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冒険者(プレイヤー)死神編
29話 次の街
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荷物を整えドラクの街を出発した
「防具屋でのやり取り面白かったっすね」
「うるせぇ」
「なんのこと?」
「レゼは気にしなくていい」
「むぅ 僕だけ仲間外れ」
「そんなことはねぇ ほらこれ旨いぞ」
「むぅ そんなので騙されないから モグモグ 美味しい」
レゼ達が食べているのは街を出る前に屋台で買った山クジラの串焼きだ
「そう言いつつ食うのかよ」
山クジラは山に生息している二足歩行のクジラに似た魔物だ
その肉は柔らかくジューシーで狩り易くポピュラーな食材だと串屋のおっちゃんが言っていた
馬を走らせている間は時間の流れが速くあっという間に3日が過ぎ、次の街『ファイナファ』に着いた
商人の街で街にある建物はほぼ何かしらの商いをしている
市場では珍しい物やよく分からない物まで様々な物が売っている
レゼ達はファイナファでもドラクと同じく宿を借り、依頼に明け暮れている
ファイナファでこなした依頼が二桁を越えたある日、北の外れにある忘却の古城でボーンバード討伐の依頼をしていた
「今日も問題無くボーンバードの討伐終わったっすね」
「あぁ この城広くて見つけるのが面倒だったなぁ」
「同じ作りの部屋も多かったね」
「フフフ そうっすね イライラして壁を壊そうとしてたっすね」
「仕方ねぇだろ 頭使うのは得意じゃねぇんだ、それより帰ろうぜ」
ポータルを準備していると、男のエルフから声をかけられた
男の仲間なのか龍人族と猫人族がレゼ達を囲むように集まってきた
「君たちちょっといいかな?」
「なんだ」
「君たちDランクかい?」
「そうだよ」
「そうか それは良かった!」
武器をかまえる
「命が惜しかったらアイテムとギル全て出しな!」
「わお 盗賊っすね 迷路の様な地形を利用してランクの低いプレイヤーを襲ってるみたいっすね いやぁ考えたっすね」
「感心してる場合かよ 」
「基本自由っすからそうゆう野からがいても不思議じゃないっす」
「聞こえなかったのか!? さっさとしろ!」
「どうしよう」
「ちょうど誰も見てないっすからコテンパンにしちゃって大丈夫っす」
ディーは邪悪な笑みを浮かべる
「おう」
声を発したと思ったらディーの姿が消える・・・いや、違う動きが速くて目で追えなかったのだ
猫人族が血を吐く胸の穴から魔銃をクルクル回しているディーが見える
猫人族の体はモンスターと同じように光の粒子になって消えた
持ち物はドロップアイテムのように回収していた
「どうなってやがる Dランクじゃなかったのか!?」
龍人族がパニックになっている
無理もない、弱いと思っていた相手に仲間が瞬殺されたのだから
「冗談じゃない 俺は嫌だったんだ消えたくない 一からアバターを作るのなんて御免だ イワンが全て悪いんだ お願いだ見逃してくれ」
龍人族が尻餅を付いて情けない声をあげている
「てめえ! 何言ってやがる お前も乗り気だったじゃないか!」
「ハハハ! 厳つい見た目なのに情けねぇな」
「こいつらの強さは異常だ! きっと運営が俺たちをBANしに来たんだ! きっとそうだ!」
「落ち着け 違反行為はしてねぇはずだ」
「うわぁ 嫌だ いやだ」
「ちっ! こいつはダメだな」
龍人族にイワンと呼ばれていたエルフの男は煙幕を使い出口に向かって走り出す
「痛っ!? 壁? 道を間違えたか? いや、そんなはずはない」
目前に真っ黒な壁がある
「逃げちゃだめ」
影で拘束する
「くっ! あの兎人族のスキルか?」
先ほどまで仲間がいた辺りを見るが誰もいない
「あいつならもう殺っちまったぜ! ハハハハ!」
レゼが背中を十字に斬り付ける
「ぐあっ!」
イワンも他の2人と同じように消えていった
「あいつら何だったんだ?」
「さぁ?」
「ただの盗賊っす手っ取り早くギルを稼ぐ為に犯罪紛いのことをするプレイヤーは珍しくないっす」
「運営って?」
「運営はゲームを皆に楽しんでもらうために頑張っている人達のことっす 迷惑行為や違反行為した者はBAN(消される)されるっす」
「だからあの人達は騒いでいたんだね」
「片付いたことだし帰るか」
伸びをして再びポータルの準備を再開する
小さなポータル門を組み立て、上の台座にポータル石をセットすると画面が現れる『転移しますか? はい・いいえ』
『はい』をタップし転移場所を設定する
画面が消え、暗闇に包まれ気づいたらファイナファに戻ってきていた
「さっきの盗人のことギルドに報告した方がいいか?」
「う~ん 多分しなくて大丈夫っす
アバターが消えて一から育成のやり直しで心が折れてると思うので当分の間はゲームにログインすらしなくなるんじゃないっすかね・・・別のトラウマもありそうっすけど」
「そっか なら戦利品を売っ払ってメシに行くか!」
「うん」
「防具屋でのやり取り面白かったっすね」
「うるせぇ」
「なんのこと?」
「レゼは気にしなくていい」
「むぅ 僕だけ仲間外れ」
「そんなことはねぇ ほらこれ旨いぞ」
「むぅ そんなので騙されないから モグモグ 美味しい」
レゼ達が食べているのは街を出る前に屋台で買った山クジラの串焼きだ
「そう言いつつ食うのかよ」
山クジラは山に生息している二足歩行のクジラに似た魔物だ
その肉は柔らかくジューシーで狩り易くポピュラーな食材だと串屋のおっちゃんが言っていた
馬を走らせている間は時間の流れが速くあっという間に3日が過ぎ、次の街『ファイナファ』に着いた
商人の街で街にある建物はほぼ何かしらの商いをしている
市場では珍しい物やよく分からない物まで様々な物が売っている
レゼ達はファイナファでもドラクと同じく宿を借り、依頼に明け暮れている
ファイナファでこなした依頼が二桁を越えたある日、北の外れにある忘却の古城でボーンバード討伐の依頼をしていた
「今日も問題無くボーンバードの討伐終わったっすね」
「あぁ この城広くて見つけるのが面倒だったなぁ」
「同じ作りの部屋も多かったね」
「フフフ そうっすね イライラして壁を壊そうとしてたっすね」
「仕方ねぇだろ 頭使うのは得意じゃねぇんだ、それより帰ろうぜ」
ポータルを準備していると、男のエルフから声をかけられた
男の仲間なのか龍人族と猫人族がレゼ達を囲むように集まってきた
「君たちちょっといいかな?」
「なんだ」
「君たちDランクかい?」
「そうだよ」
「そうか それは良かった!」
武器をかまえる
「命が惜しかったらアイテムとギル全て出しな!」
「わお 盗賊っすね 迷路の様な地形を利用してランクの低いプレイヤーを襲ってるみたいっすね いやぁ考えたっすね」
「感心してる場合かよ 」
「基本自由っすからそうゆう野からがいても不思議じゃないっす」
「聞こえなかったのか!? さっさとしろ!」
「どうしよう」
「ちょうど誰も見てないっすからコテンパンにしちゃって大丈夫っす」
ディーは邪悪な笑みを浮かべる
「おう」
声を発したと思ったらディーの姿が消える・・・いや、違う動きが速くて目で追えなかったのだ
猫人族が血を吐く胸の穴から魔銃をクルクル回しているディーが見える
猫人族の体はモンスターと同じように光の粒子になって消えた
持ち物はドロップアイテムのように回収していた
「どうなってやがる Dランクじゃなかったのか!?」
龍人族がパニックになっている
無理もない、弱いと思っていた相手に仲間が瞬殺されたのだから
「冗談じゃない 俺は嫌だったんだ消えたくない 一からアバターを作るのなんて御免だ イワンが全て悪いんだ お願いだ見逃してくれ」
龍人族が尻餅を付いて情けない声をあげている
「てめえ! 何言ってやがる お前も乗り気だったじゃないか!」
「ハハハ! 厳つい見た目なのに情けねぇな」
「こいつらの強さは異常だ! きっと運営が俺たちをBANしに来たんだ! きっとそうだ!」
「落ち着け 違反行為はしてねぇはずだ」
「うわぁ 嫌だ いやだ」
「ちっ! こいつはダメだな」
龍人族にイワンと呼ばれていたエルフの男は煙幕を使い出口に向かって走り出す
「痛っ!? 壁? 道を間違えたか? いや、そんなはずはない」
目前に真っ黒な壁がある
「逃げちゃだめ」
影で拘束する
「くっ! あの兎人族のスキルか?」
先ほどまで仲間がいた辺りを見るが誰もいない
「あいつならもう殺っちまったぜ! ハハハハ!」
レゼが背中を十字に斬り付ける
「ぐあっ!」
イワンも他の2人と同じように消えていった
「あいつら何だったんだ?」
「さぁ?」
「ただの盗賊っす手っ取り早くギルを稼ぐ為に犯罪紛いのことをするプレイヤーは珍しくないっす」
「運営って?」
「運営はゲームを皆に楽しんでもらうために頑張っている人達のことっす 迷惑行為や違反行為した者はBAN(消される)されるっす」
「だからあの人達は騒いでいたんだね」
「片付いたことだし帰るか」
伸びをして再びポータルの準備を再開する
小さなポータル門を組み立て、上の台座にポータル石をセットすると画面が現れる『転移しますか? はい・いいえ』
『はい』をタップし転移場所を設定する
画面が消え、暗闇に包まれ気づいたらファイナファに戻ってきていた
「さっきの盗人のことギルドに報告した方がいいか?」
「う~ん 多分しなくて大丈夫っす
アバターが消えて一から育成のやり直しで心が折れてると思うので当分の間はゲームにログインすらしなくなるんじゃないっすかね・・・別のトラウマもありそうっすけど」
「そっか なら戦利品を売っ払ってメシに行くか!」
「うん」
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