捨てられ姫と偏屈魔法士


 ヴィルトゥエル王国の辺境の田舎村、「ミカニ村」で生まれ育った人族の少年、レイ。

 人族の中でも珍しく魔力を有していた彼は、国民の憧れの職である「魔法技師」になる為、日々見習い魔法士として訓練と勉強に明け暮れていた。
 しかし、田舎村の住人達はそんな「無駄な努力」ばかりをする彼を蔑み馬鹿にしていた。家族も村の役に立たないレイを早々に見捨て、レイの居場所は村の寂れた教会のみ。
 レイも当然村人達を嫌い、いつか村を出て王都に行く夢を持つのだった。


 そんなある日。


 いつものように大嫌いな家から飛び出して教会に向かったレイ。
 草原の一角が不自然に窪んでいるのを見たレイは、不思議に思いながらも道から外れ、窪みに近付いていく。ーーそして。


「……女?」


 草花を下敷きにして眠る、傷だらけの少女と出会ったのだ。





 
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