奥様は腐っている~やる気ないけどなんとなく玉の輿狙っていたのに婚約破棄されて腹立ちまぎれに通販で買った何かの卵を孵化してみました~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
上 下
12 / 110
1 始まりは、婚約破棄ですか?

1―12 番の証

しおりを挟む
 1ー12 番の証

 「ば、ばかっ!冗談は、やめろっ!」
 俺は、体をくねらせてなんとかテオから逃れようとしたが、テオは、俺のことを離さなかった。
 テオは、その鋭い爪で俺の服を切り裂くと、俺の体を暴いた。
 「ひぁっ!」
 俺は、足を押し開かれて、テオのことを涙目で見上げた。
 「なんで?こんな、ことっ!」
 「案じるな、ティル」
 テオは、俺の頬に口づけした。
 「お前は、この俺の番、だ。うんと優しくして、可愛がってやる」
 「なっ!」
 テオは、俺の下半身へと手を伸ばすと俺のものをそっと握った。
 「年のわりには、使い込んでないな。しかも、毛もはえてないなんて、かわいいな」
 「言うな!」
 俺は、思わず声をあげていた。
 それは、俺の最大の秘密だった。
 俺は、かぁっと頬を火照らせていた。
 テオは、俺の中心を握ったままにやっと笑った。
 俺は、テオから視線をそらした。
 気にしてることをっ!
 今まで俺が、恋人もろくに作れずにいた理由は、これだった。
 無毛。
 初めて冒険者仲間と娼館へ行ったときに相手をしてくれたお姉さんに笑われて以来、俺は、ずっと誰とも寝ていなかった。
 テオは、俺のものを指先で味わうように包み込むとその輪郭をなどり、そこへゆるゆると魔力を注ぎ込んできた。
 暖かいテオの魔力が俺のそこから流れ込んでくるのを感じて、俺は、体をぶるっと震わせた。
 「あっ!そんな・・だめ、だっ!」
 テオの体から注がれる魔力が俺の体を変えていくのがわかった。
 俺の腹部がぽうっと発光し見たこともない紋様が赤く浮き出してくる。
 「あっ?これ・・なに?」 
 「これは、お前が俺のものだという証、だ」
 テオは、俺の首筋を舐めながら、俺のものを擦り始めた。
 俺は、思わず口から出そうになる声を押さえた。
 テオは、気に入らない様子で俺をちろっと見つめた。
 「この証が完成すれば、お前は、自ら俺を求めるようになるだろう」
 テオが俺の腹に刻んでいる紋様が徐々に熱をもっていく。
 俺は、体をもぞっと動かした。
 熱い。
 なんだか、体の奥がむず痒くなってきて、俺は、はふっと吐息を漏らした。
 なんだ?
 この感覚は。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません

月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない? ☆表紙絵 AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

よく効くお薬〜偏頭痛持ちの俺がエリートリーマンに助けられた話〜

高菜あやめ
BL
【マイペース美形商社マン×頭痛持ち平凡清掃員】千野はフリーのプログラマーだが収入が少ないため、夜は商社ビルで清掃員のバイトをしてる。ある日体調不良で階段から落ちた時、偶然居合わせた商社の社員・津和に助けられ……偏頭痛持ちの主人公が、エリート商社マンに世話を焼かれつつ癒される甘めの話です◾️スピンオフ相川x太田【爽やか甘重な営業エースx胃腸が弱いエンジニア】◾️2024/9/9スピンオフ白石x片瀬(幼馴染同士)をアップ

【完結】運命さんこんにちは、さようなら

ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。 とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。 ========== 完結しました。ありがとうございました。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

処理中です...