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5 世界は、『スマホ』が回してる?
5―5 カフェで
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5ー5 カフェで
「ということなんだよ、そう思います?」
ここは、魔王城の城下町のカナンの村にできた新しい観光スポットである通りの一角のおしゃれなカフェだ。
俺とミミル先生とサナは、窓際の日差しが差し込んでぽかぽかと暖かいテーブルに陣取って話していた。
俺は、勇者様から話をきいた翌日にミミル先生とサナをこの店に呼び出して相談を持ちかけた。
決して、暇だったわけではない。
なんか知らないが、祭りのときの衣装だかなんだかの採寸とかで忙しかったんだが、あえてこの2人を呼び出してこの店で待ち合わせたのだ。
ここは、奥様の監修で作られたカフェで魔族の獣人たちによって経営されている。
名前は、『もふもふカフェ』
その名の通り、もふもふの耳と尻尾の店員さんたちがもてなしてくれるという夢のような店だった。
「どうぞ」
垂れ耳の犬の獣人であるエリスちゃんと大きな耳が魅力的な猫の獣人のリリィちゃんが俺たちのもとへと注文した品を運んできた。
店の中は、かなり混んでいたが、俺たちは、奥様のコネで1番いい席を確保できていた。
「かわいい~!」
ミミル先生が、テーブルの上に置かれた品々を『スマホ』で撮影し始めた。
この写真という『スマホ』の機能は、すごい。
まるで時間を切り取るように消えていく今を記録できるのだ。
そして、『スマホ』を持つ人々は、お互いの撮った写真を共有できるのだった。
もちろん、個人的に見せたくない写真は、隠しておくことができる。
だが、この仕組みは、『スマホ』仲間にとっては、かなり好評だった。
ミミル先生は、撮影したパンケーキの写真をポチっとしてみんなの共有コーナーへと公開した。
さっそく、王都の貴族たちが『いいね』を送って称賛してきた。
ここのパンケーキは、今、この国で最も話題のスィーツだった。
奥様がこの世界にもたらした物の中でも最高傑作と噂される生クリームをもっちりフワフワのパンケーキと呼ばれる生地の上にうず高く盛り上げて周囲に甘酸っぱいベルの実を散らしたそれは、この店の一番人気の商品だった。
「ということなんだよ、そう思います?」
ここは、魔王城の城下町のカナンの村にできた新しい観光スポットである通りの一角のおしゃれなカフェだ。
俺とミミル先生とサナは、窓際の日差しが差し込んでぽかぽかと暖かいテーブルに陣取って話していた。
俺は、勇者様から話をきいた翌日にミミル先生とサナをこの店に呼び出して相談を持ちかけた。
決して、暇だったわけではない。
なんか知らないが、祭りのときの衣装だかなんだかの採寸とかで忙しかったんだが、あえてこの2人を呼び出してこの店で待ち合わせたのだ。
ここは、奥様の監修で作られたカフェで魔族の獣人たちによって経営されている。
名前は、『もふもふカフェ』
その名の通り、もふもふの耳と尻尾の店員さんたちがもてなしてくれるという夢のような店だった。
「どうぞ」
垂れ耳の犬の獣人であるエリスちゃんと大きな耳が魅力的な猫の獣人のリリィちゃんが俺たちのもとへと注文した品を運んできた。
店の中は、かなり混んでいたが、俺たちは、奥様のコネで1番いい席を確保できていた。
「かわいい~!」
ミミル先生が、テーブルの上に置かれた品々を『スマホ』で撮影し始めた。
この写真という『スマホ』の機能は、すごい。
まるで時間を切り取るように消えていく今を記録できるのだ。
そして、『スマホ』を持つ人々は、お互いの撮った写真を共有できるのだった。
もちろん、個人的に見せたくない写真は、隠しておくことができる。
だが、この仕組みは、『スマホ』仲間にとっては、かなり好評だった。
ミミル先生は、撮影したパンケーキの写真をポチっとしてみんなの共有コーナーへと公開した。
さっそく、王都の貴族たちが『いいね』を送って称賛してきた。
ここのパンケーキは、今、この国で最も話題のスィーツだった。
奥様がこの世界にもたらした物の中でも最高傑作と噂される生クリームをもっちりフワフワのパンケーキと呼ばれる生地の上にうず高く盛り上げて周囲に甘酸っぱいベルの実を散らしたそれは、この店の一番人気の商品だった。
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