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6 魔王の都の春の祭り

6―13 真相ですか?

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 6ー13 真相ですか?

 「実は、私とルルゥ様は、精霊の予言を受けたのだ」
 ハツ様は、俺に話した。
 ここは、俺の家の食堂だった。
 「どういうことですか?」
 「それは」
 ハツ様が話そうとしたのをルルゥ様が止めた。
 「それは、私から話しましょう、ハツ」
 「ルルゥ様」
 ハツ様の背後から現れたルルゥ様は、ハツ様の隣の椅子に腰を下ろすと俺に向き合った。
 「私たちは、ある夜、突然、精霊の予言を受けたのです。それは、あなたがこれから身ごもるであろう子供たちに関わることでした」
 つまり、話しはこうだった。
 ハツ様とルルゥ様は、お互いを想いつつも決して結ばれることは叶わないと嘆いていた。
 が、ついにその夜、ルルゥ様は、堪えきれずにハツ様を離宮へと呼び出し告白したのだという。
 「叶わぬ想いとて、これ以上胸に秘めていることはできなかったのです」
 そして、ルルゥ様と同じように想いを秘めていたハツ様は、ついにルルゥ様の気持ちを受け止める覚悟を決めたのだという。
 ほぅ、っとルルゥ様が頬を赤らめため息をついた。
 「まるで、夢のような一時でした」
 お互いの気持ちを確認しあった2人は、ついに結ばれたのだという。
 「そのときのことでした」
 ハツ様がぐっとルルゥ様の手を握りしめた。
 「我々のもとに精霊が舞い降りたのです」
 愛を確かめあう2人の枕元にたった精霊は、2人に2つのことを予言したのだという。
 「一つ目は、我々が、結ばれるであろうということ」
 「そして、二つ目が、我々が結ばれるためには条件が満たされなくてはならないということでした」
 はい?
 俺は、首を傾げた。
 それで、なんで俺の子供たちが関係あるわけですか?
 「実は、我々が満たさねばならない条件というのが、ティル、君が子供を身籠るということだったんだよ」
 なんですと?
 「それから我々は、悩んだのです」
 ルルゥ様が真剣な表情で俺を見つめた。
 「いかにすればあなたを魔王たちと出会わせることができるか、と」
 「私たちは、あなたが西へと向かうように仕向けなくてはならなかった」
 ハツ様がもう仕分けなさげな顔をした。
 「そのために私とルルゥは、駆け落ちし、ルルゥの親しい西の辺境伯のもとへと逃げたと見せかけたのです」
 「私たちの思惑通り、アカネと勇者様は、あなたを巻き込んで西へ向かいました」
 ルルゥ様が吐息をついた。
 「まさか、あなたがすでに使い魔と恋仲になっていたとは思わず、このようなことに巻き込んでしまったこと許してやってくださいください、ティル・ソニアよ」
 マジですか?
 俺は、愕然としていた。
 まさか、この2人の策にはまっていたとは!
 というか、俺は、誰とも恋仲じゃねえし!!
 
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