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魔王死神編
20話 迂回路
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真の魔王を加えたレゼ一行はレクシュの街を出てラビリスが仕入れた情報通りに迂回路を進んでいた
「やはり一人より大勢の方が楽しいのだ」
「私もです!魔王様!」
「僕も多いの楽しい」
「俺は鬱陶しいぜ」
「そこは嘘でも楽しいって言うところですよ!」
「うるせぇ」
耳を押さえめんどくさそうに答える
「新しい服が気に入らないから拗ねているのだ
そっとしておくのが優しさなのだ」
「魔王様、お優しい!」
「そんなんじゃねぇ!」
じゃれ合いながら進んでいると崖の手前で豪華な馬車が止まっていた
「困りましたな・・・これでは先に進めません、どうしたものやら・・・」
「どうされたのでしょう?」
「なんかあるのか?」
「魔王様、橋が壊されていて進めない様ですぅ」
「うむ!・・・なら飛び越えればよかろうなのだ!」
ラビリスを軽々と抱え、助走をつけ数メートルはあるだろう崖を飛び越えてしまった
「ひょえぇー!!」
後に続いてレゼ達も飛び越えようとしたら引き止められる
「旅のお方、お待ちください
私どもを助けては頂けないでしょうか
お礼はたっぷりいたしますからどうかお願いします」
「はあぁ?助けるって何すんだ?」
「私どもはこの先に行きたいのですがこの通り橋が落ちてしまいまして・・・どうか私どもを向こうまで運んでは頂けないでしょうか・・・」
「運ぶって言われてもなぁ どうするレゼ?」
「むぅ・・・助けてあげる」
「あ ありがとうございます!」
レゼは魔眼を発動させる 瞳が赤く光り、黒炎が現れる
崖の淵に手を置くとそこから岩が盛り上がり即席の橋を作る
「これで行ける?」
「えっ!えぇ ありがとうございます・・・ルイス様渡れるようになりました」
初老の御者は馬車に声をかけ馬を走らせる
レゼとディーも橋を渡り向こう側で待っていたファルチェ達と合流する
「本当にありがとうございます・・・ルイス様も直にお礼を申し上げたいようですので・・・」
初老の御者は深々と頭を下げ、馬車の扉を開ける
馬車から身なりのいい青年が出てくる
「ありがとう 君たちのおかげで助かったよ 美しいお嬢さんたち」
レゼの手を取り手の甲にキスをしようとしたところをディーに阻止される
ディーは青年をにらみつける
青年は手を放し肩を竦める
「怒らせてしまったかな・・・おっと申し遅れたね
私はこの先にあるイーデムの町を治めているルイス・アルバーチェスだ」
「私はアロルド・フォーチスと申します ルイス様に仕え、雑務等をしております」
初老の御者が名乗る
「君たちにはお礼もかねて我が屋敷に招待しょう さぁどうぞ」
ルイスに促され一行は馬車に揺られ彼の屋敷に行くことになった
イーデムは果物の栽培が盛んな町のようで広大な果樹園が広がっている
「素晴らしいでしょうイーデムの特産品は果実でね、栽培に力を入れているんだ
屋敷に着いたら最高品質のものでもてなそう」
一行はルイスの屋敷に案内され豪華な食事をご馳走になった
「なるほど・・・皆さんはナタリア神殿に向かわれるのですね
でしたら私の船をお貸ししましょう」
「いいんですか!」
「君たちには助けてもらったからね
それに女性に優しくするのは紳士の務めさ」
ウインクをする
「ありがとうございます!とってもいい人ですぅ」
「キザな野郎だぜ」
「今晩は我が屋敷に泊まってくといい 長旅で疲れたでしょう 船は明日の朝早く出航できるように手配しよう」
「ありがとうございます」
「メリー彼女達を部屋に案内してくれ」
「かしこまりました・・・では皆さまこちらにどうぞ」
メリーと呼ばれたメイドが客室に案内してくれた
翌朝
空は薄暗い、月明かりが朝日のように暖かく降り注ぐ
上半身を起こし、伸びをする
「慣れねぇな、空が暗いのに朝だなんてな」
魔界は常に夜で赤い月が出ている
ディーの横の膨らみがもぞもぞ動く
布団をめくるとレゼが丸まっていた
ベッドを抜け出し窓の外を見ると大きな船が出航の準備をしていた
「おいっ レゼ起きろ 支度して行くぞ」
「むぅ・・・」
簡単に身支度を済ませ、部屋を出て階段を降りると下からラビリスの元気な声が響いてくる
「ディー、レゼおはようですぅ!」
飛びはねながら手を振ってくる
「何をやっておる 遅いのだ!」
ラビリスの横には腕を組仁王立ちしているファルチェが見える
「わりぃ レゼが全然起きなくてな」
「みんな、おはよう」
「みなさんお早いですね」
ディー達とは反対側にある階段からルイスが降りてくる
「よく眠れましたか?」
「はい!もうグッスリでした!」
「それは良かった」
「はい!泊めて頂きありがとうございます!」
「いいんですよ 助けてもらったお礼ですから」
「それでは」
ルイスに頭を下げる
一行はルイスの屋敷を後にし、船着き場までやってきた
「うまい飯に船まで出してくれるなんてな 気前のいい領主だったな」
「私達ついてましたね!、これも魔王様のお陰です!」
「ファルチェは何もしてねぇと思うぞ」
船乗り場に着くと声をかけられた
「あんた達がルイス様を助けてくれた旅の方か?」
「うむ!そうなのだ」
「おぉ、やっぱりそうかルイス様を助けてくれてありがとう
道中気を付けてな」
「はい!」
「これは私達からのお礼だよ遠慮なく持っていきな」
果実やら干し肉を渡してくる
「美味しいものがたくさんあるのは嬉しい」
町の人に見送られながら一行は船に乗り込む
「やはり一人より大勢の方が楽しいのだ」
「私もです!魔王様!」
「僕も多いの楽しい」
「俺は鬱陶しいぜ」
「そこは嘘でも楽しいって言うところですよ!」
「うるせぇ」
耳を押さえめんどくさそうに答える
「新しい服が気に入らないから拗ねているのだ
そっとしておくのが優しさなのだ」
「魔王様、お優しい!」
「そんなんじゃねぇ!」
じゃれ合いながら進んでいると崖の手前で豪華な馬車が止まっていた
「困りましたな・・・これでは先に進めません、どうしたものやら・・・」
「どうされたのでしょう?」
「なんかあるのか?」
「魔王様、橋が壊されていて進めない様ですぅ」
「うむ!・・・なら飛び越えればよかろうなのだ!」
ラビリスを軽々と抱え、助走をつけ数メートルはあるだろう崖を飛び越えてしまった
「ひょえぇー!!」
後に続いてレゼ達も飛び越えようとしたら引き止められる
「旅のお方、お待ちください
私どもを助けては頂けないでしょうか
お礼はたっぷりいたしますからどうかお願いします」
「はあぁ?助けるって何すんだ?」
「私どもはこの先に行きたいのですがこの通り橋が落ちてしまいまして・・・どうか私どもを向こうまで運んでは頂けないでしょうか・・・」
「運ぶって言われてもなぁ どうするレゼ?」
「むぅ・・・助けてあげる」
「あ ありがとうございます!」
レゼは魔眼を発動させる 瞳が赤く光り、黒炎が現れる
崖の淵に手を置くとそこから岩が盛り上がり即席の橋を作る
「これで行ける?」
「えっ!えぇ ありがとうございます・・・ルイス様渡れるようになりました」
初老の御者は馬車に声をかけ馬を走らせる
レゼとディーも橋を渡り向こう側で待っていたファルチェ達と合流する
「本当にありがとうございます・・・ルイス様も直にお礼を申し上げたいようですので・・・」
初老の御者は深々と頭を下げ、馬車の扉を開ける
馬車から身なりのいい青年が出てくる
「ありがとう 君たちのおかげで助かったよ 美しいお嬢さんたち」
レゼの手を取り手の甲にキスをしようとしたところをディーに阻止される
ディーは青年をにらみつける
青年は手を放し肩を竦める
「怒らせてしまったかな・・・おっと申し遅れたね
私はこの先にあるイーデムの町を治めているルイス・アルバーチェスだ」
「私はアロルド・フォーチスと申します ルイス様に仕え、雑務等をしております」
初老の御者が名乗る
「君たちにはお礼もかねて我が屋敷に招待しょう さぁどうぞ」
ルイスに促され一行は馬車に揺られ彼の屋敷に行くことになった
イーデムは果物の栽培が盛んな町のようで広大な果樹園が広がっている
「素晴らしいでしょうイーデムの特産品は果実でね、栽培に力を入れているんだ
屋敷に着いたら最高品質のものでもてなそう」
一行はルイスの屋敷に案内され豪華な食事をご馳走になった
「なるほど・・・皆さんはナタリア神殿に向かわれるのですね
でしたら私の船をお貸ししましょう」
「いいんですか!」
「君たちには助けてもらったからね
それに女性に優しくするのは紳士の務めさ」
ウインクをする
「ありがとうございます!とってもいい人ですぅ」
「キザな野郎だぜ」
「今晩は我が屋敷に泊まってくといい 長旅で疲れたでしょう 船は明日の朝早く出航できるように手配しよう」
「ありがとうございます」
「メリー彼女達を部屋に案内してくれ」
「かしこまりました・・・では皆さまこちらにどうぞ」
メリーと呼ばれたメイドが客室に案内してくれた
翌朝
空は薄暗い、月明かりが朝日のように暖かく降り注ぐ
上半身を起こし、伸びをする
「慣れねぇな、空が暗いのに朝だなんてな」
魔界は常に夜で赤い月が出ている
ディーの横の膨らみがもぞもぞ動く
布団をめくるとレゼが丸まっていた
ベッドを抜け出し窓の外を見ると大きな船が出航の準備をしていた
「おいっ レゼ起きろ 支度して行くぞ」
「むぅ・・・」
簡単に身支度を済ませ、部屋を出て階段を降りると下からラビリスの元気な声が響いてくる
「ディー、レゼおはようですぅ!」
飛びはねながら手を振ってくる
「何をやっておる 遅いのだ!」
ラビリスの横には腕を組仁王立ちしているファルチェが見える
「わりぃ レゼが全然起きなくてな」
「みんな、おはよう」
「みなさんお早いですね」
ディー達とは反対側にある階段からルイスが降りてくる
「よく眠れましたか?」
「はい!もうグッスリでした!」
「それは良かった」
「はい!泊めて頂きありがとうございます!」
「いいんですよ 助けてもらったお礼ですから」
「それでは」
ルイスに頭を下げる
一行はルイスの屋敷を後にし、船着き場までやってきた
「うまい飯に船まで出してくれるなんてな 気前のいい領主だったな」
「私達ついてましたね!、これも魔王様のお陰です!」
「ファルチェは何もしてねぇと思うぞ」
船乗り場に着くと声をかけられた
「あんた達がルイス様を助けてくれた旅の方か?」
「うむ!そうなのだ」
「おぉ、やっぱりそうかルイス様を助けてくれてありがとう
道中気を付けてな」
「はい!」
「これは私達からのお礼だよ遠慮なく持っていきな」
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町の人に見送られながら一行は船に乗り込む
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