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第3話 双子姉妹の腕相撲対決

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レイラ「こうやって手を合わせるのは、あのとき以来ね。覚えてる?」
カンナ「ええ、覚えてるわ。母上が止めに来なければ、あんたをぼこぼこにしてたんだから」
レイラ「よく言うわね。あたしの方が優勢だったでしょ。母上が来なければ、もう少しであたしが勝てたのに」
カンナ「あのときの決着もつけなきゃいけないわね」
レイラ「そうね。すべての白黒をはっきりさせなきゃ。じゃあ、いくわよ。レディゴー」

 2人は、同時に右腕に全力を入れる。2人の白くて美しい腕がぶるぶる震える。2人とも、体を鍛えているだけに、二の腕の筋肉は、発達していて、かなりの力がある。
 カンナが体重をかけてレイラの腕を押し込もうとすると、レイラも、体重をかけてカンナの腕を押し返す。
 
カンナ「なかなかいい力してるじゃない。でも、あたしの方が上みたいね」
レイラ「あんたこそ、歯を食いしばって必死じゃない。もうそろそろ勝たせてもらうわ」
 2人とも、必死の形相で相手の腕を押し合う。
 そんなせめぎ合いの中で、激しく動いたレイラが足首をひねって、バランスを崩したレイラに、カンナは、ここぞと力を込めてレイラの腕を押し倒した。
カンナ「やったー。あたしの勝利!これで、あたしが女王ね」
レイラ「うううぅ。ちょっと待ってよ。ほんとならあたしが勝ってたはずなのに。あんたは右利きで、あたしは左利き。あんたが先に右手を出してきたから右でやったけど、左なら絶対あたしの勝ちだわ。左手であんたが勝たないと、あたしは負けを認めないわよ」
カンナ「負け犬の遠吠えってやつね。妹に負けて悔しいのは分かるけど、あたしには右でも左でも勝てないわよ。左でも勝って、あたしが女王だって証明してあげるわ」

 カンナは、自信満々の表情でドレスの左腕の袖をめくり、自慢の上腕二頭筋を見せつける。
レイラ「そんなに腕を見せて威嚇しても、あたしの腕の方がいい筋肉ついてるんだから無意味よ」
 レイラは、左肘をテーブルに乗せ、カンナと手のひらを合わせて握り合う。
カンナ「じゃあ、行くわよ。レディーゴー」

 2人は、左腕に全力を傾ける。最初は、余裕の表情を浮かべていたカンナも、次第に必死の形相に変わる。
 2人は、鬼のような形相で相手の腕を押し倒そうと体重をかける。

 もはや後のないレイラは、カンナの手の甲に爪を食い込ませて必死に押し倒そうとする。
カンナ「あんた、爪が痛いのよ」
レイラ「ごめんね。握力が強いから」
 レイラの爪が食い込み傷ついたカンナの手の甲から、少し出血し始める。
 ひるんだカンナの左腕をレイラは、押し倒した。
レイラ「はあっ、はあっ。やっぱりあたしの方が強いでしょ」
カンナ「あんたがあたしの手の甲を爪で傷つけるインチキをしたからよ」
レイラ「負け惜しみを言っても無駄よ」
カンナ「負け惜しみを言って2戦目を求めたのはあんたでしょ」
 2人は、テーブルを挟んで睨み合う。
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