最強王女ミリアが敵国の最強王女と威信を賭けたコロシアムバトル

第５話 最強王女ミリアと敵国の最強王女ルナの激闘１

　お互いが様子を見合う慎重な展開にしびれを切らしたミリアが踏み込んで、強烈な左ストレートを入れる。
ミリア「あたしのパンチは、早くて見えないでしょ。すぐにＫＯして、ペトラ地方を手に入れてみせるわ」
　一歩よろけたルナも、睨み返すと、強烈な右ストレートを返す。ミリアは、顔をしかめて痛みに耐える。
ルナ「あたしのパンチの方が強いでしょ。秒殺ＫＯで、ペトラ地方の領有権をいただくわ」
ミリア「調子に乗るんじゃないわよ」
　ミリアは、ルナに左右のフックを振り回して攻める。その猛攻に、何発かを顔面に浴びたルナは、数歩下がって歯を食いしばり、痛みに耐える。
ルナ「腕が太いだけあって、パンチ力は強いわね」

　しかし、ルナは、すぐに体勢を立て直して踏み込む、気合の声と共にミリアに左右のフックを振り回していく。
　ミリアも、何発かを顔面に受け、少しよろめきながら何とか耐える。
ミリア「あんたも、なかなかいいパンチ打ってくるじゃない」
　ミリアは、再び踏み込んで、左右のフックを打ち込む。ルナも、左右のフックを打ち返し、お互いに何発かが当たり、２人は、近づきすぎてお互いの額をぶつける。

　頭突きの衝突によって、２人は、よろめき、お互いの肩に顎を乗せて、クリンチで耐える。

　そこから、ミリアは、両手でルナの喉元を押し上げるようにして押し込んでいく。下は、芝になっていてミリアの裸足を芝に食い込ませて押し込むと、ルナの裸足が芝の上を滑るように後退する。
　ミリアは、ルナの体を壁際まで押し込み、ルナの喉元を押さえつけ、体ごと壁に押し付ける。
ミリア「さあ、この国のチャンピオンの力よ。観念しなさい」
ルナ「こんなの、大したことないわよ。こちらの国のチャンピオンの力を見せてあげるわ」
　ルナは、ミリアの喉元を両手で押さえつけると、逆に押し返して、ミリアを後退させる。
　ミリアも、ルナの迫力に押されて数歩下がったものの、なんとかこらえ、互角に押し合う。
　ミリアが力を入れて１歩、２歩前進すれば、ルナも、また力を入れて１歩、２歩押し返す展開で、どちらも優勢な状況を作れない。

　そのうち、リーチの長いルナが徐々に体重をかけて押し込み、ミリアの体が徐々に反って苦しくなってくる。
ルナ「どう？これがチャンピオンの実力よ。あなたの国では、誰も勝てないのよ」
ミリア「リーチの長さだけで勝てると思ったら大間違いよ」
　ミリアは、両手でルナの手を振り払うと、素早くルナの首に右腕を回し、投げ飛ばそうとする。
　ルナも、腰を落として必死にこらえ、左腕をミリアの首に回して逆に投げようとする。
　ミリアも、腰を落としてこらえると、右脚をルナの左脚にかけ、腕力を生かして、強引に何度も投げを打つ。何度目かの投げがうまくルナの左脚を跳ね上げ、ルナを芝生の上に投げ倒す。
　ミリアは、ルナをフェイスロックしたまま押さえつける。