14 / 21
第14話 王妃第2候補に落ちたサヤと王妃第3候補マリーのリターンマッチ 前半
しおりを挟む
サヤは、カレンに負けたのが相当ショックだったのだろう。
全裸にガウンを羽織って部屋に戻ってくると、すぐシャワー室へ入ったまま出てこなくなった。
護衛の男は、心配になって待機する。
約1時間後に、サヤは、シャワー室から出てきた。
白いショーツのみを身に着けているだけで、表情は、放心状態である。体中のあざが痛々しい。
サヤは、おぼつかない足取りでベッドまで歩いていき、ベッドに倒れ込むように横になった。
護衛の男「サヤ様、お疲れ様でした。王冠は、失ってしまいましたが、まだ王妃になれなかったわけではありません。あまり気落ちなさらないでください」
サヤ「ええ、分かってるわ。カレンさんは、前回よりずっと強くなってた。前回、初めて負けて、相当あたしに勝つために鍛錬したんだと思うわ」
護衛の男「そのようですね。でも、実力差は、ほとんど感じませんでした。これからサヤさんが本気で鍛錬すれば、きっとまた勝てますよ」
サヤ「そうね。これから半年間、王子様のお相手する時間が減る分、練習に打ち込むわ」
翌日、マリーからサヤへ対戦依頼が届いた。
サヤ「マリーさん、あたしにもカレンさんにも負けたのに、また挑戦してくるのね」
護衛の男「ええ、サヤ様が負けたことを知って、今なら勝てると思ったのでしょうね」
サヤ「次の試合は、絶対負けられないから、体が回復するまで時間をもらってもいい?」
護衛の男「はい。最大3か月後まで伸ばせますから、いつにいたしましょう」
サヤ「3か月後にしてちょうだい」
護衛の男「かしこまりました」
サヤは、カレンとの試合後、1日だけ休んだだけで、すぐ練習を再開した。
カレンよりも屈強な男を練習相手にして特訓を重ね、練習量も以前の倍に増やした。
おかげで、筋肉量も、体力も、どんどん増していく。
そんな中、王妃第3候補マリーとの試合日がやってきた。
王妃第2候補のサヤとしては、この試合に負けてしまうと、王妃の夢が絶たれてしまう。
何せ3か月後には、オリバー王子が25歳を迎える。そのときに、王妃第1候補の座を手にしていなければならない。
王妃第3候補マリーと王妃第2候補サヤの勝った方が王妃第1候補のカレンに挑戦して、そこで勝った者が王妃になる。
サヤは、マリーには何としても勝たなければならなかった。
護衛の男「今回は、最高の仕上がりですね。健闘を祈ります」
サヤ「任せて。絶対に負けられない試合だから、確実に勝ってみせるわ」
サヤが闘技場に足を踏み入れると、マリーは、既に黄色のビキニアーマー姿でシャドーボクシングをやりながら、サヤを睨みつける。
サヤは、白いガウンを脱いで、いつもの薄いピンクのビキニアーマー姿になった。
観客からどよめきの声が起こる。以前にも増して全身に筋肉がつき、体が1回り大きくなったように見えるからだ。特に二の腕と太ももの筋肉には張りがあって、力強くなっている。
マリー「あんた、カレンに惨敗したそうね。これまら勢いだけで勝ってたあんたの勢いが止まれば、あとは落ちるだけ。あたしがリベンジマッチの恐ろしさを教えてあげるわ」
サヤ「あんたこそ、カレンさんに惨敗したそうじゃない。あたしは、紙一重の差で負けただけよ」
マリー「試合映像を見せてもらったけど、紙一重には見えなかったわよ。あんたは、カレンさんにリベンジを許したように、あたしにもリベンジされるのよ」
サヤ「カレンさんに負けたのは、チャンピオンになって油断してしまったからよ。あれから、必死に鍛え直したから、もうこれからは負けないわ」
マリー「奇遇ね。あたしも、前回のあなたとの試合は、簡単に勝てるだろうと油断してたから負けただけ。今回も勝てると思ったら大間違いよ」
サヤ「あんたこそ、今回こそ勝てると思ったら間違いよ」
マリー「やってみれば分かることよ。かかってきなさいよ」
サヤ「あんたこそ、早くかかってきなさいよ」
試合のゴングが鳴る。
マリーは、サヤをにらみつけて踏み込み、右ストレートを打ち込む。下がって避けたサヤは、ロングヘアーを乱しながらも、睨み返して左ストレートを打ち込む。
マリーも、体を横に振って避け、セミロングのヘアーを乱しながらも、距離を詰めて額をサヤの額に着け、サヤの髪を右手で鷲づかみにする。
マリー「その程度のパンチで勝てると思ってるわけないでしょうね」
サヤもマリーの髪をつかんで正面から睨み合う。
サヤ「当たり前でしょ。あんたこそ、あれが本気じゃないでしょうね」
マリー「三割の力で打ち込んだだけよ」
二人は、額で相手を押し合う。圧力のあるサヤの方が押し気味となり、マリーは、後退する。
サヤ「どうしたのよ。もっと押して来なさいよ」
マリーは、歯を食いしばって押し込もうとするが、サヤの体は動かない。
サヤは、マリーの髪を両手でつかんで、回り込みながら投げ飛ばそうとする。マリーは、片足が浮きながらも何とかもちこたえ、逆にサヤの髪を両手でつかんで引きずり倒そうとする。
しかし、サヤも、片膝をつきそうになりながらなんとか持ちこたえ、腰を曲げて互いの髪を両手でつかみ合ったまま向かい合う。
マリー「早く倒れなさいよ」
サヤ「あんたこそ、倒れなさいよ」
マリーは、右拳でサヤの頬にパンチを入れる。サヤも、右拳ですぐにマリーの頬にパンチを返し、2人は、お互いの髪から手を放して、両拳を振り回しながらパンチを打ち合う。
2人ともリーチが長いので、パンチがヒットする率が高い。
手数が多いのはサヤだが、マリーも、防御を固めているので、なかなか攻めきれない。それでも、動きの速いサヤは、脚を使ってマリーをかく乱し、距離をとっては、カウンターのようにパンチを当てる作戦に切り替えて優勢になる。
全裸にガウンを羽織って部屋に戻ってくると、すぐシャワー室へ入ったまま出てこなくなった。
護衛の男は、心配になって待機する。
約1時間後に、サヤは、シャワー室から出てきた。
白いショーツのみを身に着けているだけで、表情は、放心状態である。体中のあざが痛々しい。
サヤは、おぼつかない足取りでベッドまで歩いていき、ベッドに倒れ込むように横になった。
護衛の男「サヤ様、お疲れ様でした。王冠は、失ってしまいましたが、まだ王妃になれなかったわけではありません。あまり気落ちなさらないでください」
サヤ「ええ、分かってるわ。カレンさんは、前回よりずっと強くなってた。前回、初めて負けて、相当あたしに勝つために鍛錬したんだと思うわ」
護衛の男「そのようですね。でも、実力差は、ほとんど感じませんでした。これからサヤさんが本気で鍛錬すれば、きっとまた勝てますよ」
サヤ「そうね。これから半年間、王子様のお相手する時間が減る分、練習に打ち込むわ」
翌日、マリーからサヤへ対戦依頼が届いた。
サヤ「マリーさん、あたしにもカレンさんにも負けたのに、また挑戦してくるのね」
護衛の男「ええ、サヤ様が負けたことを知って、今なら勝てると思ったのでしょうね」
サヤ「次の試合は、絶対負けられないから、体が回復するまで時間をもらってもいい?」
護衛の男「はい。最大3か月後まで伸ばせますから、いつにいたしましょう」
サヤ「3か月後にしてちょうだい」
護衛の男「かしこまりました」
サヤは、カレンとの試合後、1日だけ休んだだけで、すぐ練習を再開した。
カレンよりも屈強な男を練習相手にして特訓を重ね、練習量も以前の倍に増やした。
おかげで、筋肉量も、体力も、どんどん増していく。
そんな中、王妃第3候補マリーとの試合日がやってきた。
王妃第2候補のサヤとしては、この試合に負けてしまうと、王妃の夢が絶たれてしまう。
何せ3か月後には、オリバー王子が25歳を迎える。そのときに、王妃第1候補の座を手にしていなければならない。
王妃第3候補マリーと王妃第2候補サヤの勝った方が王妃第1候補のカレンに挑戦して、そこで勝った者が王妃になる。
サヤは、マリーには何としても勝たなければならなかった。
護衛の男「今回は、最高の仕上がりですね。健闘を祈ります」
サヤ「任せて。絶対に負けられない試合だから、確実に勝ってみせるわ」
サヤが闘技場に足を踏み入れると、マリーは、既に黄色のビキニアーマー姿でシャドーボクシングをやりながら、サヤを睨みつける。
サヤは、白いガウンを脱いで、いつもの薄いピンクのビキニアーマー姿になった。
観客からどよめきの声が起こる。以前にも増して全身に筋肉がつき、体が1回り大きくなったように見えるからだ。特に二の腕と太ももの筋肉には張りがあって、力強くなっている。
マリー「あんた、カレンに惨敗したそうね。これまら勢いだけで勝ってたあんたの勢いが止まれば、あとは落ちるだけ。あたしがリベンジマッチの恐ろしさを教えてあげるわ」
サヤ「あんたこそ、カレンさんに惨敗したそうじゃない。あたしは、紙一重の差で負けただけよ」
マリー「試合映像を見せてもらったけど、紙一重には見えなかったわよ。あんたは、カレンさんにリベンジを許したように、あたしにもリベンジされるのよ」
サヤ「カレンさんに負けたのは、チャンピオンになって油断してしまったからよ。あれから、必死に鍛え直したから、もうこれからは負けないわ」
マリー「奇遇ね。あたしも、前回のあなたとの試合は、簡単に勝てるだろうと油断してたから負けただけ。今回も勝てると思ったら大間違いよ」
サヤ「あんたこそ、今回こそ勝てると思ったら間違いよ」
マリー「やってみれば分かることよ。かかってきなさいよ」
サヤ「あんたこそ、早くかかってきなさいよ」
試合のゴングが鳴る。
マリーは、サヤをにらみつけて踏み込み、右ストレートを打ち込む。下がって避けたサヤは、ロングヘアーを乱しながらも、睨み返して左ストレートを打ち込む。
マリーも、体を横に振って避け、セミロングのヘアーを乱しながらも、距離を詰めて額をサヤの額に着け、サヤの髪を右手で鷲づかみにする。
マリー「その程度のパンチで勝てると思ってるわけないでしょうね」
サヤもマリーの髪をつかんで正面から睨み合う。
サヤ「当たり前でしょ。あんたこそ、あれが本気じゃないでしょうね」
マリー「三割の力で打ち込んだだけよ」
二人は、額で相手を押し合う。圧力のあるサヤの方が押し気味となり、マリーは、後退する。
サヤ「どうしたのよ。もっと押して来なさいよ」
マリーは、歯を食いしばって押し込もうとするが、サヤの体は動かない。
サヤは、マリーの髪を両手でつかんで、回り込みながら投げ飛ばそうとする。マリーは、片足が浮きながらも何とかもちこたえ、逆にサヤの髪を両手でつかんで引きずり倒そうとする。
しかし、サヤも、片膝をつきそうになりながらなんとか持ちこたえ、腰を曲げて互いの髪を両手でつかみ合ったまま向かい合う。
マリー「早く倒れなさいよ」
サヤ「あんたこそ、倒れなさいよ」
マリーは、右拳でサヤの頬にパンチを入れる。サヤも、右拳ですぐにマリーの頬にパンチを返し、2人は、お互いの髪から手を放して、両拳を振り回しながらパンチを打ち合う。
2人ともリーチが長いので、パンチがヒットする率が高い。
手数が多いのはサヤだが、マリーも、防御を固めているので、なかなか攻めきれない。それでも、動きの速いサヤは、脚を使ってマリーをかく乱し、距離をとっては、カウンターのようにパンチを当てる作戦に切り替えて優勢になる。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
王国の女王即位を巡るレイラとカンナの双子王女姉妹バトル
ヒロワークス
ファンタジー
豊かな大国アピル国の国王は、自らの跡継ぎに悩んでいた。長男がおらず、2人の双子姉妹しかいないからだ。
しかも、その双子姉妹レイラとカンナは、2人とも王妃の美貌を引き継ぎ、学問にも武術にも優れている。
甲乙つけがたい実力を持つ2人に、国王は、相談してどちらが女王になるか決めるよう命じる。
2人の相談は決裂し、体を使った激しいバトルで決着を図ろうとするのだった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。


俺の娘、チョロインじゃん!
ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ?
乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……?
男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?
アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね?
ざまぁされること必至じゃね?
でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん!
「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」
余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた!
え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ!
【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる