余裕でかわしていると口腕から煙を吐き出した

「その煙を吸ってはダメです、体が痺れて動けなくなりますから!」

ライオスはレゼ達と煙の間に入りスキルで煙を吹き飛ばした
「スキル(風魔法)発動!」

岩クラゲは口腕を槍の様に突き刺してくる
「見た目に反して固そうだな」
魔銃を撃ち込み影双剣で斬り付ける

岩クラゲの体力が半分を切り始めると
傘が波打ち、周りの魔力を吸い込み始める
「この時を待ってました」
ライオスは深海花を岩クラゲに吸い込ませる

岩クラゲは赤く点滅し、最後は青くなって地面に倒れた
固かった口腕はブヨブヨになり傘も溶けかけのアイスのような有り様だ

「アハハ こうなりゃお仕舞いだな」
傘の中にある赤い塊を撃ち抜く

クエスト完了の画面が現れ、ドロップアイテム欄に昇格の証と表示された

「終わった」

「おう」

「危ない所でしたが無事討伐できて何よりです」

画面が現れ消える
『ライオスがパーティーから抜けました』

他の冒険者たちも歓喜の声を揚げる
「あいつら殺りやがったよ!」
「俺は信じてたぜ」
「今回はトラブルもあったが大漁だな!」
「なら宴会だ!」
「そりゃあいい!お礼にこの食材で旨いもの作ってやるよ」

「やった!ディーご馳走してくれるって」

「はい はい」

「食べ物には目が無いっすね」

「どんな味がするのかな」

「岩クラゲも食うのか?」

討伐した食材を納品し、残りはバーベキューとして他の冒険者達と一緒にご馳走になった

レゼは山クジラの丸焼きにかぶり付き、ディーは岩クラゲの刺身に驚きながら口に運んでいる

バーベキューのあとギルドに行き証を提出し、レゼ達のランクは見習い(Dランク)から一人前(Cランク)になった

「一人前まできましたっすね 冒険者の中で一番多いランクっす一人前(Cランク)と手練れ(Bランク)には大きな壁があるって聞いたっすでもレゼさん達なら大丈夫っすよね? 信じてるので頑張ってくださいっす」

「言われなくてもそのつもりだ なあ、レゼ」

「うん僕たちに任せて」

「はいっす」
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