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5 魔王候補生と愉快な仲間たち

5―3 俺たちがお前を守る!

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 5ー3 俺たちがお前を守る!

 「なんで、お前たちがここにいる?」
 俺は、ちょっと怖そうな声で尋ねた。
 俺の目の前には床の上に正座した3人の男たちがうなだれていた。
 「こいつら、何?」
 クーランドがワチさんの入れてくれたお茶を3人に配りながら俺にきいた。
 「「「ああ?」」」
 3人がクーランドを睨み付けた。
 「なんでドワーフごときがセツに話しかけてるんだ?」
 緑の髪の虎男が凄んで見せるのを俺は、ぽかりと殴り付けた。
 「今、俺が質問してるんだよ?」
 「ご、ごめん、セツ」
 虎男がしゅんと小さくなった。
 銀髪の青い角の男が口を開いた。
 「俺たちは、この世界の魔王だ」
 銀髪が俺に説明を始めた。
 なんでもこの世界の魔王にとって魔王の子を産める嫁候補が産まれなくなったことは重大問題だったのだという。
 特にこいつらのような若輩魔王たちにとっては死活問題といえた。
 「このままでは、俺たちは、勇者に倒されても転生することができない」
 「そんなときに、異世界へ追放されたお前のお袋さんのことを知ったんだ」
 青い髪の猫耳がすがるように俺をみつめた。
 「聖女とその座を争ったほどの人間の子ならもしかしたら俺たちの嫁になれるんじゃないか、と思って」
 「それで、俺たちは、お前のことを手に入れるために、いや、守るために側にいて見守っていたんだ」
 虎男がじっと俺を見上げて言った。
 「それが、この度、いよいよ転生できずに消滅した魔王がでてきたから俺たちもこの世界に戻るようにと上から命がきて俺たちはこの世界に戻ることになった」
 なるほど。
 俺は、頷いた。
 「それで、お前たちは、俺を1人置いて去っていったというわけか?」
 「そんな!」
 銀髪が声をあげた。
 「事態が落ち着けばすぐに迎えに行くつもりだったんだ!」
 「俺も!」
 青い髪の猫耳男が続けた。
 「お前がまさか、俺たちの後を追ってくるとは思ってなかったんだ」
 「すまなかった。1人にして」
 虎男が上目使いに俺を見つめていた。
 「だが、これからは、俺たちがお前を守る!」
 
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